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トイレット

© 2010"トイレット<tィルムパートナーズ

トイレット

あらすじ

『かもめ食堂』の荻上直子監督が手がけた作品。「人生は退屈の繰り返しに耐え忍ぶこと」とひとり単調な生活を守ってきた次男のレイが、母親が亡くなったことから実家に戻ることに。ひきこもりの兄、勝気な妹、"ばーちゃん"、猫の"センセー"…レイの生活がにわかに賑やかになって…。細部にわたる家のインテリア、おいしそうな料理の数々など細かなところまで見所が尽きない。

『トイレット』
監督:荻上直子
出演:もたいまさこ、アレックス・ハウス、デイヴィッド・レンドル、タチアナ・マズラニーほか

『トイレット』
DVD発売中 ¥4,935(税込)
2枚組
発売元:ショウゲート
販売元:ポニーキャニオン

DVD

寡黙であたたかな家

『トイレット』は、ほとんど物言わぬ"ばーちゃん"が、母親を失いバラバラになりかけた三兄妹を見守る、不思議にじーんとくる物語だ。映画全体に透明な空気感がただよっている。誰も何も話さない、余白の時間がとても多いからだろう。

とりたてて説明はないが、三兄妹はアメリカのどこかに住んでいる、という設定のようだ。こぢんまりとした、感じのよい二階建ての家が建ち並ぶ、ごく普通の住宅街にこの兄妹の家がある。木を基調にした家は、物言わぬ"ばーちゃん"とどこか似ていて、押し付けがましいところは何もないが、そこに身を置くだけでほっとするようなあたたかさがある。

三兄妹はアメリカ人で、物語は全編英語だが、"ばーちゃん"を演じるのは、もたいまさこである。はて?と思う人もいるかもしれない。物語の冒頭で、三人の"ママ"が亡くなるのだが、このママが亡くなる直前に、日本から呼び寄せたママのママが、日本人の"ばーちゃん"なのだ。

さて、この"ばーちゃん"、ある大切な場面をのぞいて、終始、無言である。無言のもたいさんがぼーっと鏡に映り、久しぶりに家に戻った次男のレイと洗面所で初対面する場面など、かなりユーモラスだ。飄々としたユーモアも、映画の大切なスパイスになっている。

物語は、人との関わりを極力避けてきたオタクのレイが、実家に戻ってきたことから動きだす。兄妹に煩わされながらも、かけがえのないその対価に気づいていくレイ。そして、兄妹もそれぞれ自分の道を歩みはじめる。無言の"ばーちゃん"が一人ひとりと心を通わせ、三人の背中を押していく場面が、グっときて「クール」だ。

タイトルがなぜ「トイレット」なのか。わかる頃には、じんわりとした感動に包まれているはず。

文◎多賀谷浩子(映画ライター)

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