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interview

エシカルな活動とは
よりよい未来をつくること

えしかる屋 プロデューサー
稲葉 哲治さん

「未来のために選択をしていく。
その選択の規範が、
エシカルであり、倫理である」。
エシカルな活動を続けてきた
稲葉さんが、そう話してくれた。
よりよい未来につながる話が始まります

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  • えしかる屋は、新しい社会の窓
    ここは、新しい社会の窓みたいです。お店のなかをぐるりと回れば、西アフリカのベナンで作った浴衣やメキシコで作ったポンポン、愛媛県産の果汁のみでつくられたジュースなど世界を1周するくらいのものがあります。それに、リジェネラティブな商品も置いてあって、オーラルピースという歯磨きペーストは川や海をよくする酵素を含んでいて、それを使うことで環境がよりよくなるのです。

    たくさんの視点に出会えます
    ここでは、作り手が見えるものや伝統を生かすもの、環境によいものなど、たくさんの視点のものに出会えます。その視点それぞれがエシカルだったりします。作り手が見えることで、私たちの生活がいろいろな国の人とつながっていく。ものと出会うことが、つながりの回復にもなるのです。
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    ◎ベナンの職人が丁寧に製作した浴衣(シェリーココ)、◎メキシコの作り手の想いが感じられるポンポン(チチネオ)

  • 2012年の出会いから始まりました
    2012年、僕は「フェアな働き方」という問いを持ち続けて、人材活用の仕事をしていました。そのときに、ラオスのフェアトレードコーヒー豆を販売している学生団体と会うことがあって、活動内容を聞きながら、直観的に「これからの社会や人の価値観がシフトしていく」と感じて、目が開かれる思いをしました。

    フェアな働き方の答えを探して
    そして、フェアな働き方について、エシカルブランドやメディアの方や大学教授に聞き回って、ひとつのキーワードに辿りつきました。「選択」です。人々の選択が未来をつくっていく。だから、「いろんな国の人の働くことや消費に対して、多くの選択肢を提供していきたい」と思い、エシカルな活動を始めました。

    エシカルのキーワードも「選択」
    エシカルとは「選択」です。「一人ひとりが社会のなにを大事にするのか」、「どういう未来をつくりたいのか」を考えて、生き方や消費、ものを選択していく。「なにを選択するか」の規範がエシカルであり、倫理であり、道徳なのです。
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  • 自らに向き合って考え続ける
    「学生にお勧めのエシカルブランドは?」と聞かれることがあるのですけど、答えはしますが‥‥本質的には、勧められたエシカルブランドを着ているだけでは、他人にその選択を預けてしまうことになる。思考停止にならない、情報に流されない。日々「自分はどうしたい」、「自分はなにを望むのだろう」。「自分はなにを怖れるのだろう」ということに向き合い、考え続けることが大切です。

    選択を自分で引き受け続ける
    有名なアニメの最初のころのシーンに「殺傷与奪の権を、人に預けるな」というセリフがありました。まさに、それです。生きていくための選択を、自分で持ち続ける、引き受け続ける。それを一人ひとりができるようになることが「エシカルであり、よりよい未来をつくっていくことだ」と信じています。

    しつこく、だらだらと続けていく
    僕は「やりぬく」という言葉が嫌いです(笑)。やりぬくと、そこで終わってしまう。エシカルの活動には終わりがありません。やりぬくのではなくて、やり続ける。しつこく、だらだらと。時には形を変えて、休んだりして、片手間でもいいから、しつこくやり続ける。「まだ、やっているよ」という状態になってくると、世の中が変わってくるのです。
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  • エシカルの意識は高まっています
    大きな流れとして、エシカルにシフトしている実感はあります。若者たちの危機感は、大きくふくらんでいます。このまま生きていて、どうなるのだろう。このままだと負を背負わされてしまう。Z世代、さらにはその下の世代が、そう感じています。その実感は他の世代にも広がっていて、そのために行動する人たちが飛躍的に増えています。

    旧来の価値観をいかにシフトさせるか
    今はまさに、大量生産・大量消費やジェンダーの問題など、旧来の価値観をいかにシフトさせるかという時代です。単にサステナブルだと言って、再生プラスティックの服を作ることはサステナブルでもエシカルでもなくて、再生プラスティックの服を大量生産していては、まったく意味がありません。

    自分は変われるのか?
    自分を変えるのは怖いし、めんどうくさい。いろんな本を読んで「SDGsだ」と言っていても、自分の生活は変わらない人が多い。たとえば、洋服を、どうやってサステナブルな服に置き換えるかを考えていたりします。そうではなくて、よりよい未来を考えて、自らが「いかに変われるか」が問われているのです。
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profile

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稲葉 哲治さん
1979年生まれ。東京都在住。東大から一転、中退して社会的ひきこもりを経験。セゾン・日立グループにて新規事業、起業、人事、人材コンサルタントを経て、人事メディアにて人事コミュニティ運営に従事。2012年から「エシカル」をキーワードにエシカルペイフォワード・プロデューサーや「エシカル男子の会」をつくる会・代表など、多岐にわたるプロジェクトに取り組む。現在の主な活動は、えしかる屋プロデューサー、サーキュラーHR編集長、NPO法人GEWEL理事。

関連サイト
えしかる屋(鎌倉市雪ノ下9-5-1)