セカンドライフコラム 第2回

『心』について今日を楽しむ暮らし方提案

熟年生活応援マガジン『はいから』の編集長として、シニア層の読者に向けて情報発信をしているほか、読者向けに「大人の部活」と題したサークル活動も運営している青野さんに、将来に備えるための支えとなる、「心」の満たし方についてお伺いしました。

活動の中で出会う、元気にセカンドライフを楽しんでいる方たちには、「学び」「仲間」「健康」といった共通点があるそうです。

プロフィール

青野秀俊さん

熟年生活応援マガジン『はいから』編集長、
シニア専門のビジネスを展開する会社アーデント・ウィッシュ社長

学びながら、仲間と楽しく歩く

「大人の部活」では、歴史的名所を巡るツアーや、低山登山などを企画していますが、学習意欲が高い方が非常に多いです。たとえば、2021年のNHK大河ドラマのテーマだった、渋沢栄一ゆかりの場所を巡るイベントには、たくさんの人が参加しました。東京都内で、江戸城三十六見附(江戸時代の主な見張り場所)を回るツアーも人気です。

ほかにも、低山登山や野山の散策では、スマートフォンのアプリを使って野草を学びながら歩いている人もいます。知的好奇心を満たす趣味はおすすめです。

仲間づくりもポイントです。「仲間」というと、気の合う親密な友達をイメージする人が多いかもしれませんが、ここで言う仲間はちょっと違い、「顔なじみ」といったくらいの、もっと気楽な関係です。イベントでは、ちょっと話せる相手がいるとずいぶん楽しくなりますし、共通の関心を持った仲間とのやりとりは刺激になります。気軽に参加して、気軽に話をしながら楽しむ。そういった、あまりべたべたしない関係の仲間を作って、楽しまれています。

「自分で歩ける状態で長生きしたい」と考えて、健康維持に気を付けている人は非常に多く、60代から90代まで、世代にかかわらずウォーキングを日課にしている人はたくさんいます。しかし、目的なく、一人でウォーキングを続けるのは難しい。学びながら、楽しく仲間と歩くといった活動は長続きしますし、健康の維持にもつながります。

インターネットで
ボランティアやイベントを見つける

ボランティアをしている人も多いようです。保育園や小中学校などでは、校庭の植物の世話や、簡単なメンテナンスなどを地域のボランティアが担っていることがあり、そうした活動に参加するのもよいでしょう。また、高齢者施設では、楽器や手工芸など自分が得意としていることを教えたり、披露したり、囲碁や将棋、麻雀の相手になるなどのボランティアができます。「誰かの役に立っている」という意識は生活の張りになりますし、モチベーションにもなります。

最近は、インターネットで検索すると、さまざまなシニア向けイベントやボランティアを見つけることができるので、活用してみるとよいと思います。

家でも外でも日々を楽しむ

生き生きとアクティブな生活を楽しんでいるシニアは、外での楽しみだけでなく、家でも趣味を楽しんでいることが多いようです。家で好きなだけのんびり過ごせるのも、セカンドライフの醍醐味。住まいは、楽しく充実した生活を送るための土台であり「基地」です。リフォームや住み替えの際には、ぜひ、趣味を楽しむためのスペースについても考えてほしいと思います。料理が好きで、キッチンに凝る方もいます。また、ゆっくり読書や学びに没頭できる書斎、手工芸やDIYなどの専用スペース、ギターなどの楽器演奏や音楽鑑賞を楽しむ防音設備のある部屋などがあれば、生活の充実度が大きく変わります。

年を取れば、誰もが、将来に対する不安な気持ちと、楽しくセカンドライフを謳歌したいという気持ちの、2つを抱えるようになります。不安に飲み込まれないためにも、趣味やボランティアなどで社会と関わりを持ち、家と外の両方で日々を楽しみながら過ごしていただきたいと思います。