2012.10.04
今回は「柱」のお話です。木造軸組に無くてはならない柱、配置される場所や用途によって様々な名称があり、床の間の装飾的な柱を「床柱」、大壁(おおかべ)を真壁(しんかべ)に見せかけるための「付け柱」、1番有名な柱は、家の中心となるような太い柱「大黒柱」でしょうか?
その大黒柱もしかり、最近の建物では柱自体を見る事もほとんど無くなっているように思われます。しかし、実際は柱が無くなるなんて事は無く、隠れているだけなのです。
「真壁(しんかべ)」と「大壁(おおかべ)」柱の存在を忘れてしまってきている理由のひとつに「大壁」工法があげられます。
大壁とは構造柱が仕上げ材によって隠されている工法です。一昔前までは「真壁」工法と呼ばれる構造柱が仕上げ材として表に現れている工法が主流でした。
実際の建物では、工事途中で柱はかなり見えるのですが、仕上げ段階へ進むにつれ柱は見えなくなります。
現代の住宅流行では、シンプルな仕上げが好まれるので、本格和室が作られる事は少なく、なかなか柱を見ることが無くなってしまっています。
そんな時に、自宅の直ぐ近くの古民家園に行く機会がありました。本格和室どころではない剥き出しの柱・梁に圧倒されました。日頃見慣れている壁にこれでもかと柱・梁が見える風景はもはや芸術でした。
こんなところで芸術の秋を楽しんではいかがでしょうか?みなさんの住まいの近くにも古民家園的なものがあるかもしれません。「民家園 リスト」と検索をかけるといろいろでてきますよ。