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interview

愛し続けられる
古い家具へ

REFACTORY antiques 店主
渡邉 優太さん

アンティークの趣を活かしながら
古い家具を愛し続けられるように
渡邉さんは、修理して、手入れをしていく。
REFACTORY antiquesには、
心地よさをもたらす家具が詰まっていた

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  • もともとは木材倉庫でした
    ここは、もともとは木材倉庫でした。飯能は、林業で栄えた町です。それで、木材倉庫がたくさんあって、そのひとつですね。10年ほど前に改修して、オープンしました。ふんだんに古い建具や古材を使っていて、たとえば入口の扉は昔の手すきガラスで、床に当たる光がゆらゆらして心地いいんです。

    新しいものにはない温かみを感じます
    お店には、海外や日本の古い家具や古道具を、好きなものを並べて楽しむように置いています。昔に造られたものは、同じように見えても、一つひとつ造りが異なっていますし、作り手の想いや考えが反映されています。機械加工と手仕事が混ざっていて、時間をかけた技術も魅力のひとつ‥‥。そして、使い続けた経年変化や馴染みやすさは、新品のものにはない温かさを感じます。

    家具修復という仕事
    お店の奥で、家具をパーツごとに外したり、クリーニングや手入れをしています。そうしていると、細かい修理の痕や手入れした様子が見つかるんです。それは、愛着や労りを持って接していた軌跡のように感じます。そんな元の持ち主の想いを引き継いで、長く使ってもらえるように、次に使われる暮らしを想像しながら、使い勝手や見た目の手入れを施しています。
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  • 古い椅子の座面の話
    たとえば、古い椅子は座面のクッションが弱っていて、座面下の土台をお尻で感じてしまうことがあるんです。今のウレタンに交換してから生地を張り替えると、ちゃんとお尻を支える弾力があって座り心地がいい。こういうのって、使い続けていると、じわじわとくるものなんですね。だから、お客さんが「これからどうやって使うか」、「どういう見通しで家具を取りいれたいか」に応じて、「オリジナルのままにしておくのか」、「張り替えするのか」と対応を変えていますね。

    その人に合わせた仕上がり
    場合によっては、日本製の椅子にデンマーク製の生地を張ってあげると、北欧っぽい仕上がりになったりします。生地見本を見ながらフレームの色と合わせたり、座ったときに踵がついているかとか、テーブルのサイズを聞きながら、その人に合わせた仕上がりを探っています。

    再生工房みたいな感じです
    屋号にアンティークと入っていますが、ただアンティークを販売するだけじゃないですね。屋号のはじまりに、リファクトリーとあるのは、再生工房みたいな想いで名づけたんですけど‥‥。お客様がいなければ自分が「こういうスタイルがいい」っていう方向で、お客さんがいらっしゃればその人のパーソナルに合わせた感じで仕上げていきます。
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  • 昔、使っていた家具を修復
    「実家にあった昔に使っていた家具を直して、新しい暮らしのなかで使いたい」と依頼をいただくことがあるのですが、新しいものを買って済ますことができる世の中で、そのような考えで家具修復を依頼してもらえるのはとてもうれしいですね。

    おばあちゃんの和箪笥
    若いお客さんから「おばあちゃんが使っていた和箪笥を、玄関の脇に置いてサイドチェストみたいにして使いたい」という依頼をいただいたてリメイクしました。昔のものなので、畳の上に置いて使うので背が低いんですね。それで、オリジナルでつくっている脚をつけて、昔の趣を残しながら和洋折衷なスタイルになるように仕上げました。

    使われていた痕はそのままに
    長く使われていた痕を消そうとすると不自然になるというか‥‥。昔から履いている革靴を磨き続けているような感じで‥‥、寄り添ってきた変化は残すようにしています。この和箪笥に馴染むように、脚は鉄そのものの黒を活かした仕上げのものを組み合わせました。

    使い続けられるように
    引き出しの開け閉めがスムーズになるように調整して、実用品として使いやすい手入れもしています。家具は、いつも使うのなので、小さなストレスを取り除くことも大事です。全体としての見た目と使い勝手を手入れすることで、ずっと使い続けてもらえるとうれしいですね。
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  • 古い家具や古道具と暮らして
    古い家具や古道具を扱う仕事を始めてから、暮らしにも古いものを取り入れてインテリアを楽しんでいます。住まいも古い家を借りて、自分好みに直しながら生活しています。先日、古材を引き取りに行ったら、木組みの糸巻きがたくさんあったので、それに合う器を陶芸家の方に作ってもらいました。古い糸巻きと器とサボテンが、いい感じで住まいに馴染んでいます。


    古い家具は心地よさをもたらす
    古い家具や古道具は、造られた時代やその背景、時を重ねた跡など、そのものが持つ物語に満ちています。ふとしたときに、その物語に引き込まれてしまう魅力があります。そして、暮らしに溶け込み、静かに佇んでいるだけで心地よさをもたらしてくれるんです。
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profile

渡邉 優太さん顔写真
渡邉 優太さん
大学ではユニバーサルデザインや人間工学を学ぶ。卒業後、ザ・コンランショップに入社。植物やガーデンファニチャーの担当に。その後、さまざまな経験を経て、2012年に、埼玉県飯能市に「REFACTORY antiques」を開店。日本および海外から家具を仕入れて、修復して販売。個人のお客様からのインテリアの相談も請け負う。ホームページでは、アンティークの家具や照明、古材などを販売している。

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