ミサワオーナーズマガジン 2019 Spring&Summer
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M-08 定年退職した初老の男は妻にも子どもにも相手にされず、一人寂しく本を片手に詰将棋を指す日々。そんな男のもとへ、将棋好きで健忘症の幽霊が現れます。あの世の病院で、医者に幽霊性認知症と診断され、好きなことに打ち込むのがボケ防止になると言われたそう。すぐに打ち解けた男と幽霊は毎晩一局交えていましたが、男と将棋を楽しむうちに健忘症が劇的に快復した幽霊は、生前プロ棋士だったことを思い出します。「強いわけだ」と男から金銀飛車角落ちでの勝負を持ちかけられ……。ある日、とっくに成仏していたことを思い出した幽霊は男に別れを告げます。「じゃあ、お墓参りに行くから、お墓の前で将棋をやろう。お供えは何がいい?」。すると幽霊、「わかってるでしょ、一番ほしいのは金銀飛車角」。「幽霊将棋」噺落語の登場人物はみんな自分勝手で無責任。好きなものには目がなくて、だらしがないったらありゃしない。でもね、弱い者には優しいし、失敗にも寛容で、「しょうがねえな」で済ませちゃう。八っつあんも熊さんも、「人間って元来、弱くてダメなモンなんだから、そんなに無理すんな」とストレス社会に生きる私たちに語りかけている気がします。言ってみれば落語は聴くサプリ。ワハハと笑ってストレス発散。もっと気楽に楽しく生きていこうじゃありませんか。それが生活習慣病を予防する心の持ちようにもつながるんですから。「ワハハと笑って気楽に生きるのが健康の秘訣」高血圧や糖尿病、認知症などについて、立川らく朝さんが面白おかしい落語噺を展開。生活習慣病に悩むあなたにイチオシの“読む”治療薬です。立川らく朝さんこれは私の創作落語ですが、実際は将棋を指したぐらいで認知症が完璧に治るなんて、そりゃ無理な話。でもね、夢中になれる好きな趣味があるのは脳にとてもいいことです。65歳以上を対象に行われた追跡調査によると、趣味がある人は趣味がない人に比べて、認知症にならない確率が2.2倍だったとか。少なくとも予防的効果は十分にあると思います。ドクターらく朝の健康術●応募方法 詳しくは▶M-11p ●応募締切:2019年7月8日(月)「笑いの診察室─らく朝健康噺─」を10名さまにプレゼント!(春陽堂)

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