ミサワホーム株式会社(代表取締役社長 三澤千代治)は、21世紀の暮らし方の提案として、快適な環境共生生活「エコライフ」が実現できる木質系新住宅「ミサワホームZ」を4月21日より全国一斉(北海道、沖縄を除く)に発売します。
ミサワホームでは高まる環境意識を背景に、「普通に生活するだけで環境貢献ができる住宅」をテーマに住宅開発を進め、昨年7月に、世界初のゼロエネルギー住宅として、セラミック系住宅「HYBRID−Z」を開発・発売しました。
「HYBRID−Z」は、高気密高断熱による省エネルギー技術、太陽電池による創エネルギー技術、リサイクル可能な素材の活用などが高く評価され、従来の住宅に例を見ないほどの問い合わせが寄せられると共に、セラミック系住宅としては単一で過去最高の受注を更新中です。
セラミック系「HYBRID−Z」においては、市場の調査評価を得るためのイメージ商品としての役割を完全に果たしたことになり、この成功の上に立って今回木質でマスプロする「ミサワホームZ」を発売することになりました。
現在では、地方自治体や各企業の環境保全への取り組みが推進され、環境に配慮した自動車、家電製品に関心が高まり、売り上げ向上に結びついていることなど、地球規模で環境問題への取り組みが始まっています。
住宅は何十年と暮らす間に、毎日生活エネルギーを消費しゴミを出しています。住まい方の工夫や住宅の性能によって、環境への影響には大きな差が出てきます。建替の際には大量の廃棄物を出している現状と、こうした社会情勢を踏まえ、木質系のスーパーエコ住宅として「ミサワホームZ」を開発、ハード・ソフトの両面から環境負荷の低減を図ります。
「ミサワホームZ」の主な特徴は
1・次世代型の省エネ基準をクリアし、細部にわたる高気密高断熱設計で消費エネルギーを大幅
に低減、住宅金融公庫の割増融資が可能。
2・リサイクル素材であるM−Woodの内装材を使用して平成10年度の通産省基準に準拠す
る「スーパーエコ仕様」を標準設定に。
3・屋根全面に太陽電池パネルを搭載し、オール電化にすることでゼロエネルギー仕様を可能に。
4・ゼロエネルギー仕様は47坪タイプで110%のエネルギー自給率を実現。(東京地区)
5・「センターキッチン設計」で家事動線を軽減し、快適なエコライフが送れる工夫を満載。「コ
ンビニエンスユーティリティ」にごみ分別回収ツールや空き缶プレス器を設置。
6・52プランを用意し、自由設計とデザイン性を両立させる「システムフリー設計」を採用。
また、オプションとして設定しているサンデッキやパーゴラには、再利用したリサイクルウッドを使用。天然木に比べ非常に高い耐水性・耐久性を実現しています。
ミサワホームは地球環境大賞受賞企業として、これからの住宅の基本性能「環境共生」を提言していく考えです。21世紀の暮らし方として、環境に配慮しない生活は不可能であるとし、新商品「ミサワホームZ」と「HYBRID−Z」を2本柱に、環境に優しい住宅、環境に優しい企業を広く訴求していきます。
販売価格はスーパーエコ仕様3.3?あたり54.4万円からで、モデルハウスを全国に47ヶ所公開、初年度5,000棟の販売を目指します。
■ 「ミサワホームZ」の特徴
1)「ゼロエネルギー仕様」を可能にした技術
「ミサワホームZ」のゼロエネルギー仕様は、これまでミサワホームが研究を進めてきた、省エネルギー技術と、創エネルギー技術により、生活に必要な年間エネルギーコストをゼロにすることを可能にしています。
具体的には、東京地区で4人家族が住む47坪の一般在来住宅が、消費するエネルギーは22,530kWh/年(日本建築学会のモデル生活パターンより算出)に対し、「ミサワホームZ」ゼロエネ仕様同面積タイプでは、8,499kWh/年まで抑える省エネルギー性を実現し、創エネルギー面では9,369kWh/年の発電を可能とし、自給率は110%となります。「ミサワホームZ」には、この自給率を引き上げるための様々な設計や設備を用いています。
○オール電化
省エネルギーに貢献するのはもちろん、CO2の発生を抑える効果があり、省電力機器として以下のような設備を搭載しています。
ヒートポンプ給湯器:一般的なエアコンと同様にコンプレッサーでの冷却の圧縮、膨張によって空気中から熱を集めお湯を沸かし、大幅な省エネを実現します。
クッキングヒーター:IHヒーターを採用しており、鍋そのものだけを発熱させるため、熱効率が高くカロリーロスを最小限に抑えています。
蛍光灯照明セット:白熱灯照明と比べてランプ寿命で約6倍、消費電力は約3分の1と優れた、蛍光灯照明を、基準照明として設定しました。
○高気密・高断熱設計
木質パネル接着工法が持つ大きな特性として、高気密高断熱がありますが、換気扇部からの外気の侵入や、照明、コンセントなどの設備とパネルの接合部に生じる、わずかな隙間にも気を配り、省エネルギー性をより高めるために新部品を採用しています。
気密コンセント:室内の空気が逃げないよう、コンセント接合部をビニールで密閉。冷暖房効率を高めています。ダウンライトも高気密化し、一般的な木造住宅では床面積1?当たり15c?の隙間があるのに対し、「ミサワホームZ」は3分の1の5c?に抑えています。(I・II地域は2c?)
気密パイプファン:高気密電気式シャッターで電源OFF時に外気の侵入を防ぎます。
Low−eガラス:光や熱を選択透過・反射する特殊金属膜を施したサッシで、冷暖房効率を高めます。また、シャッターを内蔵した南面連続庇は、夏の太陽高度の高い日差しは遮断、冬の低い日差しは十分に取り込むことで空調エネルギーを低減。室内環境も向上させます。
2) 細部に渡る高気密高断熱設計
「ミサワホームZ」では住宅の省エネルギー化を構造・設計の面から見直し、細部に渡るグ
レードアップにより、環境負荷の低減を実現すると共にランニングコストを抑えました。
・ 断熱材の充填量を増加
パネル内の断熱材を50?(GW10k50)から75?(GW16ks75)に増加。厚さだけでなく、細繊維のものを採用し従来のパネルと比較すると、約1.7倍の断熱性能です。
・ 断熱仕様玄関ドア
ドア本体にウレタン発砲を注入し、そで部分にはペアガラスを採用した玄関ドアです。
・ 床下断熱エコボックス
従来、床に穴が空いたような状態だった床下収納に、蓋に断熱材を取り付けることにより周囲の床同様の断熱性能を持たせました。
・アルウッドサッシ
アルミに比べ、断熱性能の優れた「M−Wood」を内側に使用したサッシを装備し、大幅に断熱性を向上しています。
・ 気密コンセント/スイッチ
コンセント部分の空気の漏れは、設置箇所数が多くなると気密性に大きな影響を与えます。ワイド電材に気密部品を組み込み、配線経路からの熱の流出入を抑えます。
・ バリア石膏ボード
外周部に面した壁、天井に防湿シートのついた石膏ボードを張り上げ、バリア層で壁内結露を防ぐと同時に気密性を高めています。(I・II・III地域)
・ 同時給排気レンジフード
高気密住宅では排気を行うときの吸気経路の確保が必要です。レンジフード内に吸気と排気の経路を持ち、熱交換をしながら排気を行い、エネルギーのロスを防ぎます。
・ フロアセントラル換気システム
24時間室内空気を清浄化、結露やダニ・カビの発生を防止。全熱変換型によりエネルギーロスが少なく冷暖房費を節約できます。
3)家事の負担を軽減し、環境共生生活「エコライフ」を実践
家事を行いながら、生活の中でエコライフを実現していくには、ごみの分別、節電等の煩わしい作業が増えてしまいます。「ミサワホームZ」は、それら一連の煩わしい作業をゾーニングと設備の工夫によって解消します。
・ コンビニエンスユーティリティ
推奨プランには家事集中スペースをセンターキッチンの後ろにゾーニング、サーキュレーションの家事動線による家事の省力化と同時作業を可能にしました。
・床下エコボックス
空き缶プレス器や新聞セット用カゴ、電池入れトレイなど分別回収用ツールのついた収納庫を
標準装備。新聞60日分と空き缶60缶等が収まるごみの一時保管場所です。
・ランドリーシューター
浴室を2階に配置し洗面脱衣所から1階の洗濯スペースに洗濯物を投げ込むことができるシュ
ーターを設置。家事動線の短縮を実現しました。
・ 生ごみ処理機
屋外に生ごみ処理機を設置、乾燥処理をして約1/5にごみを減量。ヒーターにより加熱処理を行います。
4)標準仕様で次世代省エネ基準に対応
「ミサワホームZ」は新年度より設定された、下記の住宅金融公庫の割り増し融資対象となる次世代省エネ基準を標準性能でクリアし、250万円の割り増し融資が受けられます。また、今年度より熱損失係数の単位が変更となりました。
・次世代省エネ基準 熱損失係数の基準値
地域区分 |
I |
II |
III |
IV |
V |
VI |
熱損失係数(W/?K) |
1.6 |
1.9 |
2.4 |
2.7 |
2.7 |
3.7 |
[参 考]下記次世代省エネ基準を単位変更すると上記の数値になります。
各種省エネ基準(熱損失係数:kcal/?h℃)
|
公庫義務基準 |
新省エネ基準 |
次世代省エネ基準 |
I地域 |
2.8 |
1.5 |
1.38 |
II地域 |
3.6 |
2.3 |
1.63 |
III地域 |
4.4 |
2.7 |
2.06 |
IV地域 |
4.8 |
3.4 |
2.32 |
V地域 |
4.8 |
3.7 |
2.32 |
VI地域 |
6.8 |
5.5 |
3.18 |
参 考
ミサワホームでは、企業としての環境共生を目指し、技術開発や商品開発に取り組んできました。これまでにその企業活動が高く評価され、数々の栄誉ある賞を受賞しています。
日経地球環境技術賞
環境技術賞は地球環境保全と経済成長の両立を目指し、環境保全のための調査研究や対策技術で優れた成果を上げた個人やグループを顕彰するものです。ミサワホーム総合研究所の太陽電池開発グループは、屋根材一体型の太陽光発電システムを世界で初めて開発しました。太陽光発電は地球温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)を発生せずに済み、新エネルギーの一番手とされています。屋根材一体型とすることで施工を容易にし、国内での普及に弾みをつけたことが評価され、ソニー中央研究所環境研究センターと関西総合環境センター・関西電力の熱帯林再生研究グループとともに今回の受賞となりました。
98年グッドデザイン賞金賞
グッドデザイン(Gマーク)制度は、昭和32年に通産省が創設したもので、広範囲の工業化製品の評価制度として唯一の公的制度です。外観、機能、品質、価格、安全性、などの要素を総合的に評価し、応募総数775社2024点の製品に対して審査が行われました。
ミサワホームの「HYBRID−Z」は、屋根全体の太陽電池パネルが発電を行い、年間に必要なエネルギーを100%以上供給可能ということや、外壁に多機能素材「ニューセラミック」、内装材に新しい木素材「M−Wood」など、再利用可能な素材を採用し100%リサイクル住宅を実現したことなどが評価され、住宅部門において部門最高賞の金賞を受賞しました。
地球環境大賞
地球環境大賞は、産業の発展と地球環境保全の共生に貢献した企業などを表彰する制度で、世界自然保護基金日本委員会(WWF Japan)の特別協力と通産省、環境庁、科学技術庁、フジサンケイグループの後援、経団連の協力を得て91年に創設されました。これまでの受賞企業・団体・自治体は延べ63にのぼり、トヨタ自動車、東日本旅客鉄道、富士通、キリンビールなどが過去に大賞を受賞しています。
ミサワホームは、グループあげての「環境宣言」に基づき廃棄物削減、リサイクルの推進、ISOの取得、100年住宅、太陽光発電住宅に挑戦し、98年には究極の目標である世界初のゼロエネルギー住宅「HYBRID−Z」の商品化に成功したことなどが評価され、大賞の受賞となりました。
以 上
平成11年4月20日
ミサワホーム株式会社
代表取締役社長 三澤千代治
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