ミサワオーナーズマガジン 2018 Spring&Summer
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M-07的特長を資源化することで、持続可能なまちになるためのモデルを模索しているところです。門内 人口減少や超高齢社会をにらんで、国はコンパクトシティ化を進めていますが、それも同じことがいえますね。コンパクト化にはマグネットが必要で、マグネットが求心力となって地域に人を惹きつける。富田さんの言う魅力の資源化ですね。たとえば、金沢市の「金沢21世紀美術館」のような存在です。そしてドイツが進めているように、80%の人が30分以内に通勤できる都市をつくり、そのユニットをモビリティでつなぐようなまちづくりを行うべきではないでしょうか。富田 「シェア」ということも、今後のキーワードになりそうです。門内 シェアハウスのような狭い意味のシェアではなくて、もっと広い意味でのシェアですね。水道だってシェアだし、図書館だってシェアです。エネルギーや設備などをシェアし合うことで共助が生まれ、より強いコミュニティになるはずです。これからの都市は、インフラを含めたすべてがつながり合う社会。また、エネルギーや自動車など各分野で異なるノウハウをもったメーカーがリンクして、地域のスマート化を図っていくはずです。ミサワホームには、そのハブとしての役割も期待しています。そういえば、宇宙での住まいづくりに挑戦するそうですね。それは、南極の昭和基地での実績があるからでしょう。富田 はい。シェアということでいうと、宇宙ではどこまでシェアをするかということが地上とは違います。たとえば、一つのユニットにたくさんの人が常時いると、万が一、そのユニットに危険がおよんだ場合に全滅する可能性がある。そこで、居住する人数を振り分けるなどリスク分散する必要があるわけです。誰かが必ず生き残るように。門内 なるほど。思い切って、住宅地を宇宙基地として考えて計画したらどう?(笑)富田 それは面白い(笑)。大切なのは「人」であり、私たち自身が未来の暮らしをつくるということ。ミサワホームはこれからも、未来の暮らしに寄り添う企業でありたいと思います。本日は、ありがとうございました。 月や火星に人が住むといった、夢の世界へ一歩近づくようなプロジェクトが始まりました。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、「太陽系フロンティア開拓による人類の生存圏・活動領域拡大に向けたオープンイノベーションハブ」を立ち上げて各界の技術力を結集。革新的な宇宙探査技術を開発し、その成果を地上と宇宙の双方へ反映させようとしています。そのなかで、ミサワホームは「持続可能な新たな住宅システムの構築」を提案。新しい工法を開発し、建設やメンテナンスが容易で、エネルギーも含めてIoTを活用した自立循環型の構造体づくりをめざしています。ここには、南極での実績と、先進の研究開発力が活かされる予定。将来、地球上の厳しい環境下でも快適な住宅ができ、さらには人類が他の惑星に移り住むことも決して夢ではなくなるのかもしれません。MIRAI COLUMN - 2写真はイメージ

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