ミサワオーナーズマガジン 2018 Autumn&Winter
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1970年代後半カップ入り「焼きそば」「和風麺」の新商品が続々と発売1990年代後半健康を意識した即席麺が続々と発売(栄養素配合、減塩、カロリーオフなど)1980年代即席麺の「わかめラーメン」「辛口ラーメン」がブーム1989年(平成元年)カップ麺の生産量が袋麺を抜く(カップめん24億500万食、袋麺22億2500万食)カップ入りの生タイプ即席麺が発売1994年(平成6年)即席麺の年間生産量が初めて50億食を超える2005年(平成17年)世界初の宇宙食ラーメン「スペース・ラム」が野口聡一宇宙飛行士と宇宙へ2013年(平成25年)ノンフライ袋麺の年間生産量が66億300万食に急増2006年(平成18年)国際食品規格委員会(CODEX)総会で即席麺の世界規格が成立2018年(平成30年)インスタントラーメン発明60周年即席麺誕生の地・大阪で第9回世界ラーメンサミット開催1997年(平成9年)東京で第1回世界ラーメンサミット開催世界ラーメン協会(現WINA)設立M-17カップヌードルミュージアム 大阪池田(大阪府池田市)に再現された、安藤の研究小屋。 1966年、安藤はアメリカのスーパーマーケットで、チキンラーメンを小さく割り、紙コップに入れてお湯をかけ、フォークで食べるのを見て衝撃を受けました。「おいしさに国境はないが、食習慣には違いがある。その〝違い〞を超えれば、即席麺は世界に広がる」と考え、帰国後、カップ入り即席麺を研究します。 開発の鍵は、保存容器、調理器具、食器という3役を担うカップでした。また、カップ入り用の麺の揚げ方、保存性を高める二重構造のふたなど、新たなアイデアを次々と形にしていきました。なかでも画期的な独自技術が、麺を宙づり状態で固定させる「中間保持構造」です。しかし、中間保持構造の大量生産は難しく、安藤は悩み抜いた末、逆転の発想で「麺を固定してカップを上からかぶせる」という製造方法を開発。こうして1971年、ついにカップ入り即席麺「カップヌードル」が完成したのです。 1990年代からは即席麺の世界進出が加速し、「世界食」「国際食」として認知され、世界総需要が上昇。2017年度は年間1000億食が消費されました。いまや世界中の店頭に並ぶ即席麺には、その一つひとつに、60年間積み重ねられた知恵や新たな発想、人の健康と笑顔を願う心が詰まっているのです。日清食品創業者・安藤百福安藤は、日清食品と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の共同で、宇宙食ラーメン「スペース・ラム」を開発した。米航空宇宙局(NASA)の厳しい安全・品質基準に合格し、2005年、野口聡一宇宙飛行士とともに宇宙へ。無重力空間で食べられるこのラーメンには、安藤が開発した瞬間油熱乾燥法が活かされていた。宇宙の食にチャレンジ麺上下に空間のある宙づり状態で、カップに密着して収められた麺塊。この中間保持構造により、麺や具材の保護、麺の湯戻りの早さ、きれいな出来上がりなどが実現している。多くの知恵が詰まったカップヌードル具材新鮮なエビや豚肉などをフリーズドライ製法で乾燥。色、味、食感、形、栄養素が保たれるため、保存料や着色料などは不使用。容器オリジナル「ECOカップ」。保温性や断熱性が高く、湯が冷めにくい上に手で持っても熱くない。【監修】日清食品ホールディングス株式会社異なる食文化が生んだカップ麺

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