セカンドライフコラム 第6回

終の棲家の選択 住み続けるか、住み替えるか

7割以上の高齢者が、自宅を「終の棲家」にと考えている一方で、現実には自宅で最期を迎えた人はわずか1割程度。約8割が病院で最期を迎えています。こうしたギャップを解消し、イメージ通りのセカンドライフを送るためにはどうしたらいいのでしょうか。ミサワホームの介護事業を担う、㈱マザアスの吉田肇さんにお伺いしました。

プロフィール

吉田肇さん

㈱マザアス代表取締役・社長。ミサワホーム入社後、介護事業に従事。グループ会社マザアス設立後、介護施設の運営、コンサルティング事業などを手掛ける。高齢者住宅経営者連絡協議会副会長、公益社団法人全国有料老人ホーム協会理事、一般社団法人高齢者住宅協会住生活部会長、一般社団法人住宅生産団体連合会成熟社会居住委員会WG座長。医療法人なごみ会理事。

セカンドライフの住まい 選択肢は2つ

豊かなセカンドライフを送る方々の多くは、早めに備えを始め、数ある選択肢の中から自分たちの想いや状況にマッチした住まいを選んでいます。

セカンドライフの暮らし方の選択肢は、大きく分けて2つあります。1つは、現在住んでいる家にそのまま住み続けること。しかしその場合も、経年劣化への対応や、省エネ、断熱、耐震、バリアフリーなど、セカンドライフの暮らしを見据えたリフォームや建替えが必要になります。

2つ目の選択肢は、住み替えです。この場合も、現在の住まいを処分して、

  1. ① セカンドライフの暮らしに合った駅近のマンションやシニア向け分譲マンションなどを購入する
  2. ② 一般の賃貸住宅やシニア向け賃貸住宅を賃貸する。
  3. ③ 有料老人ホームを利用する

などの選択肢が考えられます。いずれも、早めに、まだ元気なうちに準備をする必要があります。

最近は、親世代の介護を経験した世代が、自分たちのセカンドライフに備えるケースが増えてきたためか、成り行き任せにして「介護が必要になったら考えよう」と後回しにする人が、少しずつ減っている印象です。本当に動けなくなる前に、どうするか決めておこうという人が増えています。

「決めておいたからよろしくね」が理想

ただ、セカンドライフの住まいについて考え始めたのはいいけれど、なかなか決めきれないという方が大半です。その原因は、「子どもに迷惑をかけたくない」「子どもたちのためにも、お金を残しておきたい」といった「家族」や「お金」に関するものがほとんどです。

ただ、決めきれないからと後回しにしてしまうと、家族に余計に迷惑をかける結果となってしまいます。「迷惑はかけるけど、準備しておくから」「決めておいたからよろしくね」という状態にしておくことが、子ども世代にとって一番負担が軽く、かつ、自分たちの思い描く理想に近いセカンドライフに近づけることができます。

住まいの選択肢について相談を

セカンドライフの暮らし方については、「住み続けること」「住み替えること」と大きく2つがあり、それぞれについてもまたいくつかの選択肢があることをご紹介しました。どの選択肢が最適かは、状況やその方の想いによって異なりますが、ワンストップで相談できる窓口は、まだそれほど多くはありません。

ミサワホームでは、企業理念である「住まいを通じて生涯のおつきあい」を具現化するために、28年にわたり介護事業に直営で取り組んでいます。人生の終盤を理解しているからこそ、セカンドライフの暮らし方についてご提案ができると自負しています。

「住まい」と「介護」を通じて、オーナーさまの「生涯」に寄り添ってきた経験から、高齢者の生活にかかわるあらゆる相談に乗る“民間版の地域包括支援センター”ともいえる「住まいと介護の総合相談センター」を開設しています。ここでは、介護や終活の専門資格を持つスタッフが、「住み続ける」「住み替える」両方のご相談に乗っています。

※ミサワホームのオーナーさまは「住まいるりんぐDesk」からご相談ください。介護にまつわるご相談は「住まいと介護の総合相談センター」へおつなぎいたします。

セカンドライフへの備えでは、さまざまな情報を集めたり調べたりしながら、さまざまな選択をしていく必要があります。私たちは、住まいや介護のプロとして、そのお手伝いをさせていただきます。そして、一人でも多くのオーナーさまに、想い描く理想のセカンドライフを実現してほしいと願っています。

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