【H3ロケットの打ち上げ能力】H3ロケットは新型1段エンジンを2基または3基、補助ブースタを0本、2本、4本に切り換えることにより、さまざまな大きさや軌道の人工衛星に対応する打上げ能力をめざしている。最大打ち上げ能力は静止軌道で比較するとHシリーズでは最も高性能となる。大型ロケット発射管制棟移動発射台で移動するH-ⅡBロケットかも美しいことから、海外からの見学者もたくさん訪れています。 現在、日本で開発中のロケットは、全長約63m、日本最大・最高性能の新型基幹ロケット「H3」。日本の宇宙利用を支えながら、世界のロケット市場でも戦えるロケットをめざして、JAXAと三菱重工業が研究開発に全力を注いでいます。2020年度には、H3試験機1号機が種子島宇宙センターから打ち上げられる予定です。 日本のロケットは、「ペンシル」の直系である固体燃料ロケットと、全段国産化を遂げた液体燃料ロケットに大きく分けられます。「H3」は後者で、これまで培ってきた液体燃料ロケット技術の集大成といえるもの。液体燃料は推力調整と、正確な制御が強みですが、推力は固体燃料のほうが高いため、Hシリーズロケットの補助ロケットとしては、世界最高水準にある日本の固体燃料ロケット技術が使われています。打ち上げ成功率約97%、オンタイム打ち上げ率は約93・3%、総打ち上げ数は少ないながら、性能は他国を圧倒しているのです。 60年以上にわたり、高みをめざしてきた日本のロケット開発。人々が地球と宇宙を自由に往来する未来、日本の技術が活かされる日も近いのかもしれません。技術は世界のトップレベルにⓒJAXAⓒJAXAⓒJAXA静止軌道への打ち上げ能力
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