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平成17年3月23日
                                 
次世代耐震構造「ハイブリッドMGEO(エムジオ)」発売  

○木質系に続く鉄骨セラミック系一戸建て住宅の制震装置
○「耐震+制震」の次世代耐震構造により建物の変形量を半減
○戸建て住宅全商品に「MGEO」設置が可能に

 ミサワホーム株式会社(代表取締役社長:佐藤春夫)は、住友ゴムグループのSRIハイブリッド株式会社(代表取締役社長:福本隆洋)と共同研究を行い、高減衰ゴムを利用した次世代耐震構造「MGEO」(エムジオ)の開発・販売をしていますが、このたび鉄骨セラミック系住宅「HYBRIDシリーズ」用の制震装置が完成、「ハイブリッドMGEO」として4月1日より発売します。(平成17年6月より納品開始)これにより、一戸建て住宅全商品に「MGEO」の搭載が可能となります。

*MGEO:Misawa Governance system for Earthquake Oscillation control

  ミサワホームでは、住む人の安全を守り、安心な住まいを実現するために、技術的な研究を重ね商品を開発してきました。セラミック系住宅は、鉄骨耐震ユニットによる「鉄骨ラーメン構造」となっており、大きな荷重がかかっても力を分散して受け止め、地震力をスムーズに逃がすことが可能で、これまでの大震災においても全壊・半壊はゼロでした。しかし、最近は大規模な地震による倒壊を防ぐだけでなく、中規模な地震、連続する余震等の「揺れ」をも軽減することで、内装の傷みや損傷の少ない「安心・安全プラス快適な居住性」の実現が望まれています。
 今回開発の制震装置には、SRIハイブリッドが開発した「高減衰ゴム」を使用し、ゴムに加わった「変形」を「熱エネルギー」に変換し振動を吸収します。「ハイブリッドMGEO」は、この高減衰ゴムを利用した制震装置を、建物にバランスよく配置する事(2階建の標準タイプで6基)で揺れをおよそ半分に軽減、繰り返しの振動に対しても安定した性能を発揮します。これまで以上に広範囲に渡る揺れをカバーすることで軽微な損傷も発生しにくくなります。平成17年度上期は記念価格として1棟あたり45万円(税込47万2500円:2階建標準タイプ6基使用時)からの販売で、年間販売500棟を目指します。

  HYBRIDシリーズにMGEOの搭載が可能になる事で、ミサワホームの戸建て住宅すべてに制震装置の設置が可能になります。また現在リフォーム用も開発中であり、新築住宅の「ミサワホーム」ブランド、リフォームの「ミサワホームイング」ブランドともに全てのお客様に次世代の安心をお届けできる商品体系を整え、「制震のミサワホーム」をより強く訴求していく考えです。

■HYBRIDの構造
 HYBRIDシリーズの構造は、鉄骨フレームで各々のユニットをつくり、それらを組み合わせてひとつの建物を構成する強靭な鉄骨ラーメン構造です。この構造は鉄骨の柱と梁を剛接合する理想的な耐震構造として、超高層ビルなどにも採用されています。地震などの外力が加わっても力を一点に集中させず、建物全体でしなやかに吸収するねばりを発揮します。柱や壁のない最大54畳の大空間を作ることができるので、ライフスタイルの変化にあわせて自由に空間を使い分けていくことが可能です。また大掛かりな工事をせずに間取り変更もできるので、構造体を傷めません。


■制震パネル
 幅910mmのモジュールサイズで、ユニットの柱梁フレームの内部に設置します。重量約110kg、延床面積200m2以下の2階建て住宅では、1階壁部分6箇所にバランスよく配置します。地震の振動を、テコ原理を用いたミサワオリジナル増幅システムにより変位を増幅し、「減衰装置」に組み込まれた「高減衰ゴム」が地震の振動エネルギーを熱エネルギーに変換することで、住宅の揺れを小さくかつ素早く抑えます。




■高減衰ゴム
 「高減衰ゴム」は、SRIハイブリッド独自のゴム技術により開発された天然ゴムをベースとした特殊配合品で、大きさ7×7cm、厚み2cmのゴム2枚が3枚の鋼板にはさまれる形で各減衰装置にセットされています。「高減衰ゴム」の主な特長は次のとおりです。
  1. 幅広い「減衰特性」
    • 温度依存性が小さく、幅広い自然環境下で安定した「高減衰性能」を発揮使用温度-20〜+60℃での性能差±15%程度(一般的な減衰ゴムは±50%程度)「橋梁用制振材」として北海道から沖縄までの全国で使用実績
    • 幅広い振動に対応し、高い減衰性を発揮(歪み依存性・速度依存性が小さい)周波数0.1〜20ヘルツ(周期0.05〜10秒)の幅広い振動で性能安定性能差±15%程度(一般的な減衰ゴムは±50%程度)
  2. 優れた「耐久性」
    • 繰り返し疲労特性に優れ、ゴムに力を伝える鋼板との接着も強固(加硫接着)±25%歪みで1千万回の繰り返し疲労実験を行ない、促進劣化試験で60年相当の耐用年数を確認済
    • 寒暖の差が激しく、常に風雨にさられて激しい振動を受ける橋梁用制振材として、10年以上の使用実績があり、北海道から沖縄まで多くの橋梁で使用されているゴムの劣化がほとんどなく、基本的には取り替えなどのメンテナンス不要

■制震と免震
 建物を地震から守るために様々な技術が研究・開発されています。地震エネルギーを建物本体の耐震要素で受け止める「耐震」、地震エネルギーを支承材等の部材で建物に直接伝えない「免震」、受け止めたエネルギーをダンパーによって急速に減衰させる「制震」。より安全・安心な家づくり実現するためには、それぞれの特徴を理解して地震対策を設置する必要があります。最近注目されている「免震技術」は建物の基礎の上に設けた免震部材により、大地震のエネルギーを直接建物に伝えず吸収する方式です。免震部材は材料自体の性能について認可を受けていることにより、一般建築物に容易に取り入れることが可能でミサワホームでも既に施工実績があります。しかし、免震技術を使うためには地盤、隣地境界、作動条件等の様々な制約があり、ミサワホームの目指す「全てのお客様が使用可能な技術開発」という考えには合致せず、他の方法も検討する必要性が出てきました。今回採用の「制震技術」は、「高減衰ゴムを用いた制震パネル」を入れることで、大きな揺れから小さな揺れまで対応が可能です。また従来使用している鉄骨フレームと同じ大きさ、納まり方法なので、敷地形状や地盤の制約を受けずに設置することができます。

(制震パネル設置イメージ)


以 上

ミサワホーム株式会社
代表取締役社長 佐藤春夫

* この件に関するお問い合わせ
http://www.misawa.co.jp/h-mgeo/(4月8日開設)
ミサワホールディングス(株)広報グループ
  田代 剛一郎
村山 透
TEL:03-3349-8088
E-mail Toru_Murayama@home.misawa.co.jp

※掲載内容は、記者発表時のものであり、現在と異なる場合があります。
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