ミサワホーム株式会社(代表取締役社長 三澤千代治)は、前澤給装工業株式会社(東京都目黒区、代表取締役社長:青島一司、 資本金:33億5,890万円)と高木産業株式会社(静岡県富士市、代表取締役社長:川嶋軍司、資本金:12億5,000万円) との共同で、住宅業界で初めて「寒地ユニット配管システム」を開発しました。これにより、従来、寒冷地では給水・給湯配管として 積極的に普及できなかった架橋ポリエチレン配管が採用可能となりました。
従来のユニット配管システムは「標準断熱仕様」と「高断熱仕様」に分かれており、高断熱仕様の場合でも、北海道や東北、
長野などの寒冷地については凍結からの回避が困難とされていました。そこで寒冷地の住宅での配管の凍結を防ぐために、
「寒地仕様」の寒地ユニット配管システムを開発するに至りました。
今回の新システムは、床下の架橋ポリエチレン配管と保温材の間に発熱線を組み込み、専用コントローラーの自己制御運転によって
経済的に通電加熱され、床下配管の凍結を予防するものです。また凍結予防運転を忘れ床下配管が凍結した場合、解凍する機能も備えています。
ミサワホームは、先の両社と平成12年に「ミサワユニット配管システム」を開発。ユニット配管は、架橋ポリエチレンでできているので
耐久性にも優れており、柔軟性があるため、設計図面に合わせて配管の設計から組み立てまでを工場で完成させ、現場までコンパクトに
巻き束ねて運搬できる特性をもっています。給水・給湯配管の設計・生産・納品までを一元化したことにより、地場の水道業者に依存していた
配管の品質を向上させ、工期も約4分の1に短縮しました。水栓金具と管をつなぐ部分や、管どうしをつなぐ部分(継手=つぎて)も独自の技術で、
結合力を強化。「漏水」「抜け」を防止し、耐震性にも優れた「メカニカル継手」方式のため、Oリングなどを使用しているものに比べて
耐久性があり、水漏れもしません。
新システムで使用されている電力自己制御型ヒーターシステムは、電気用品安全法において経済産業省指定検査機関である
、財団法人電気安全環境研究所(JET)から適合を受けた特定電気用品のため、安全性は十分確認されています。また、試行により
その機能性能も十分発揮していることも検証済みです。このシステムは、冬期の初めに凍結予防スイッチを入れるだけの簡単な操作で、
電気代も安価で済むことから、今後新築住宅に積極的に取り込んでいく考えです。具体的には10月より本格採用し、普及に努めていきます。
寒冷地の住宅向けに初年度2,000棟、売上げ3億円を見込んでいます。  |
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■住宅受注から施工までの流れ
お客様よりミサワホームが受注後、前澤給装工業・高木産業が、その図面をもとにCADで給水・給湯配管設計図を作成。その設計図に従い工場で配管ユニットを組み立てて住宅施工現場に運搬します。現場では水道業者が、寒地ユニット配管システムを床下部分に敷設、各階の各給水・給湯口につなぎ、上流側では水道メーター・給湯器に接続します。
■システムの仕様及び使用方法
凍結予防機能・・・ |
床下温度及び床下の配管温度が凍結の恐れのあるまで低下した時、床下の温度センサー及び邸別にプログラムされたコントローラーにより、自動的に凍結予防運転をする機能 |
〔使用
方法〕 |
冬期の初めに「凍結予防スイッチ」ON、凍結予防作動開始(発熱線の温度は25℃以下にて自動制御)
冬期の終りに「凍結予防スイッチ」OFF
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解凍機能・・・・・ |
発熱線の温度を70〜50℃にて制御し解凍させる機能
通常20〜30分で解凍可能
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〔使用
方法〕 |
「解凍スイッチ」ON、解凍開始
全水栓からの通水確認後「解凍スイッチ」OFF
※切り忘れても、通電後3時間経つと自動的に「解凍スイッチ」OFF
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1. |
床下温度感知制御装置・・・ |
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発熱線の制御、温度センサー故障時のコントローラー停止、床下温度25℃以上で通電防止 |
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2. |
発熱線温度制御装置・・・ |
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発熱線温度の制御 |
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3. |
異常感知制御装置・・・ |
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発熱線回路の異常(断線、ショート等)検出時の自動停止 |
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4. |
マイコン暴走監視装置・・・ |
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コントローラーのマイコン暴走時の自動停止 |
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5. |
過電流防止ヒューズ・・・ |
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過電流の防止、ヒーター線ショート時のコントローラーの破損・火災発生防止 |
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6. |
漏電遮断器・・・ |
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漏電発生時の通電停止 |


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■寒地ユニット配管システムの主な特長
1. |
独自の凍結予防及び解凍システム
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2. |
電気代も安く経済的な凍結予防システム
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3. |
経済産業省認定のJETでの特定電気用品に適合など十分な安全性 |
4. |
冬期の初めに凍結予防スイッチを入れるだけの簡単操作 |
5. |
環境ホルモン及びダイオキシンのない安心な配管材 |
6. |
地震や凍結時にも破損のない構成部品 |
7. |
架橋ポリエチレン管と信頼性の高い継手による耐久性アップ |
8. |
給水・給湯配管工事の大幅なコストダウン |
9. |
ユニット化による品質の確保と工期短縮 |
10. |
邸別設計、製造、納品の一貫責任体制
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■ランニングコスト
在来システムの場合、凍結を予防するのに月額およそ10,000円かかるのに対し、寒地ユニット配管システムを導入すると、 月額約500円というコストメリットが生じます。これは、床下温度が0℃以上の場合は作動せず、発熱線温度が5℃にて作動、 25℃にて停止の自動制御運転をするシステムであるからです。
一方、凍った状態を解かすには、従来は業者に依頼し、10,000〜20,000円の費用がかかったのに対し、 新システムでは業者に依頼する必要もなく1回約10円以下(実作動時間30分と想定)と非常に経済的です。
■安全性について
各種の安全装置については、財団法人電気安全環境研究所(JET)にて電気用品安全法に基づいた製品適合を受けています。 電気用品安全法とは、電気用品の製造販売を規制するとともに、電気用品の安全性確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、 電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的とし、多くの検査及び品質管理が義務付けられています。本システムは、 特定電気用品である水道凍結防止器としての評価を受けています。
以 上
ミサワホーム株式会社
代表取締役社長 三澤千代治 |