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interview

週3日の
パン屋を続けて

ワルン・ロティ店主
大和田 聡子さん

目黒区洗足の住宅街にある
パン屋「ワルン・ロティ」が扱うのは
国産小麦と天然酵母で作るパンとワインといろいろ。
週3日オープンを続けて、15年。
店主の大和田聡子さんに、子育てしながらも
好きを仕事に、長く続けられる秘訣を聞いた。

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  • パン好きが高じてパン屋に
    私がパン屋を始めるようになったのは、パンが好きだったから。それと父が作った「コユキコムギ」がどうなったかなと探してみたら、岩手県の栽培奨励品種として生産されていました。小さな頃から国産小麦の美味しさを知っていた私は、コユキコムギでパンを作りたいと考えたのです。好きから始まって、最初は家事と育児をしながら独学でスタートしました。

    自宅をパン工房へ
    中古で購入した自宅が建て替えの時期だったこともあって、家族の了承を得て自宅兼パン工房を作り、いよいよパン屋として本格的にスタートしました。もし、お店を借りるとしたら月に十数万円は必要になります。投資は最小限に抑えて、やれる範囲で後悔のないところまでやろうと考えていました。

    主婦であることが強み
    無理や背伸びをしないことが大切だと思っていました。家事と育児をこなしながら、一週間かけて天然酵母を仕上げる。家に居る時間の長い主婦業ということがプラスとなり、発酵の仕上げのタイミングを逃さずにすむことが、強みになりました。
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  • 週末3日オープン
    ワルン・ロティは金土日の週末3日間だけオープンするパン屋です。家事育児と両立しながら、主婦の「ひとりビジネス」として続けるには、気力も体力もそれが限界でした。お客さんはご近所の方が中心です。家庭的な温かさや親近感を感じて、パンを買いに来てくれます。

    子育てしながら15年
    家にいるからとは言え、子どもは急に熱を出したり、ままならないこともたくさんありました。それでも週3日だからこそ、続けることができました。気負いすぎることなく、さまざまな人とつながり、お客さんのネットワークが広がって、かれこれ15年になります。

    40種類のパンを焼く
    メニューにあるパンは約40種類。「あんぱんを焼いてほしい」とか「朝は食パンじゃなきゃ」とか、お客さんのリクエストを聞いているうちに、増えていきました。パンを焼いていると、「あの人はいつもブリオッシュだなぁ」と買いに来る人たちの顔が次々に思い浮かびます。その日来るかどうかもわからないけれど、用意しておかなきゃと思い、いつも40種類をひと通り焼いています。
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  • 私セレクトのお店に
    今では、ワルン・ロティで販売しているのはパンだけではありません。大好きなワインは、ギリシャ産やブルガリア産などを揃えていて、他にもお客さんが欲しいと言うもの、私がお勧めしたい食材を販売しています。長野や岩手、和歌山の手作りジャム、徳島の無農薬野菜などが並んでいます。

    近所のつながりが広がっています
    お店には私ひとり、お客さんも一組入れるくらいの小さなお店です。パンやワインを売って・買ってというだけの関係ではなく、「この前のパンが美味しかった。今日はもうないの?」といった会話が自然に生まれます。そういったコミュニケーションが楽しいですね。今では、町を歩いていると、たくさんの知り合いに声をかけていただいています。
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  • とにかく、始めてみるのがいい
    やりたいことがあっても、子どもの成長を待っていては、いつまでたっても進みません。だから最初は、とにかく始めてみようと思いました。「自分の生き方はなんだろう?」と先々を考えてみると、「大好きなパンを突きつめたい」。そう考えていると、やらない理由がありませんでした。

    やってみれば、簡単
    最初から「失敗してはいけない」と思いつめてしまうと、不安ばかり。結局やれなくなってしまいます。今は情報を手に入れやすいですし、材料も仕入れやすくなっています。やってみようという気持ちがあれば、簡単に始められます。

    好きなことを続ける
    私の場合はパンだったけれど、料理でもアクセサリー作りでも、やってみたいと思った時に始めて、続けるのがよいと思います。たとえビジネスとして始めなくても、どんなかたちでも得意なこと・好きなことは続けてほしいと思います。続けていくことが、宝物になると思います。

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profile

大和田 聡子さん
大和田 聡子さん
パン好きが高じて、専業主婦から自宅の一角で週末営業のパン屋「ワルン・ロティ」をはじめる。パンだけでなくワインへの造詣も深く、講演・執筆多数。定期講座「パンとワインの美味しい夕べ」を自宅で開催している。

関連サイト
ワルン・ロティwebサイト

information

ワインとパンに恋して
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パンとワインの世界をもっとたくさんの人に楽しんでもらいたいと、さまざまな角度からその魅力を紹介。パンとワインを買いに走りたくなる一冊。2015年6月発行(自然食通信社)



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