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木洩れ日の家で

©パイオニア映画シネマデスク

木洩れ日の家で

あらすじ

主人公・アニェラの人生を余計な説明を一切はさまずに、何気ない日常会話や映像だけで細やかに物語る美しい作品。光をいとおしむようなモノクローム映像で、彼女の日常が大切に浮かび上がる。撮影時、91歳だったポーランドの女優、ダヌタ・シャフラルスカの厳しさと純真さを併せ持った奇跡のような存在感がすばらしい。生きることの美しさが胸に押し寄せてやまない珠玉の1本。

『木洩れ日の家で』
監督:ドロタ・ケンジェジャフスカ
出演:ダヌタ・シャフラルスカ、クシシュトフ・グロビシュほか

『木洩れ日の家で』
DVD 5,040円(税込)
発売・販売元:エプコット

DVD

人生の詰まった家

ワルシャワ郊外にある、戦前に建てられた瀟洒な木造の邸宅。映画『木洩れ日の家で』のヒロイン、91歳のアニェラはこの家でひとり、愛犬と暮らしている。

その年齢からは想像できないほど、アニェラは「女の子」を感じさせる人だ。年齢を重ねた女性の貫録を漂わせながらも、彼女にはいまだ恥じらいがある。家の中でもいつも素敵なワンピースを着ていて、紅茶を入れるティーカップも彼女が気に入って長年使いこんできたものであることが伝わってくる。今はもうこの世にいない夫と出会った頃に着ていたワンピースや、一人息子が幼い頃に使っていた遊び道具など、思い出の品が大切に保管されていて、いとおしい思い出の一つひとつに満たされながら、アニェラは人生の豊穣期を過ごしている。

戦前に両親が建てた邸宅に、生まれ育ったアニェラ。これまでの人生をずっとそこで生きてきた彼女にとって、この家は彼女の人生そのもの。近隣の住民から譲ってほしいという話も持ち上がるが、彼女は頑として譲らない。けれど、そんなアニェラの前に予想外の出来事が立ちはだかる。この家をどうするのか―最終的に彼女が自分の意志で下した決断は、彼女にとって人生をどう締めくくるのかと同義の大切なもの。その美しい決断に心が震える。

庭の木漏れ日や、季節の到来とともに訪れる嵐。慣れ親しんだ庭に出て、自然の息吹を少女のようにいきいきと享受するアニェラの感性。この映画の監督は、人生を信じているのだと思う。世界の美しさが、みずみずしいモノクロームの映像に詩的に満ち溢れ、胸がいっぱいになる。

いつも窓の外を見ていたアニェラ。ラストシーンは、監督からアニェラへの贈り物なのだろう。今でも思い出すと、胸が震える。

文◎多賀谷浩子(映画ライター)

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