◆ネズミの種類
屋内に住みつくネズミは、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種類です。ドブネズミは3種の中で最も大きく、体長22〜26cmに達します。キッチンや浴室などで活動し、下水管などを通じて建物に侵入します。クマネズミは体よりも長い尾と大きな耳を持っています。垂直行動が得意でパイプや電線を伝わることができるので、天井裏での活動も盛んです。ハツカネズミは15〜20gと小型で、クマネズミと同じような場所に生息しますが活動性は低く、あまり目立ちません。
◆ネズミの恐ろしさ
ネズミは病原菌の運び屋です。ノミやダニの発生源ともなり、線虫や吸虫など、人との共通の寄生虫を体内に持っています。このような病原菌や有害な生物が糞尿の排泄や活動を通じてばらまかれるので、キッチンなど食物を置いた場所ではとくに注意が必要です。また、電線をかじってショートさせ、火災の原因となる場合もあります。
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◆ときに食害を及ぼす虫
静かな夜に耳を澄ますと、お茶をたてるような音を出すのでチャタテムシの名があります。薄茶色の約1mmほどの虫で、形や大きさはダニに似ています。人を刺したりする害はありませんが、食糧を食い荒らすことがあります。この虫が好んで食べるものには、麺類、インスタントラーメン、カツオブシ、カビなどです。住みかは、家具、押し入れ、キッチン、畳のすき間、書籍の間などで、直射日光をきらい、温度、湿度の高い梅雨時から夏に大発生することがあります。
◆ネズミ対策は整理整頓から
エサになるような食材、調理くず、残飯残菜は、しっかりと扉が閉まる戸棚やフタがきちんとした容器に収納し、床面の落ちこぼれも清掃しておくことが必要です。また、巣の材料になりやすい布キレ、紙、ビニールなども整理しましよう。
◆殺鼠剤には細心の注意を
粘着シート、生け捕りかご、圧殺式トラップ、超音波撃退器などや、忌避剤、殺鼠剤が市販されています。
殺鼠剤には、即効性のある急性殺鼠剤と徐々にネズミを弱らせる抗凝血性殺鼠剤の2タイプがありますが、いずれも毒なので、使うときは幼児やペットが誤食しないように細心の注意を払って管理しましょう。
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◆出て行くように仕向ける
コウモリが屋根の陰などの隙間に住みつくことがあります。日本ではコウモリから人へ感染する伝染病の事例はなく、糞から病原菌が出た事例もありません。しかし天井裏への侵入による騒音や、侵入口周辺の糞による汚れなどが発生する場合があります。許可なく捕まえたり殺したりすることはできませんので、静かで暗く落ち着いた環境を壊し、コウモリが出ていくような対策が必要です。例えば住みついている場所にライトをあてて明るくしたり、ラジオを設置して音を出す方法があります。出ていったことが確認できたら侵入口をふさぐ(8ミリ以下にする)ことも必要です。

◆追い払えない動物がいたら
住まいにはアオダイショウなどのヘビが住みついたり、地域によってはイタチが侵入することもあります。いずれもネズミが好物なので、エサになるネズミを駆除しておくことが重要です。こうした動物を追い払いたいときは、最寄りの保健所や生活衛生センターに連絡しましょう。このほか軒先にスズメバチが巣をつくったり、ネズミが手に負えないときなどにも保健所が相談にのってくれます。
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