ミサワホーム株式会社(代表取締役社長 三澤千代治)は、中華人民共和国・山東省に合板事業の法人「臨沂(リンイ)三澤木業有限公司」を設立し、中国ポプラを利用した住宅の構造用、造作用LVL(単板積層材=Laminated Veneer Lumber)、及び合板の生産を行っていますが、このたび構造用LVLを個別にJASの格付け審査を受け、住宅業界で初めてJAS規格(日本農林規格)の構造用第1種格付に合格しました。
中国では、毎年1億5,000万本のポプラを植林しており、その成長量は年間約6,000万 という膨大な木材資源です。現在の合板の主な木材であるラーチやラワンは、環境保護のもと今後の伐採が厳しくなり、ポプラに対する期待は高まると考えています。
ミサワホームのLVLは、中国華東地区(山東、江蘇省地域)産出のポプラを2ミリ厚に揃え、25枚積層した状態に圧縮を加えて45ミリの厚さに均等します。水平せん断性能、曲げ性能で一定基準を確保。特に曲げ性能では「80E−255F」という1級値を誇ります。さらに浸漬剥離試験、減圧加圧試験などで接着の程度を測り、全試験をクリアしています。含水率14%未満、ホルムアルデヒド放散量FC0レベルは、いずれもミサワホームの構造材として十分な規定値に達しています。
今回JASの格付けを受けたLVLは、数量にして44.5×89.5×2,760mm材(32,256本=354.82 )と89.5×89.5×2,760mm材(1,728本=38.18 )の合計393.00 です。構造体の部品として半割、正角、方立に使用し、11月より関東近郊での運用を開始しています。従来調達していたものは、同様に再生可能な資源として有名な |
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ニュージーランド産ラジアータパイン材でしたが、当LVLはそれよりも 当たり10%の削減が可能です。工場では月間生産500 ですが、順次生産能力を向上する計画で、さらにLVLそのもののコストダウンも見込んでいます。
今後は構造用の合板でのJAS規格、そしてJAS認定工場制度の認定を取得する予定です。
■期待高まる中国ポプラ
ミサワホームは、環境保全を目指し、乱伐が懸念される自然林からの木材調達に替えて計画的に植林された再生林からの木材調達を推進しています。工法の要となる木質パネルの芯材には、既に計画植林・計画伐採が行われているフィンランド材を採用しています。
そして更に再生林からの調達をすすめるために注目したのが中国のポプラでした。
中国では1982年から始まった平原緑化政策により、平原無林地帯でのポプラの植林が進んでいます。中国ポプラは、ニュージーランド松、南米松とともに、世界三大植林といわれており、他の材料と比較して
?材の色が白い、
?節が少ない、
?成長が早い、
?加工性に優れている、
などの特徴があります。早生樹として品種改良されたポプラは、1年で3.5cm太り、10年後に35cmになったところで伐採されます。
寸法の安定性や釘の引き抜き抵抗が弱い点もありましたが、この点はミサワホームが木質系住宅で長年培ってきた木材の高度利用技術を活かすことで実用化に目処がつきました。
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■中国合板事業の今後の予定 |
中国での合板事業は、豊富な木材による原材料の安定調達と新たなロジスティックス体系の構築により、LVLの生産、合板の生産、構造用部品の生産、造作材他の生産、と順次事業展開の拡大を図っていきます。 |
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平成14年度 |
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LVL工場設立
LVLの製造技術確立
合版の製造技術研究 他 |
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平成15年度 |
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中国事業ヘッドオフィス設立
合板工場設立 他 |
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平成16年度 |
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構造用部品、造作材等の生産工場設立 他 |
■会社概要 |
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会社名:臨沂三澤木業有限公司 |
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英文名:MISAWA HOMES OF
LINYI LTD. |
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所在地:
 山東省臨沂市(青島から約300km
 南西の都市、人口995万人) |
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資本金:7,500万円 |
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生産品目:中国産ポプラ材を利用した
LVL及び合板
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生産量:6,000 /年
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販売目標:3,000棟 |
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従業員:133人
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主な役員:
 董事長(会長) 島津宗泰  総経理(社長) 和田淳一 |
以 上
ミサワホーム株式会社
代表取締役社長 三澤千代治 |