中古マンションのリフォームには、内装と設備を全て取り除き全改築するスケルトンリフォームという方法があります。間取り全体を変更できる大変メリットの多い方法ですが、マンションの建築工法によっては、スケルトン状態にできない場合もあります。マンションの構造には、柱と梁で支えるラーメン構造と、壁と床で支える壁式構造があります。ラーメン構造は比較的自由に間取り変更ができますが、壁式構造は住居内部に一部撤去できない壁が使われていることが多いので、間取り変更の際制限を受けることがあります。
キッチンやトイレなど水廻りの移動は、給排水の配管の経路がポイントになります。ただ、パイプスペースは上下階を貫いていることが多く、位置を動かすことが難しいためリフォームは制約されることになります。大きな移動は難しいものの、どこまで動かせるかによって、壁付けキッチンを対面式キッチンやアイランドキッチンに変更することも可能です。
マンションには、全居住者が相互共有すべきルールが記された管理規約があり、その中で、階下へ音が響きやすいとの理由から、フローリングを禁止していることがあります。遮音フローリングにするなど、遮音性能を満たせば可能な場合があるので、不明な点は不動産会社に調べてもらいましょう。管理規約は専門用語が多く、すべてを読んで理解するのは難しいと思いますが、リフォームプランに影響する内容も記載されているので、大まかな内容はおさえておいたほうがよいでしょう。
マンションには個人の持ち物である専有部分と、所有者全員の持ち物である共用部分があり、リフォームできるのは専有部分だけということを知っておきましょう。専有部分は、玄関ドアの内側から浴室やトイレ、キッチンや居室、ベランダの手前までのスペースです。各戸の外の廊下、階段、エレベーター、ベランダやバルコニー、建物を支えている構造躯体は共用部分となり、リフォームすることができません。
自分の好きなようにリフォームできるのが中古物件のイイところですが、将来、賃貸物件としての利用もお考えなら、自分にとって住みやすいことはもちろん、他の人にとっても住みやすい間取りであることが重要です。また、人気のエリアとまではいかなくても、通勤通学に便利なロケーションであることが望ましいでしょう。
戸建住宅と違い、マンションは一室単位での耐震リフォームは難しいため、耐震性については要確認です。1981年に施工された「新耐震設計法」を目安に考えると、マンションでは1983年以降の物件が基準を満たしていたといわれています。
マンションの場合は、ごみ置場、廊下、階段、エレベーター、ポスト、駐輪場など共有スペースの清掃状況、使われ方をチェックすることで、管理会社の管理状況、近隣住民についてある程度把握することができます。
給湯管の構造上の問題から、浴室を追い炊き式に変更できないこともあります。追い炊き式に変更する場合は配管とセットで工事が必要になるので、変更が可能かどうか確かめましょう。
床暖房、エアコンや家電など、設備機器の進化により電気の使用量は増える傾向にあります。そのため電気の容量のチェックは必須です。特にIHクッキングヒーターや電気式床暖房の設置を検討する際はマンション規約の電気容量の制限を確認しましょう。多くの場合、マンション規約で制限されています。また、容量を変更する場合は、分電盤の取り換えや電力会社との契約を変更する必要があります。
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