トップメッセージ

30歳までに若手をプロに育て、
社員とともに成長していく
会社をめざす。

取締役 常務執行役員
人事総務部 部長
BRシナジー推進室長

つつみうち しんいち

堤内 真一

©SHIge KIDOUE

ミサワインスティテュート設立当時の背景と想い

ミサワインスティテュートは、優秀な人財の採用と育成にもっと注力したいという強い思いから、2018年に新設した部署です。そもそも採用活動は、企業活動の原点となるものですから、その入り口が人数合わせになると、5年後、10年後の企業活動も先細りになってしまいます。そうした危機感を持ち、それまでは総務人事部の中にあった採用・教育の機能を切り出して組織を大きく再編しました。

また、私は以前にも採用・教育の仕事をしていましたが、そこで得たさまざまな経験やノウハウを当社に伝えることも重要な責務と考えています。この考え方に基づき、立ち上げ段階から私が部長兼務でミサワインスティテュートを統括し、未来に向けたミサワホームの人財育成を構築してきました。

ミッション30歳までに若手をプロにする

ミサワインスティテュートのミッションをひと言でいえば、「30歳までに若手を仕事のプロにする」ということです。この原点となる考え方に立って、優秀な若手を採用しプロに育てていくわけですが、新人が慣れない環境に飛び込んで数年間は色々なことがありますし、若いときは心が揺れますよね。「仕事がうまくいかない」とか「先輩や上司とうまくいかない」とか「ここに入社して良かったのだろうか?」などと不安になり、追い詰められたりもします。会社としてはそうしたメンタル面もきちんとケアして、若い人が情熱を持って働き続けられる環境をつくらなければなりません。そこで「採用」「育成」「定着」をミサワインスティテュートの3本柱とし、若手をしっかりとフォローするための新たな体制づくりに本腰を入れて取り組んでいます。

©SHIge KIDOUE
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「採用」「育成」「定着」の3本柱

1.採用について

少子高齢化に伴って若年層が減少しているなか、採用活動をどう進めればいいのか? どの企業も知恵くらべの状況だと思いますが、私は、まず採用担当者の情熱が大事だと思っています。担当者一人ひとりが採用の重要性を認識し、熱く、情熱を持って仕事に向き合わなければなりません。これから社会に出る皆さんに「この会社で、この人たちと一緒に働きたい」と思ってもらうためには、この情熱が大前提だと思います。

また、内定を出したあとのフォローも重要です。内定者を放りっぱなしにせず、集まれるイベントを定期的に開催し、業界や会社、仕事内容の理解を深めてもらう。また、内定式やボウリング大会、忘年会など親睦の場を通して同期の絆を深めてもらう。こうした機会を繰り返し設定することで、入社前の不安や孤立感を解消することができ、同期と一緒に安心して、また期待を持って会社に入社してもらえるようにしたいと考えています。

2.育成(教育)について

私が実際に面接をしてわかるのは、若い人たちが自分のキャリア形成にとても関心を持っていることです。ですから、私たち経営陣も「ミサワホームでどのようなキャリア形成ができるのか」を明確なカタチで示さなければいけないと感じ、社員目線で育成体制を大きく見直しました。その成果の一つが、多層的な教育プロセスです。

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入社時の導入研修に始まり、2年目、3年目、5年目、7年目と、非常にきめ細かなレイヤーで階層別教育を行います。さらに、若手が経験を積み重ねるなかで、「今ちょっと悩んでいる」「うまくいかない」「なぜか結果が出ない」といった状況になっても、同期が集まる機会が数多くあることで会社としてもきめ細かくフォローでき、また、本人も気の合った同期などに相談できるといったメリットが生まれるでしょう。

また、ミサワインスティテュートで行う階層別教育は、営業や技術など各部門で行う専門別教育とも連動させていくので、「いま自分はどの程度成長できているのか」を見える化でき、将来のビジョンやキャリアプランもクリアになります。こうした社員ファーストの教育体制はまだ始まったばかりですが、今後どんどん充実させていきます。

もう一つ、「家づくり、まちづくりには女性の感性が不可欠」という観点から、女性社員向けの教育にも力を入れています。女性には結婚・妊娠・出産といった、男性とは違うライフイベントがあるため、情熱を持って働き続けることが難しい局面も出てきます。当社では、そうしたハードルを乗り越えて、自らのキャリアを形成してもらうために、特別講師を招いて女性限定のキャリア研修を実施するなど、充実したサポート体制づくりに取り組んでいます。

3.定着について

「定着化」は重要なテーマであると同時に、とても難しい課題でもあります。当社では「若手社員が、なぜ会社をやめてしまうのか?」といったテーマで調査を行いました。その結果、「社内でつながりがない」、「相談相手がいない」、「会社の中に自分の居場所がない」、「自分の能力が活用しきれていない」と感じたときに心が冷めてしまうケースが多いことがわかり、改善に向けた取り組みをスタートしました。

仕事上の課題については、直接の先輩に教えてもらうOJTリーダー制度がありましたが、仕事以外のことについては違う職場の先輩に相談できるよう、新たにメンター・メンティ制度を設け、「直接の先輩には言いにくい内容でもメンターになら相談できる」ようにしました。OJTリーダー&メンターのダブルサポート体制を整えたことで、若手社員が「いつも誰かが見てくれている」「誰かとつながっている」という安心感を持って働けるように配慮しています。

また、定着化に向けた施策の一環として人事課による出向社員ヒヤリングがありますが、これとは別に、私自身で各地の職場を回り、さまざまな声を聞くようにしています。若手としては「こんなことを相談してもいいのかな」と思うようなことでも気軽に、本音で話せるような雰囲気づくりを心がけています。私が受け取った意見や思いは、個人を特定しないよう、若手の総意としてまとめて上層部にフィードバックし、改善のヒントにしてもらっています。社員と会社のコミュニケーションが良くなれば一体感もより強まり、定着率の向上につながっていくと思います。

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事業ビジョンと求める人財像

「ミサワホームといえば戸建住宅の会社」というイメージが強いと思いますが、これからの企業成長の方向性は、戸建て・資産活用・リフォームを基軸として、新たな事業にも大きく踏み出そうとしています。実際に構想しているのは、スマートシティなどのまちづくり事業、アジアを中心とした海外事業ですが、こうした新規領域を伸ばしていくには、未知のことにチャレンジできる人財の力が不可欠です。

また、そうした新しい人財が入ってくれば、その育成のための新しい教育も必要になります。いずれにしても今後は、一つの分野でずっとやっていって一人前になればいいという時代ではありません。経営環境はものすごいスピードで変わっているので、求める人財の役割や能力も変化し多様化しています。そうしたなかで、ミサワホームが求める人財像は、大きく3つあります。

1 チャレンジできる人 : 一つのことに囚われず、チャレンジできる人は成長できる。
2 素直な人 : 他人の意見を柔軟に受け入れられる人は伸び代(しろ)も大きい。
3 情熱を持っている人 : 職場を明るくし、前向きな方向に引っ張ってくれる。

皆さんと同様、持続的な成長を目指して、会社もチャレンジします。常々、私が社内で言うのは「社員の成長と会社の成長がリンクして、自分の能力が伸びると同時に会社も大きくなり、活躍の場が広がっていくのが理想の姿」ということですが、そうした良いサイクルをつくれるよう、私たち経営陣も本気でがんばります。当社には、皆さんが刺激を受けるような、情熱を持った先輩もたくさんいます。ミサワインスティテュートの考え方に共鳴してくれたら、ぜひミサワの門を叩いてください。皆さんと一緒に働ける日を心待ちにしています。

©SHIge KIDOUE

※現在、人財開発課と名前を変えて、当時の想いを受け継いで活動しています。