マイホーム購入の知恵袋

実際の暮らしを体験!モデル棟に行ってみよう
「触れるもの」「空間使い」を実感
理想の住まいと親孝行が両立できる選択

マイホームを検討する際よく訪れるモデルハウスでは、おもに建物・間取りなどを見学することができます。しかし、マイホーム購入後の暮らしまで実感・想像することはむずかしいものです。一方、環境が整った分譲地の一角に周辺と調和した住宅として創られるのがモデル棟です。分譲地に立つモデル棟ではどんなことがわかり、実感できるのでしょうか。今回は、モデル棟の魅力についてお伝えします。

リアルな街並み体験で分譲地の魅力を実感

モデル棟の魅力は1つの建物だけではなく、分譲される区画全体を“街並み”として実感できることです。各建物のデザインや植栽はもちろん、分譲地全体として統一感のある建物や街並みとなっています。この環境で毎日どのように暮らせるかをリアルに体験できます。
一般的に分譲地はまとまった土地が計画的に開発されます。そのため、道路の広さも十分に確保され、電柱や電線が地中化されるなど景観が保たれるだけでなく、安全性についても整備されています。広い道路は車の出し入れがしやすく、見通しが良いものです。特に小さいお子様がいらっしゃる世帯は安心して暮らせることでしょう。また、シニア世代にもやさしいということは言うまでもありません。

行ってみるとわかること

実際にモデル棟へ足を運んで街並みを見てみると、その佇まいから洗練された品格を感じられることでしょう。これはインターネットやカタログだけではわからないことです。そして、街並みだけではなく、建物の外観や間取りなどについても見てみましょう。

外観や間取り・設備

建物の外観は街の顔とも言えますのでとても気になるところです。日当たりももちろんですが、外観のデザインなどは同じ分譲地内でも少しずつ異なっていて街のアクセントにもなります。各邸宅では、まず、目を引く門柱がお出迎えをしてくれます。そして、住まいを見守るように植樹が施されるなど、家主として誇りさえも感じられるような造りになっています。
間取りやキッチン、バス、トイレなどの設備を見る際は、家族ひとりひとりの生活動線や成長に応じた使い勝手などをシミュレーションしてみましょう。自分たちに合ったデザインや使い勝手を体感することができるので、選ぶ基準がより明確になります。そのほか、子育て世代であれば、散らかりやすい玄関には靴以外も収納できるシューズインクロークや、家族のコミュニケーションの場に最適なリビングを見渡せるカウンターキッチンは機能スペースとしてぜひ見ておきたい場所です。

内装やインテリア

内装やインテリアなどの空間デザインも大切なポイントです。1日の疲れを癒してくれる空間づくりや、あえてシンプルな内装にして自分らしさをプラスするということも楽しいですね。このようなこだわりあるコンセプトとともに、厳選された材質に実際に触れることができます。家具やカーテン、小物についてもセンス良くコーディネートされています。「触れる・見る」という体験がリアルにできますので、生活のイメージがとてもしやすくなります。

このようにモデル棟に行ってみるとパンフレットだけでは伝わらないことを体感することができます。このほかに、周辺環境やアクセスについても現地に足を運ぶからこそ確認できることです。

モデル棟を選ぶメリット

モデル棟を選ぶ理由には、目で見て体験してから選べることや、複数の建物を建てることによるコスト上のメリットなどがあります。

モデル棟ごとに特長あるイベントが開催

モデル棟ではそれぞれの特長を活かしたイベントが開催されます。例えば、宿泊体験です。宿泊体験は文字通り、実際にその建物に体験宿泊できるものです。また、スマートフォンなどでインターネットを介して外部から家電や住まいの情報機器を操作できたり、一つのコントローラーですべての家電をまとめて操作できるIoT(モノのインターネット)が装備されているモデル棟もあるようです。このような最新の技術をマイホームの購入前に家族全員で体験できるのは嬉しいですね。
また、住まいのフェアなどでメーカー独自の特長を体験してみましょう。例えば、大収納空間として販売されているミサワホームの蔵のある家は、設計者たちが研究を重ねて開発した商品です。実際にモデル棟の蔵を見学し、収納力以外に、高天井の解放感や隣接の家との天井の高さの違いによるプライバシー対策にも効果があることが実感できるはずです。


コスト面

建物の建設においては、高品質で安定した性能を実現できる環境が整った工場で一貫生産されます。モデル棟においても、複数の建物の部材を計画的に調達できるため、施工の現場でのスケジュールや職人の配置などを効率的に行うことができます。
マイホームの購入は一生に一度の大きなライフイベントです。闇雲にお金をかけるのではなく、仕組みを理解し、賢くマイホームを手に入れたいですね。モデル棟では担当者にしっかりと説明を受け、必要な情報を整理し、理想の住まいづくりに活かしましょう。

幸せな未来が想像できる住まい

モデル棟でのマイホーム購入は、無理のない資金計画から検討することができ、また、親の事も考えられる家族にやさしい選択です。

金額が明確な住まい選び

建物を一から建てる場合、建てている途中でどうしても知らず知らずのうちに予算がアップしてしまいがちです。これに対し、モデル棟はあらかじめ金額が明確なため、購入後に買い揃えたい家具やインテリアなどの予算も決めやすくなります。特に小さいお子様がいる若い世帯は、これからかかる教育資金についても考慮していく必要があり、マイホームの取得のために預貯金のほとんどを使い果たしてしまった、というわけにはいきません。モデル棟は、新しい住まいでの生活をスタートするうえで、資金計画の参考にしやすいのではないでしょうか。


親との距離も縮める住まい選び

マイホームを購入する時の心配事のひとつは親との距離。子育て世代はまだお子様が小さいこともあり、親に頼る機会もあるでしょう。また、親の加齢を心配する世代でもありますので、同居とまではいかなくても、いつでも無理なく顔が見られる距離に住まいを選べるというのも魅力です。もし、親御さんのお近くに住むことができれば、お互いのプライベートを尊重した、ちょうどよい距離感を保つことができる素敵な暮らしがはじまりそうですね。


住まいは家族にとってこれからながく住むことになる大切な場所です。また、お子様がいらっしゃれば一緒に成長することができる住まいになります。この先この住まいで暮らした思い出が積み重なっていくでしょうし、子どもがいずれ独立し、自分たち夫婦がシニアになってからの生活までも想像することができるでしょう。予算を決めて住まいを探し始めたら、ぜひ家族そろってモデル棟へ足を運んでみましょう。図面上やショールームで見た内装やインテリアとは全く違うことがおわかりなることでしょう。

この記事の担当
専門家/クレジット
有田美津子 住まいのお金専門FP(URL http://www.fparita.com/
幸せな家庭を築きつつ、子育てしながら不動産販売、損保会社、銀行の住宅ローン相談窓口を経て独立。実務・人生経験から「住まいのお金専門ファイナンシャル・プランナー」として、年間200件以上の住宅購入予算診断やライフプラン相談を行う。日本政策金融公庫やFP協会等主催セミナーで住宅ローンや教育費、高齢期の住まい等についての講演多数。共著監修「トクする住宅ローンはこう借りる」(自由国民社)ほか雑誌、WEBにて執筆や取材記事多数。