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NEWS RELEASE


平成9年2月12日
       

プレハブ住宅が“最高級住宅”に挑戦 
「GENIUS アーバンデザイナーズ」のモデルプランを公開

     

    デザイナーと工業化住宅の技術が融合した都市部向け最高級住宅
    Gマークグランプリ「GENIUS」がベース
    コンセプトは「上品な家=住まいは人が主役で家は脇役」
    都市にふさわしく開発した外観
    各フロアに自然を取り込む「5ステージに5ガーデン」の新発想
    地下室、ガレージ、蔵など、より広く暮らせる提案満載

      
 ミサワホーム株式会社(代表取締役社長 三澤千代治)では、1月1日より、東京都限定の最高級住宅「GENIUS アーバンデザイナーズ」の受注活動を開始しましたが、このほど練馬区上石神井にモデルプラン第一号を完成、公開する運びとなりました。 


 プレハブ住宅業界の商品構成は、これまで“高級住宅”よりは“普及版”が中心になっていました。一方、従来工法(在来木造・RC・鉄骨など)では“腕の良い職人の不足”“住宅デザイナーが見つからない”“ゼネコンは住宅の経験が不足している”“建築家は住む側の立場より作品づくりに力を入れている”等、高級住宅が出来にくくなっているのが実情です。
 ミサワホームでは、このような現状を受けて、これまで培われた住宅技術・ノウハウを結集して、あえて“高級住宅づくり”に取り組むことにしたものです。すでに、昨年12月、'96グッドデザイングランプリ「GENIUS 蔵のある家」の開発スタッフを中心に、本社・商品開発部内に「アーバンデザイン室」を発足。同室スタッフの“邸別設計・邸別デザイン”による最高級住宅を「GENIUS アーバンデザイナーズ」とネーミングしています。ミサワホーム屈指のデザイナー自身が、建物本体からインテリアのファニチャー・ファブリック・小物類、庭までをトータルにプランニングする、いわば“プレハブ住宅のデザイナーズブランド”といえるものです。


 「アーバンデザイン室」の設計・デザインコンセプトは「上品な家=住まいは、人が主役であって家そのものは脇役」。住空間を装飾することで家に個性を主張させるのではなく、住まう人や室礼がより映えるシンプルな住空間づくり、生活をより楽しく演出できるシンプルな住空間づくりを目指そうというものです。
 同コンセプトのもと誕生したモデルプランは、Gマークグランプリ「GENIUS」をベースに、アーバンデザイン室長の上野彰一が設計を担当しています。
 主な特徴は
(1)スキップフロアにより住まいを5つの層に分け、それぞれのフロアに自然を取り込んだ「5ステージに5ガーデン」の新発想。
(2)地下室、ガレージ、蔵、Mウッドをはじめとする自然素材の採用など、より広く建てられる工夫、より広く暮らせる工夫、より広く感じさせる工夫を満載。
(3)都市にふさわしい外観デザイン、御影石調建材とタイルの新開発、屋根の特殊防水。
などが特筆されます。
 ミサワホームでは今後、東京での市場動向を見極めるとともに、全国にシフトするディーラー内にも順次“アーバンデザイン室”を発足。近く本格的な高級住宅の受注活動を展開したい考えです。




■ アーバンデザイン室の“デザインポリシー”


 「GENIUS アーバンデザイナーズ」の基本は、“木質パネル接着工法”“10年間の合理化の成果を品質・価格に反映”“C・H・Sのシステム認定を取得した「100年住宅」”“画期的な新素材「Mウッド」の全面展開”“日本の住宅に新しい住空間「蔵」を創造”“多彩な生活提案”“自由設計とすぐれたデザインを両立させたシステム設計”“27のGマークと200項目に及ぶ親切・丁寧新技術”、以上8項目となります。
 Gマークグランプリ「GENIUS」が持つハード・ソフト両面の技術をベースとした、ミサワホームの全技術の集大成といえるものです。


 姿、形、機能、品質、材料… 様々な要素によって決定付けられる“家の価値”。ミサワホームではトータル性能の高さは勿論、デザインの良し悪しが住宅商品の値打ちを2倍にも、あるいは半分にもすると考えています。ところが今主流の自由設計の住宅で、様々なユーザーニーズをそのまま取り入れてしまうと、住みにくくなる上に、トータルなデザイン水準の確保が難しく、結果として住宅の価値を下げてしまうという場合もあり得ます。 ミサワホームでは、´96グッド・デザイン大賞を受賞した「GENIUS 蔵のある家」をはじめ主力ブランド「GENIUS」シリーズで、自由設計とすぐれたデザインを両立する“システム設計”を業界で初めて導入。独自のモジュール設計、部品・部材の応用により、ユーザーニーズを反映できる自由設計商品でありながら、建物の大小、設計者のレベル差にかかわらず外観・インテリアともカタログや展示場のイメージ通りに再現することを可能にしています。
 「アーバンデザイン室」では、システム設計をはじめ工業化住宅の技術を受け継ぎながらも、さらにデザイナーの個性を全面に打ち出し、よりすぐれた都市部向けの“最高級住宅”を提案していきます。


 “高級住宅”の定義について、世の中では様々なとらえられ方をしています。当社の “高級住宅嗜好フィールド調査”では、構成因子として「上品−40%」「絢爛−25%」「風格−25%」「ハイテク−10%」の4項目が挙げられています。
 「アーバンデザイン室」が提唱する高級住宅とは、「上品な家=住まいは、人が主役であって家そのものは脇役」という考え方です。家電製品、ピアノ、美術品、さらにはファッションなど、住まいの中では、その一つひとつを設計したデザイナーたちの、それぞれ違うポリシーが主張しあっており、住空間までも装飾してしまうと収集がつかなくなってしまいます。外観・インテリア・間取り・設備とも家そのものが個性を主張するのではなく、人や室礼がより一層ひき立つシンプルな住空間づくり。ホームパーティー、ホームコンサート、ホームクッキングなど住まいの中で繰り広げられる様々な生活をより楽しく、より面白く演出できるシンプルな住空間づくり。こんな空間をもつ住まいをミサワホームでは“上品な家”と呼ぶとともに、「高級住宅とは何か?」という問いに対する明確な答えでもあると考えています。


 「アーバンデザイン室」では、こうした設計・デザインコンセプトのもと、住宅デザインを構成する点、線、面、サイズ、柄、模様、形、色、材料、テクスチャー、ライフスタイル、以上10項目の整理整頓をすすめながら、「シンプル・イズ・ベスト」を追及した住空間を創造していきます。さらに、都市の喧騒のなかでも自然を十分に取り込める空間設計、都市の限られた敷地条件のなかでも広く暮らせる工夫を満載した空間設計… 等々、従来商品とは一線を画する、都市型高級住宅の最先端の姿、あるいは今後の方向性を指し示していきたいと考えています。


■ 最高級住宅に実績


 ミサワホームでは今日まで、「センチュリー」シリーズで最高級住宅を受注しており、約2000棟が邸宅にふさわしい“大きな家”として建設されてきました。大規模なものには300坪というものもあり、この分野では業界で一つの成果を上げています。
 今後、「アーバンデザイン室」を増やしていくことにより、将来的には全受注の20%近く、年間4000〜5000棟にまでアップ。作品として残せる最高級住宅を造りあげていきたいと願っています。


■ 「GENIUS アーバンデザイナーズ」モデルプランの特徴


(1)「面と線の構成美」を追及した外観デザイン


 「アーバンデザイン室」では、世田谷区や杉並区のような都市部邸宅地を一つのモデルとした建物を設計するため、ミサワホーム総合研究所・市場調査室とともに、同地区における“環境調査”を実施。その結果、「勾配屋根」「建物と外構の一体設計」「タイル貼りの外壁」の住宅が、よりすぐれた今後の住宅であると結論を出しました。そこで、こうした街の環境と調和しながら、シンプル且つ一つの住宅として美しく映えることを外観デザインのテーマの柱としています。


 モデルプランの外観スタイルは、トライアングル(三角形)とボックス(四角形)のシンプルな構成になっています。勾配屋根のフォルムから安定感を表現したのがトライアングルであり、ボックスは建物と外構の一体設計を意識し、敷地を最大活用することを考慮したうえでのデザインです。
 この建物のために新開発した御影石調建材と外壁用タイルは、ミサワホームに合うよう製造されているため、“割り付け”を確実に美しく仕上げます。サイディングによる柱・梁型、タイルによる外壁、目地が、統一された全体の色づかいと相俟って、「面と線」のみごとな構成美を実現。外観には複雑な「面」の形が一切なく、すべての面が四角形で構成されるという、「シンプル・イズ・ベスト」と呼べる、とぎすまされた外観デザインをみせています。


(2)「5ステージに5ガーデン」の新発想


 太陽、風、ゆとり、プライバシーなど、郊外ではごく当たり前ことが、都市ではなかなか実現できないのが実情です。モデルプランでは、こうした都市住宅であるがゆえの悩みを一挙に解決する「5ステージに5ガーデン」という、新しいコンセプトを提案します。 「5ステージに5ガーデン」とは、2階建住宅を5つの層に分けて、それぞれに自然を取り込み、より豊かに、より楽しく、よりやすらかな暮らしを実現しようというものです。 具体的には隣家の視線や道路からの騒音を防げるよう、1階のフロアレベルを0.5 階、地階から上げる「高床式」をベースに、上下階を左右にずらし、半階差で設けるスキップフロアとしています。地下室、1階のエントランス、1.5 階のリビング、2階の寝室、2.5 階の子供室という「5つのステージ」に、ドライエリア、玄関・ガレージ、リビングガーデン、サービスバルコニー、スカイガーデンといった、それぞれの目的に合わせたアウトスペースとしての「5ガーデン」をプラス。さらに、仕事、交流、協力、安息、成長という、各フロアごとのテーマを設けたのが「5ステージに5ガーデン」です。
 自然との共生、広々と生活できる連続空間、パブリックとプライベートのほどよい分離、3階建感覚で暮らせる2階建など、都市生活のニーズに応えきる住空間がそこにあります。


(3)一人ひとりが自分らしい生活を楽しめる「広い家」


 日本人のライフスタイルがますます多様化してきました。まして、より個性化が進む都市生活を包み込む住まいには、1000組の家族がいれば、1000通りの生活があり、1000種類の住空間が必要といっても過言ではありません。そこには様々なニーズが反映されるわけですが、当社のこれまでの分析によると、共通しているのは家族一人ひとりが自分らしい生活を満喫するための「より広く生活できる空間」です。
 その一方で、広さの設計・デザインのためには、限られた敷地面積、厳しい法規制など、都市ならではの数々の課題をクリアしなければなりません。


 今回のモデルプランには、同じ敷地条件でも、より広く建てられる工夫、より広く暮らせる工夫、より広く感じさせる工夫が満載されています。
 例えば、道路斜線、北側斜線をはじめとする厳しい法規制をクリアし、敷地を最大活用。地下室(総床面積の3分の1)やガレージ(同5分の1)など、容積率に算入されない空間(緩和床面積)が71平方メートル。法的床面積は132平方メートルでも、実質床面積203平方メートルの広さ。また、スカイガーデン、リビングガーデン、サービスバルコニー、ドライエリアなど、実質床面積に算入されない“生活面積”までくわえると、約260平方メートルという「広い家」、実質坪単価が高めでも、生活面積から考えると、きわめて高いコストパフォーマンス。さらに、高さ3mのリビングの天井、リビング・ダイニングの連続空間、寝室・子供室の勾配天井など、「気積=空間の容積」の有効活用で、立体的なゆとり(広さ)を実現。仕上げは、「Mウッド」を中心に木、紙、土など、自然素材をインテリアに採用、心のゆとりという点から空間の広さを感じられるようにもしています。
■ 「GENIUS アーバンデザイナーズ」モデルプランの概要


・工   法   木質パネル接着工法


・床面積  実質床面積       緩和床面積       法的床面積

B1階  60平方メートル    60平方メートル     0平方メートル

1 階  85平方メートル    11平方メートル    74平方メートル

2 階  58平方メートル     0平方メートル    58平方メートル

TOTAL 203平方メートル    71平方メートル   132平方メートル


※掲載内容は、記者発表時のものであり、現在と異なる場合があります。
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