先人から受け継がれてきたものづくりへの熱い想いトイレの節水性能が大きく進化洗浄水量は40年前の約3割にM-28有名建築に納入された歴史的な製品も見どころ。写真は1974年に開館した迎賓館赤坂離宮で、改修の際に設置された陶器製の洋風バスや木製カバーで覆った陶器製の腰掛式サイホンゼット便器。ネオ・バロック様式の建物にふさわしい重厚なデザインです。中野寛政館長(右)とミュージアムスタッフの桑原遥海さん(左)グローバルギャラリーでは、世界的に権威のある「レッド・ドット・デザイン賞2017」において最優秀賞「ベスト・オブ・ザ・ベスト」を受賞した台付シングル混合水栓「GOシリーズ」を展示。世界中に広がるデザイン性の高さも見どころです。創業から約一世紀。水廻り商品を通して快適な生活文化を創造してきたTOTO。今に至るまでの足跡やものづくりへの想いを伝える「TOTOミュージアム」を訪ねて、中野館長にお話を伺いました。上/1914年に製造された国産初の腰掛式水洗便器の復元品。左/1927年に日本で初めて商品化された「腰掛式サイホンゼット便器」(左)と初代「ウォシュレットG」(右)。いずれも「近代化産業遺産」に認定。 ここ数十年でがらりと変わった住まいの水廻り。「TOTOミュージアム」を見学すると、創業から今に至る歴史とともに、その裏で快適な生活文化を創造するために並々ならぬ企業の努力と熱い志があったことがわかります。 「先人から受け継がれてきた私たちのものづくりへの想いを知っていただけるとうれしいですね。『良き物をつくる前に良き人をつくる』という言葉もその一つ。社是に掲げる『良品と均質』は、お客さまや社会のために自身の仕事に誠実に向き合える人間がいて初めて実現できることだと考えています」と中野館長。 TOTOは国産初の腰掛式水洗便器や「ウォシュレット」※など、挑戦と革新で日本に新たな生活文化を根付かせてきました。また、節水や二酸化炭素削減にも取り組み、環境性能の優れた商品を世界中に届けています。たとえば大便器の洗浄水量は、1965年頃までは1回あたりの洗浄に20ℓもの水量が必要でしたが、同社ではいち早く節水便器の開発に着手し、1976年に洗浄水量13ℓの便器を発売。以後も創意工夫を重ね、現在は3.8ℓで洗浄できる節水便器が登場。この40年間で洗浄水量を70%も削減しています。 「今後も展示を更新して、こうした水まわり商品の進化やSDGsへの貢献をわかりやすく伝えていきます」と中野館長は語ってくれました。※「ウォシュレット」はTOTO株式会社の登録商標です。日本の近代化の一翼を担ったTOTOの歴史や想いにふれて、水廻りの進化を実感エコなバイオガスで走る「トイレバイク ネオ」TOTOの環境問題への取り組みをPRするためにつくられた「トイレバイク ネオ」。燃料は家畜の排泄物や生活排水などからつくるバイオガスで、実際に2011年、北九州から東京までの1,400kmの旅を完走しました。TOTOミュージアム
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