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オカンの嫁入り

© 2010『オカンの嫁入り』製作委員会

オカンの嫁入り

あらすじ

25年間、母と娘二人で暮してきた月子(宮浮おい)と陽子(大竹しのぶ)。ある日、酔って帰宅した陽子が連れてきたのは、月子より少し年上の婚約者。母の突然の婚約発表に、納得のいかない月子。しかし、陽子はある秘密を抱えていた―。母娘と周囲の人たちのあたたかな繋がりの中で、月子の成長を描いた作品。陽子の婚約者役を桐谷健太が好演。

『オカンの嫁入り』
監督:呉美保
出演:宮浮おい、大竹しのぶ、桐谷健太ほか

『オカンの嫁入り』
DVD発売中 4,935円(税込)
発売元:角川書店
販売元:東映・東映ビデオ

DVD

いとも楽しき趣味の家

25歳の娘とそのオカン。一組の母娘を軸にしたこの映画が、もしも普通の洋風建築を舞台にしていたら、この味わいは出なかったのではないか。門構えや玄関、家と家の繋がり方…京都の町家のようなこのお家、聞けば、某時代劇のセットを利用したのだという。この発想! 昔ながらの日本家屋を女の子が住む現代風の家にアレンジしたら? そんな楽しい工夫が、家の所々に見られる。和室の襖がポップな花柄だったり、畳の上にラグマットを敷いてアクセントにしていたり…新と古、和と洋が住む人の「好き」で選ばれ、どちらがどちらを抑えることなく、ちょうどいい具合にミックスされている。いろいろな要素が混ざり合っているのに、なぜか妙に落ち着く。

『オカンの嫁入り』は、映画自体にもそんな趣がある。一方向に整然と整理されていない面白み。日々の暮らしの中に浮かび上がる出来事や感情を丁寧に掬いとっていったら、こんな形になりましたというような、頭で考えた予定調和ではない、自然なあたたかみがある。手持ちカメラの揺れ動く映像が、宮浮おい演じる主人公・月子の微妙な心の変化を映し出し、彼女の成長が映画の中心をなしている。そして、そんな月子の表情に、「女の子」と「大人の女性」の狭間を行き来する宮浮おい自身の表情が重なる。

過去のシーンは一切ないのに、それまでの人生を滲ませる大竹しのぶの母親像も印象深い。映画が進むにつれ、娘を見守る彼女の微笑みのなんと多くを語ること。お母さんというのは、誰よりも自分のことを見つめてきてくれた人なのだと改めて思わせられる。

ある日突然、オカンが自分より少しだけ年上の男性と結婚すると言ってきたら? 先の展開が読めない、自然な息遣いとデコボコ感が味わい深い作品。

文◎多賀谷浩子(映画ライター)

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