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マジック・ツリーハウス

メアリー・ポープ・オズボーン/『マジック・ツリーハウス』製作委員会

マジック・ツリーハウス

あらすじ

アメリカの人気作家、メアリー・ポープ・オズボーンの同名児童書シリーズの映画化。日本版はこれまでに30巻が発売されており、映画は4巻分のエピソードを組み合わせて描かれている。太古の恐竜の時代、中世のお城…時空を超えた様々な舞台でスリリングな冒険が繰り広げられる。各国から映画化のオファーが殺到したが、本作が初の映画化。

2011 年/日本
2012 年1月7日(土)より全国公開

『マジック・ツリーハウス』
監督:錦織博
声の出演:北川景子、芦田愛菜、真矢みき ほか

ツリーハウスの魔法

ツリーハウスといえば、誰もが一度は憧れたことがあるのではないだろうか。木の上にある自分たちだけの隠れ家。そんな夢の家を舞台にした映画が公開される。その名も『マジック・ツリーハウス』。

ツリーハウスだけでもワクワクするのに、この映画のそれは「マジック」ツリーハウス。中に入ると壁一面の本棚にたくさんの本が並んでいて、ここへ行きたいと1冊の本を指させば、その時代や場所へ連れて行ってくれる。タイムマシンのようなツリーハウスなのだ。

主人公は、アメリカのとある町に住む小学生の兄妹、ジャックとアニー。たまたま森で、このツリーハウスを見つけたことから、二人は時空を超えた大冒険に旅立つことになる。ある日、ツリーハウスを訪れた二人が出会った1冊の本。その本によると、4つのメダルを揃えれば、奇跡が起こるという。それぞれのメダルは「大きな竜の世界。最強が住む草むらに」「大きな石の家。頭の上の鉄の服に」「ブーツ≠フ帝国。水の通る道のてっぺんに」「財宝の眠る島。片目の男の箱の中に」隠されている。この謎解きが示すのは、一体どの国、どの時代なのか。そこが舞台の本を探し出し、二人は指さす。「ここへ行きたい」と。

本の世界を自由に旅することも、自分の行きたい場所へ想像のままに飛ぶこともできる子どもたち。心の中に行きたい場所があっても、大人になるといつの間にか「ここへ行きたい」と指さすことを忘れてしまうのだと気づかされる。

引っ込み思案だったジャックは、スリリングな大冒険を経て、少しだけ大人になる。子どもにとっては成長の場所。大人にとっては忘れていた大切なことを思い出させてくれる場所。ツリーハウスは、そもそも魔法の家なのかもしれない。

文◎多賀谷浩子(映画ライター)

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