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平成21年3月18日
「次世代ゼロ・エネルギー住宅」蒸暑地仕様
技術試行棟が三重県・亀山市に完成
○太陽光発電に太陽熱集熱機能を加えたカスケードソーラーを採用
○蒸暑地において夏は涼しく、冬を暖かく過ごす家
○Q値が次世代省エネ基準値の1/2を可能に
○生活エネルギーのみならず建設時に排出されたCO2も回収
ミサワホーム株式会社(代表取締役社長 竹中宣雄)は、昨年2月北海道・旭川市に、寒冷地において生活に必要なエネルギーに加え建設時の一次エネルギーも回収できる「次世代ゼロ・エネルギー住宅」の技術試行棟を建てましたが、このほど蒸暑地においても同様に環境負荷のない住宅を実現するための技術試行棟が、三重県・亀山市に完成しました。 新たな試行棟は、旭川と同様「SMART STYLE O」をベースにしており、広さは同じ、プランもほぼ同様です。寒い地域と暑い地域に同じタイプの試行棟を建設することにより、技術検証データを詳細に取得します。断熱性を徹底的に高めた上で、蒸暑地に対応するために、夏季の日射遮蔽性、屋根遮熱性、通風・排熱性など、「微気候デザイン」をこれまで以上に強化し、空調機器の消費エネルギーを最小限に抑えました。さらに空気熱や排熱のエネルギーを利用することで、総合エネルギー効率が高くなり、これに太陽光発電を搭載することで、実質のエネルギー収支がゼロ以下(発電量が消費量を上回る)とし、住宅が建設される際等に発生するCO2をライフサイクルの中で回収できる住宅の実用化を目指しています。また室内の上下温度差や室間温度差の解消、不快な冷気流や乾燥・結露の防止、冷暖房に頼らない自然な心地良さの確保など、居住性も考慮した住宅性能もこの技術試行棟で確認する予定です。 |
亀山試行棟の主な特長は以下の通りです。
今後は実際にお客様にご入居頂き、普段の生活を通して、データ収集および検証を進めることで各種技術の早急な商品への展開を目指します。 |
■次世代ゼロ・エネルギーを実現する環境技術
○Q値は当社次世代省エネ基準適合住宅の1/2を実現(Q値=1.05W/m²K)
○太陽熱を集め、利用するカスケードソーラーシステム
太陽光発電モデュール(PV)に透過性のあるガラスを採用して太陽熱集熱機能を設けました。発電に寄与しない部分は太陽光が透過し、モデュール裏面の温まった空気をファンによって床下に搬送・蓄熱することで自然な床暖房を実現します。集熱量は、この住宅の暖房負荷を賄う量に匹敵し、総合エネルギー効率を高めます。
○ワンランク上の「微気候デザイン」の採用
計画地の立地気候特性を事前に把握することにより、計画地のポテンシャルを活用し、夏涼しく冬暖かい住環境を創り上げることが「微気候デザイン」です。亀山試行棟では、特に夏の微気候デザインとして以下に配慮しています。
○設備の高効率化
■家計にも環境にもやさしい住まい
○エネルギー収支
次世代ゼロ・エネルギー住宅のエネルギー消費量は、約6,000kWh/年。既存のミサワホーム標準仕様に比べ約49%消費エネルギーを削減しています。一方、太陽光発電による発電量は、約8,000kWh/年となり、年間約2,000 kWh/年の余剰電力を生み出します。
*参考値 エネルギー消費量 6,000kWh/年 < 発電量 8,000kWh/年
○年間コスト収支
年間コスト収支は電力消費によるコストと太陽光発電によるコストメリットを差し引きした金額になります。既存のミサワホーム仕様では、シミュレーションに基づくエネルギーコストは21.7万円/年(一般住宅仕様28.6万円/年)ですが、次世代ゼロ・エネルギー住宅では14.5万円/年と、年間7.2万円のコスト削減を可能にし、太陽光発電によるコストメリット21.7万円/年と合わせて約29万円/年のコストメリットが期待できます。
[計算条件] プラン:技術試行棟プラン 建設地:亀山市 冷暖房:地域の気象条件に基づく熱負荷計算値と機器効率をもとに算出 給湯・調理・照明他コンセント電力:地域の標準的負荷値と機器効率をもとに算出 太陽光発電:地域の気象条件に基づくパラメータ分析法 電力契約:中部電力
○ライフサイクルエネルギー収支
ライフサイクルエネルギーとは、あるものの材料を調達し、加工製造し、そして使用、最後は廃棄するという一連の流れの中で消費される全てのエネルギーを意味します。 一般の住宅建設では、竣工までに30万kWh程度の一次エネルギーを使います。その後生活とともに毎年一定の割合でエネルギーを消費していきます。 一方次世代ゼロ・エネルギー住宅では、建設時に12%ほど余分に一次エネルギーを必要としますが、毎年のエネルギー収支がマイナスになるので、一定期間を過ぎると建設時も含めたライフサイクルエネルギー収支もゼロ以下になります。
■ゼロ・エネルギー住宅開発経緯
当社では太陽エネルギーを利用した住まいの開発着手から30年以上が経過しました。1974年に、環境負荷の低減を目指した「エコ・エネルギー住宅」の開発着手に始まり、1989年には、当社梓川工場内に(財)電力中央研究所と共同で実験棟を建設。この年から屋根建材型の太陽電池モデュールの開発にも着手しています。
1991年には高松市内に屋根全体に太陽電池を搭載した実験棟を建設。この住宅では家庭内の消費電力量の85%を太陽光発電で賄うことができるというものでした。
1994年には「屋根建材型の太陽光発電システム」の販売を開始しています。 そして1998年に世界初のゼロ・エネルギー住宅として「HYBRID-Z」を商品化し発売をしました。
既存のゼロ・エネルギー住宅を上回る断熱性能とエネルギー利用の高効率化を図ることで、年間エネルギーCO2収支ゼロを実現し、さらにライフサイクルの中でCO2排出収支もゼロにできる“次世代”のゼロ・エネルギー住宅を目指して、昨年2月に北海道・旭川市に、寒冷地仕様の技術試行棟を建設しました。今後は冷房負荷の増加が予想されるため、蒸暑地でも“次世代”ゼロ・エネルギー技術を確立するために、このたび三重県・亀山市に技術試行棟を完成させました。
*外観イメージ
ベースプラン「SMART STYLE O」 1F 65.95m² 2F 73.18m² To. 139.13m²(42坪)
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以 上 |
*この件に関するお問い合わせ先
ミサワホーム株式会社
経営企画部 広報・IRグループ 中村 孝 酒井和子
TEL:03-3349-8088
E-mail:Kazuko_Sakai@home.misawa.co.jp