ミサワオーナーズマガジン2021秋冬号(マンション)
20/28

 Autonomous Sensory Meridian Responseの頭文字をとって「エイ・エス・エム・アール」と呼ばれることが多く、日本語では、自律的な感覚の絶頂反応と訳され、感情が強く揺さぶられることを意味します。一口に言えば、人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地よい、脳がゾクゾクするといった反応・感覚を指すものです。環境動画と違い、広い意味での「環境音」ではなく、一つの「音」に焦点を当てていることが、ASMR動画の特徴です。不思議な「ASMR」の世界とその魅力略歴:大阪芸術大学音楽学科、大阪府立大学総合科学部卒九州芸術工科大学大学院修了大阪芸術大学音楽学科助手、講師2004年金沢工業大学助教授就任。2008年より教授専門分野:音楽音響学、音楽心理学、エンタテインメント工学オトナダイガク「ASMRって何ですか?」 例えば、耳かき音の動画。耳かきをした時の「コソコソ」という音を、イヤホンで聞くと、本当に耳かきをされているようなゾクゾク感があるという人や、ウトウトしてしまうほどリラッ「具体的にどんな音なの?」 ASMRは2009年アメリカで生まれ、一部の人の間で楽しまれていました。日本で人気になったのはコロナ禍以降です。特にテレビ朝日の弘中アナウンサーや女優の川口春奈さんなどの有名人がASMR動画をUPしたことで一気に広がったように感じます。コロナ禍でリモートによる会議や授業など画面を通したやり取りが増え、身体で受け止める感覚や皮膚で感じることが少なくなりました。ASMRを見て聞いて「ゾクゾク」するというのは、自分の肉体性を取り戻す作業の一環で、自分を確認したい欲求が満たされるためにASMRが受け入れられたのではないかと思います。「ASMRが人気になった理由は?」を知っていますか。「なんとなく心地よい」「脳がリラックスする」「ゾクゾクする」という、脳がマッサージされる音クスできるという人もいます。 その他、”本のページをめくる「サラッ」という音"、”炭酸水のはじける「シュワシュワ」という音"、”スポンジやスライムを切る「サクッ」という音"、”焚き火の「パチ、パチ、パチッ」という音"など、多岐にわたり、今までに体験したことのない聞き心地の音に、「新鮮!」「おもしろい」とハマる人が続出したようです。【教えてくれる人】 山田真司博士(芸術工学)金沢工業大学メディア情報学科教授 Autonomous Sensory Meridian Responseの頭文字をとって「エイ・エス・エム・アール」と呼ばれることが多く、日本語では、自律的な感覚の絶頂反応と訳され、感情が強く揺さぶられることを意味します。一口に言えば、人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地よい、脳がゾクゾクするといった反応・感覚を指すものです。環境動画と違い、広い意味での「環境音」ではなく、一つの「音」に焦点を当てていることが、ASMR動画の特徴です。不思議な「ASMR」の世界とその魅力略歴:大阪芸術大学音楽学科、大阪府立大学総合科学部卒九州芸術工科大学大学院修了大阪芸術大学音楽学科助手、講師2004年金沢工業大学助教授就任。2008年より教授専門分野:音楽音響学、音楽心理学、エンタテインメント工学オトナダイガク「ASMRって何ですか?」 例えば、耳かき音の動画。耳かきをした時の「コソコソ」という音を、イヤホンで聞くと、本当に耳かきをされているようなゾクゾク感があるという人や、ウトウトしてしまうほどリラッ「具体的にどんな音なの?」 ASMRは2009年アメリカで生まれ、一部の人の間で楽しまれていました。日本で人気になったのはコロナ禍以降です。特にテレビ朝日の弘中アナウンサーや女優の川口春奈さんなどの有名人がASMR動画をUPしたことで一気に広がったように感じます。コロナ禍でリモートによる会議や授業など画面を通したやり取りが増え、身体で受け止める感覚や皮膚で感じることが少なくなりました。ASMRを見て聞いて「ゾクゾク」するというのは、自分の肉体性を取り戻す作業の一環で、自分を確認したい欲求が満たされるためにASMRが受け入れられたのではないかと思います。「ASMRが人気になった理由は?」を知っていますか。「なんとなく心地よい」「脳がリラックスする」「ゾクゾクする」という、脳がマッサージされる音クスできるという人もいます。 その他、”本のページをめくる「サラッ」という音"、”炭酸水のはじける「シュワシュワ」という音"、”スポンジやスライムを切る「サクッ」という音"、”焚き火の「パチ、パチ、パチッ」という音"など、多岐にわたり、今までに体験したことのない聞き心地の音に、「新鮮!」「おもしろい」とハマる人が続出したようです。【教えてくれる人】 山田真司博士(芸術工学)金沢工業大学メディア情報学科教授C-20

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る