シナジー座談会Synergy Symposium

つねに「人が中心」の発想。
MISAWAのDNAを活かし、
シナジーで社会課題を解決する。

ミサワホームは今、戸建住宅事業からまちづくり事業へフィールドを拡大しており、幅広い分野の企業とコラボしながら新事業に取り組んでいます。「シナジー座談会」では、その最前線で活躍する4人の社員に、面白さ、やりがいについて語り合ってもらいました。

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佐野 遥香Sano Haruka

2012年度入社
都内で分譲住宅の営業、本社の広報を経て、現在プライムライフテクノロジーズ(以下、PLT)所属。発足間もないPLTの広報戦略立案・実施を中心に、渉外業務等に携わる。
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川口 航Kawaguchi Wataru

2007年度入社
部品開発部で外装材を担当した後、神奈川の支店で設計業務を担当。現在は本社の商品開発部で保育園や医療施設の設計に従事。BRシナジー推進室兼務。
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八木 邦果Yagi Kunika

2007年度入社
商品企画部、販売企画部で木質住宅の商品開発を担当。新潟の支店で設計業務を担当後、ミサワホーム総合研究所に異動。地方自治体向けの提案等を担当。PLT兼務。
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永瀬 貴士Nagase Takashi

2000年度入社
都内で戸建住宅の営業・管理職、本社の営業企画・経営企画などを経て、トヨタ自動車に出向。BRまちづくり準備室に配属。実証都市プロジェクト「コネクティッドシティ」において行政・許認可対応などの建築全般を担当。

Theme 1入社理由自分が住みたいと思える家を売りたい

まずはミサワホームに入社した理由、きっかけを教えてください。

大学時代から住宅に興味があって、就職活動では「自分が住みたいと思える家を売っている会社がいい」と思い、ミサワホームを選びました。特にデザインが良かったし、生活提案のある設計にも惹かれました。入社後は、先輩たちの住まいづくりへのこだわりがすごいと実感しました。

私も住宅メーカー志望でした。展示場をいくつも見学してみて「ミサワホームの家は、楽しそうな家族の暮らしが想像できるな」と思いました。その印象は入社後も変わらないですね。

自分は、小さい頃からプラモデルとか工作が好きで、大学時代は大きなまちというより個の集合体、家づくりに興味があったんです。町並みを良くするにはどうしたらいいか。ひとつひとつを良くするのも大事だけど、住宅をたくさん供給しているメーカーに行こうと決めてミサワホームを選びました。実際、入社してみると、まさに技術者集団、こだわりの強い人の集まりという印象でした。

私は大学で都市計画などを勉強していたとき、「日本人の生活の質を上げるためには、もっといい空間を提供していかなくちゃいけないな」と感じて、採用面接でもそんなお話をさせてもらいました。
入社後の配属は商品企画部です。商品開発の手前のところで「今、生活者はどういう状況にあるのか」、「空間へのニーズはどういうものか」といったマーケティング的な視点で考える部署でいろんな経験を積むことができました。
ミサワホームは自由な雰囲気で、いい意味でゆるい部分もある。個性的なメンバーが多くて、その多様性をお互いが尊重していると感じます。まあ、自分のことを個性的と思うことはないですけど(笑)

確かに、自分では思わないよね(笑)

Theme 2他社とのコラボ互いの強みを掛け合わせ、シナジーを生む

永瀬さんはトヨタに出向して、社風や働き方の違いなど感じましたか?

明らかに感じますね。トヨタは世界有数の企業で、とびきり優秀な人も多く、仕事のスピードが速い。「カイゼン」や「ジャスト・イン・タイム」など継承されるDNAがあり、生産性を高めるべくPDCAをすばやく回していく点など、学ぶことは多いですね。一方、ミサワホームの特徴は?と考えると、過去に例のない問題に直面しても怖気づかないというか、「今までにないものは自分たちでつくるしかない」という風に、いつも前向きで、走りながら考えるタイプの人間が多いと感じますね。

私はPLT設立の準備段階で、会社の経営理念を考えるワーキンググループに参画して、貴重な経験をさせてもらいました。各社から20代後半〜30代の社員が計8名集まり、「どういう会社を目指すのか?」を討論しながらミッションやビジョンをつくり上げたんですね。畑の違う8人でしたが、ひとつの目標に向かうと、むしろ同じ会社の人以上にディスカッションが盛り上がって、成果物が出来上がったときは大きな達成感がありました。「あ、この人たちとは仲良くなれる。いいグループになれる」と実感した瞬間ですね。

川口さんはBRシナジー推進室兼務ですが、これはどういう目的をもった部署ですか?

まず背景として、住宅需要が減少するなかで、当社は市場を大きく捉えて事業機会を拡大していかなくちゃいけない、と。その中でBRシナジー推進室は、いろんな分野の企業と知恵を交換しながら自分たちの幅を広げて、商品開発や営業力強化につなげていこうというのが狙いと理解しています。

川口さんが取り組んだのは、どのようなことですか?

BRシナジー推進室では、昨年、4つのプロジェクトが動いていました。そのうちのふたつは他社と連携することで新しい技術を開発して住宅の設計に取り込んでいこうというもの。もうひとつは、永瀬さんが参加しているトヨタ自動車との連携。クルマづくりを超えた、新たなまちづくりの実証プロジェクトですね。
4つ目が、自分が参加したプロジェクトで、目的は「新しいまちづくりに向けて、ミサワホームとしてどういう貢献ができるか」という企画をつくること。そのワーキングの成果を提案書にまとめてPLTにプレゼンテーションしに行く、というのが私の役割でした。

そのプロジェクトを手がけたことで、新たな気付きや手応えはありましたか?

ある意味「脳トレ」みたいな感じでしたね。いろんな要素を組み合わせてカタチにしていくような作業がとても面白かった。日常の業務に追われているとそんな余裕はないですが、プロジェクトになると、みんな力を出し合って、しっかりとした提案をつくることができたんです。それに対して「さすがミサワさん、ちょっと違うね!」という反響もいただくことができました。その成果がこれからのまちづくりにどのくらい反映されるかは未知数ですが、手応えは感じました。

Theme 3取り組み単なるまちづくりじゃない。社会課題の解決を目指す

永瀬さんは、まちづくり事業に関わることになったとき、どう感じましたか?

自分は、今までの仕事のなかで「まちづくり」には関わってこなかったし、たまたまこの仕事に就いたので、正直、初めは興味が湧かなかったですね。

えーっ、そうなんだ!?

そもそも自分は「住宅」が好きでミサワホームに入ったので、「まちづくり」と言われても、「家がたくさん集まったのがまちでしょ?」とか「便利で、きれいなまちをつくればいいんじゃないの?」くらいの感覚だったんですよね。ところが、いざフタを開けてみると、想像を超えて尖ったプロジェクトだった。富士の裾野の広大なエリアをまちに見立てて、自動運転や水素インフラなど、トヨタの先進的な研究テーマを詰め込んで実証実験をしている。単なるまちづくりじゃなく、社会課題を解決していこうというのが大きなビジョンだとわかった。

そこで、やる気スイッチが入った、と?

そう、例えば「なぜ、東京一極集中なのか?」といった問題でも、もっと都市機能を日本に分散できればいろんなことが解決するだろうし、通勤ラッシュで疲弊しなくて済むし… 簡単に言うと地域活性とか地方創生ですね。「このプロジェクトで日本全体が良くなるんだ!」っていうことに気づいたら、俄然、やる気が湧いてきた(笑) 社会課題を解決して、たくさんの人生を豊かにする仕事に携わることができる。それって自分の入社理由ともリンクするし、ワクワクしますよね。

八木さんは、他社と関わることでシナジーを感じましたか?

私は、現在所属しているミサワホーム総合研究所で行う研究で、さまざまな大学や行政の方々と協働しています。総研では、現在の住まいに役立つ技術はもちろんですが、未来の住まいに価値を創造するための研究を行っています。そのなかで、ミサワホームグループ内だけで研究を行うのではなく、全国の大学の研究室の先生、学生の皆さんや、業界を問わずさまざまな企業との研究を通して、ひとつの企業だけでは生まれない考え方や価値観を共有できるので、常に新しい発見ばかりです。
また川口さんもお話されていた、まちづくりのワーキングでは、総合商社の豊田通商さんと協働しました。やっぱり商社って違いますよね。スピード感、フットワークの軽さ、突破力、結果が求められること。住宅メーカーとは環境も常識も違うので、すごく刺激を受けました。

どういう企画提案をされましたか?

お題が「新たなまちづくりの企画提案」といった漠然としたものだったので、ターゲットの設定からチームで話し合いました。「今、空き家が増加しているなか、住宅供給サイドにはどんな責務があり、どんな取り組みが必要か?」と考えて、行き着いたのが「持続可能なまち」「住み替えしやすいまち」というコンセプトでした。単に快適さや便利さを追求するのではなく、生活する人がどういうところで満たされるのか、という点には相当こだわりを込めました。

その発想は正しいと思う。新しいものをつくるとき、ともすると「もっと便利、もっと快適」を追いかけがちになるけど、そうじゃなくて、最終的に「幸せって何?」というようなところに行き着かないとダメだよね。技術偏重のアタマだと、なかなかその発想ができないんじゃないかな。

そうですね。だからPLTにも、住まい方を考える企業が呼ばれたのだろうし、ミサワホームに期待されているものは大きいと思う。「人が中心」という考え方を認めてくださって、「そこはミサワさんにお願いします」と仕事を振られることが多いですね。頼ってもらえるのはありがたいので、うちはうちの強みを素直に出せばいいと思っています。

ミサワホームは戸建住宅から始まった会社だから、まちづくり事業でも、人の住まい方や暮らし方から考えるところがあると思う。その点、川口さんはどう? さまざまな施設の設計をするとき、意識的なのか、それとも無意識なのか?

そこはちゃんと意識するんですよね。床・壁・天井・屋根があれば、とりあえず「家」はできるけど、家の設計って、人が使うことを考えて、すべてのバランスを取らなきゃいけない。けっこう複雑だし難しいことなんですが、ミサワホームで仕事していると肌感覚で身についてくるんですよね。それは住宅以外の施設の設計についても言えることで、保育園でも商業施設でも用途が違うだけで、使う人を中心にして設計するのは同じ。そのノウハウを持っているのが当社の強みだと思う。

Theme 4挑戦したいこと「人が中心」のDNAで、新価値の創造を!

皆さんそれぞれに、これから挑戦したいと思っていることはありますか?

PLTは設立されたばかりで、世の中の人はまだ「何をする会社なんだろう?」という感じだと思います。なので、私たち広報担当としては社内外のコミュニケーションを活発にして共通理解をつくっていきたいですね。設立準備のときのワーキングでディスカッションしながら「いいチームになった」と実感できたように、各社の社員がひとつの目標に向かって頑張れるよう、チームワークを最大化させるためにも、広報活動が重要になると思います。そうした施策を、これからどう仕掛けていくか? ミサワホームでの業務経験を活かして貢献していきたいと考えています。

そういう意味で、今、すごくいいタイミングだと思う。いくつもの企業が集まって、「同じ夢に向かって、まちづくりや新しい事業をスタートしましょう」というのは、社員としてなかなか経験できることじゃない。自分は「日本のまちをもっと良くしたい」と思って入社したので、その思いをぶらさずに貫くために、ミサワホームだけでは成し得なかったものも含めて、新しい価値をつくっていけたらすごく面白いと思います。

私は、個人的には「大学での研究が、今後の仕事にも活かせる!」と思ってワクワクしています。大学時代は、都市の歴史をひも解いていくような都市形成史がテーマで、正直、会社に入ったらあまり関係ないだろうなと思いこんでいたんです。でも、2年前に総研に戻ってきたら、それがズバリはまってびっくり。まさに今の仕事は「地方の都市や自治体を元気にするにはどうしたらいいだろう?」というのを考えることで、そのために大学の研究室の先輩にお話を聞きに行ったりして、大学との関わりも深まっている。「ミサワの仕事ってこんなに幅が広いんだ!」、「自分がやりたいことができるんだ!」という再発見がありました。これからも自分の研究テーマをどんどん掘り下げていきたいですね。

会社としての挑戦については、どうお考えですか?

川口さんも言う通り、新たな成長のチャンスだと思います。この機会をしっかりと活かすためにも、総研に蓄積されたノウハウや技術開発力をもっと発揮して貢献していく必要があるし、今回のPLT設立など、シナジーを発揮する新たな流れを活かしていきたいですよね。自分自身も、このチャンスを捉えて頑張りたいと思っています。

総研のような研究施設を持っている住宅メーカーって、他にないですよね。

そう。知財力はかなりのもの。だからPLTでも重宝されるというか、頼られる存在だと思います。

自分は、トヨタという環境を活かして、新しいことにどんどんチャレンジしていきたい。また、ここで得た学びを糧にして、ミサワホームという母体にもいろんな形でフィードバックしていきたいですね。ただ、その際に忘れてはいけないのは「住む人にとって何がいいことなのか?」という発想。例えば、最先端テクノロジーのまちづくりで、もっと便利になる、もっと快適になるみたいなことは大事だけど、気をつけないと、さっきも触れたように、どんどんそういう方向に行ってしまうかもしれない。自分のようなミサワホーム出身の人間としては、そういう実験の場においても、人の暮らしを考える立場を貫いて、自分の考えを言い続けていく必要があるし、それが同じチームの仲間としての役割だと思っています。

Theme 5メッセージ多様な個性の人と、刺激しあって成長したい

最後に、「こんな人と一緒に働きたい」という観点で、学生の皆さんにメッセージを!

「一緒に働くならこんな人」というのは色々あって迷いますが、ひとつ言えるのは、変化に対応できるとか、チャレンジ精神があるとか、会社を変えていくとか、そういう高い目線も大事だけど、今、ミサワホームで頑張っている人に共通するのは「人の暮らしを良くしたい」という意識を持っていることじゃないかな。実際、お客様の前に出ると、お客様以上に一生懸命になるし、「住まいを通じて生涯のお付き合い」ということを本当に真剣に考えている。逆にいえば、それくらいじゃないと長く続かないと思う。

私は、不器用でいいと思う。何でもいいから「こういうことがやりたい」という強い思いを持っていることが大事。そういう人は、特に総研に来たら生きるんじゃないかな。いま熱中していることが、一見暮らしと関係ないと思えても、技術革新などで「暮らし」に関わる領域は広がっているので、いずれはミサワホームの事業につながる可能性があると思います。とにかく、いろんな個性の人がいるほうが、仕事も楽しくできますよね。

私は、「人が喜ぶことを素直に喜べる人」が仕事でも活躍できると思う。それから「全体を俯瞰して見ることができる人」。
今あるものを受け入れるだけじゃなく、もっとこうなったら面白いんじゃないかと、いつも問題意識を持って可能性を探すような…そういう人はアクティブで、まわりを巻き込んでいくことができる。そういうタイプの人がいいですね。

魅力的だなと思う人は、ちょっと先を意識して物事を考えられる人かな。例えば、人間関係でいうと、「これを言ったら相手はどう思うかな」というような心配りができて、ものごとをスムーズに運んでいける人とか…。「日本の未来を良くしたい」とか「お客様に喜んでほしい」とか、目標は人それぞれあっていいけれど、その目標に対して、ちょっと先を考えて行動できることが理想ですね。そういう人がそばにいると自然に乗せられてしまうこともあるし、仕事は一人ではできないので、そういう人と刺激し合いながら成長できるといいなと思います。

本日はありがとうございました。