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Height & Comfortable

天井高の変化を有効活用しながら
五感に心地よい住まいづくり

#健康・リラクゼーション

高天井にはどんなメリットがあり、どのような心地よさをもたらすのか。
天井高を切り口にした心地よい住まいづくりを考えてみたい。

たとえば、こんな住まいを想像してみて欲しい。明るく開放的な広びろとしたリビング。開け放たれた窓からは、庭先に巣をつくった小鳥のさえずりが聞こえてくる。さわやかな風が運んでくるのは、初夏の到来を喜ぶように咲き出した花の香り。そんな音や匂いを楽しみながら、ゆったりと身をゆだねるソファの肌触り。家族みんなが語らいながら囲む食卓のおいしさ――。これらはすべて、五感で味わう「心地よさ」といえるもの。こうした住まいの心地よさは、立地条件に左右される部分も大きい。けれど、住まいのつくり方や工夫によって、同じ立地でも心地よさをアップさせることが可能だ。たとえば、家族が集まるリビングを高天井の空間にすることもその一つ。視覚的にも広びろと感じさせる高天井のリビングは、家族一人ひとりが開放的な気持ちで過ごすことができ、みんなが一緒に何かをするときも、圧迫感のないゆとりが演出できる。大開口のハイサッシを設ければ、外の自然が身近になり、より多くの日の光を採り入れることもできる。冒頭で述べた住まいの心地よさのイメージは、すべてが高天井のリビングによって実現しやすくなるものだろう。とはいえ、どんな空間でも高天井がベストというわけではない。日本の住まいを見ると、たとえば小屋組みの吹き抜けが心地よい古民家があると思えば、茶室のように、天井高をあえて2mに満たない低さにして、落ち着いた雰囲気や一緒にいる人との親密感、茶やお香の匂いなどを深く味わえる、そんな空間に仕立てたものもある。そして、天井高の異なる空間を行き来すれば、気分を変える楽しさも味わえる。このように、空間ごとに天井高を使い分け、楽しむという文化は、実は何百年も前から日本にあるものだ。それぞれの空間に合わせた最適な天井高と、それらの上手な組み合わせは、五感に心地よい住まいづくりの秘訣のひとつと言える。

視覚
空間の広さや明るさ、素材感など。視線の抜け方や、空間の上下方向の高さ、明と暗のバランスなどのさまざまな要素で、視覚から得られる印象も大きく変わる。


聴覚
鳥のさえずりや虫の鳴き声、風で揺れる木の葉のささやきなどの自然の音。室内での音の響き方は、会話のしやすさによる心地よさや、家族のつながりを育む要素に。


嗅覚
お気に入りの香りや、キッチンで調理するおいしそうな匂い、外から流れてくる花の香りなど、嗅覚は人の気持ちを穏やかにしたり軽やかにしたりする大切な要素。


触覚
階段の手すりなど、手が触れることが多い場所の触り心地は、暮らしの心地よさを左右する要素の一つ。素材の違いだけでなく、触れる部分の仕上げ方も重要だ。


味覚
家庭菜園で自らの手で収穫した野菜や果実を楽しむ。家族みんなで楽しむ食事がよりおいしく感じられる空間づくりや、調理が楽しくなるキッチンも大切。