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interview

庭先の家庭菜園から
世界が広がっていく

SHO Farm
仲野 翔さん

「千年続く農業」をテーマに掲げ、
有機農法で野菜を作っている仲野さんに
庭先での家庭菜園についてインタビュー。
庭先養鶏や持続可能な社会への貢献など
話を聞くほどに世界が広がっていく

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  • 健康な野菜を作っています
    学生の頃から農業を仕事にしたくて、2014年、横須賀市にSHO farmを開設しました。約100種類の野菜や果物を生産しています。化学肥料は使わずに、有機質肥料で、それもできるだけ少量の施肥で、植物自身が持つ力を引き出して、健康な野菜を作っています。

    2020年は援農に来られる方が増えました
    子どもと一緒のファミリーが、よく援農に来てくれました。その方たちは、今年は「自分の庭で野菜作りを始めてみました」とか「畑を借りました」などと、一歩踏み出しています。「自分で作って、自分で食べる野菜は気持ちいい」。そんなことに気づき始めているんじゃないですかね。
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  • 春に、家庭菜園を始めてみよう
    ゴールデンウィークころは、夏野菜を植えるのにベストな時期です。トマト、ナス、ピーマン、かぼちゃ、きゅうり、ししとうなどがお勧め。6月下旬くらいからトマトが生り、採れたての野菜が楽しめます。ピーマンは、とても甘い段階があって、そのときに食べると甘くて驚きます。ぜひ、ピーマン嫌いの人に食べてみてほしい‥‥野菜は、収穫して時間が経つと糖度が下がっていくという相関関係があるので、採れたての野菜を味わってほしいですね。

    いろんな種類の野菜を育ててください
    庭先であれば広い面積の家庭菜園ができると思うので、葉物や根菜などと、いろんな種類の野菜を育ててください。たくさん植えると土壌が豊かになります。植物どうしの根っこが連携しているアーバスキュラー菌根菌というのがあって、お互いに栄養を融通しあうんです。

    生態系のような家庭菜園を
    たとえば、キャベツとレタスを近くに植えるとキャベツに虫がつきづらいとか、きゅうりと長ネギを一緒に植えておくと助けあって、良く育ちます。これは異なる植物が片方または互いに物質を出して、生長を促したり、抑えたりするアレロパシーという効果によるものです。いろいろな植物に見られる現象で、相性のよい植物同士のことをコンパニオンプランツと言います。調べてみるとおもしろくて驚きます。いろいろな野菜を組み合わせて、ひとつの生態系のような家庭菜園を作ってみてください。
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  • 大根は15種類ほど育てています
    僕が食べたいからなんですけど、ここでは大根を15種類ほど育てていて‥‥。外側だけ赤い大根、中が赤い大根と、それぞれ個性がありますし、味わい方が変わります。好きなのはここが三浦半島だからかもしれないけど、三浦大根ですね。ずんぐりむっくりで愛嬌があって、ふろふき大根にしても、おでんにしても、味の染みが良くておいしいです。

    自分の好きな野菜を育ててみよう
    お店で売られている大根の種は2~3種類ですけど、本当はたくさんの種類の大根があります。その地元に根付いた野菜の種を取っている農家に分けてもらうとか、専門の種苗店で買ったりして‥‥自分の好きな野菜を見つけて、育ててみるのも楽しいですね。

    有機農法は土づくりがベース
    有機農法では、土づくりがベースになります。野菜くずなどの生ごみをコンポストで発酵分解させて、堆肥にして、土に返していくといいと思います。農薬や肥料を買わなくていいですし、なにより、いい循環になりますし、生ごみを減らすことができます。
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  • 庭先自然養鶏という活動
    郊外暮らしの良さを伝えていきたいと思い、去年から庭先自然養鶏の勉強会を開いています。すでに約60近くの家庭が始めています。鶏は野菜くずをついばんでくれて、雑草を抜いてくれて、自分の足でかき回してくれて、うんちをしてくれて施肥までしてくれます。コンポストの手間が無くなりますし、美味しい卵を産んでくれます。オスがいなければ、静かですし、もみじという品種の鶏は人に慣れやすいんです。

    多少迷惑をかけてもいい人間関係
    近所との関係も鶏を尺度に見つめ直すといいと思います。近所の方に、ひよこを見せると「かわいい」と、ひよこを好きになってくれて、それが多少迷惑をかけても気にしないくらいの人間関係ができてきます。時々、近所の方が野菜くずを持ってきてくれて、お礼に卵を差し上げる。それは、とてもすてきな近所関係です。
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  • 家族で育てて、家族で食べる
    援農に来られると親子ともども満足して帰っていきます。ソイルセラピーと言うのですが、土には癒しの効果があります。家族で野菜を育てて、家族で食べるのは、とても楽しい。それに、子どもにとって、自分が育てた野菜を食べる喜びは大きいものです。子どもがやらなくても、親が野菜作りをしている姿や手づくりの野菜を食べさせてくれたという記憶は、親への感謝につながっていくと思います。

    野菜作りは持続可能な社会への一歩に
    なんのビジネスにせよ、なんらかの環境を悪くする要素をはらんでいます。本当のサスティナブルという意味で言うと、経済活動じゃないこと‥‥自給することが環境に対して良いことなんです。家庭菜園を始めて、少しでも自給を楽しむことが持続可能な社会への一歩になります。
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profile

小野寺 愛さん写真
仲野 翔さん
横須賀市浦賀出身、神奈川県立横須賀高校卒業、筑波大学生物資源学類(農業経済)卒業、日本政策金融公庫勤務、ながしま農園にて農業研修、2014年よりSHO Farm開園。横須賀市の自然豊かな環境で、農業の永続性を考え、「千年続く農業」をテーマに野菜作りを実践。種は、可能な限り在来種、固定種を使用。生産時にビニールマルチ等プラスチック資材は原則不使用、マルシェでは量り売りを基本とし、ゼロウェイストの野菜生産を目指している。火~土曜日はSHO Farmで採れたて野菜を販売。通常の1.5倍ほどゆっくり育てた野菜は香りが強くて、味が濃い。

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