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幸せパズル

幸せパズル

あらすじ

料理風景を美しく映したキッチン・シーンから始まるこの作品は、専業主婦として生きてきたひとりの女性の物語。1972年生まれのナタリア・スミルノフが監督・脚本を手がけ、女性監督ならではの細やかな描写で、主人公・マリアの言葉にはしない心の軌跡をやわらかに描き出す。表情や仕草で物語るマリア役のマリア・オネットの成熟した存在感もすばらしい。

『幸せパズル』
監督:ナタリア・スミルノフ
出演:マリア・オネット、アルトゥーロ・ゴッツ、ガブリエル・ゴイティほか

『幸せパズル』
提供:ツイン
販売元:アルバトロス 3,990円(税込)

DVD

新たな自分と出会う家

主婦の気持ちというのは共通語なんだなと、この映画を見ていて思う。舞台はアルゼンチン。けれど、主人公の主婦・マリアの日常風景は私たちにもなじみのあるもの。彼女には夫と二人の息子がいて、1日は家族のために過ぎていく。彼女自身もとりたてて、それに疑問を感じていない様子。

ところが、そんな彼女に自分のための時間ができる。夫も息子も知らない、秘かな楽しみ。それは誕生日に、たまたま友人がプレゼントしてくれたジグソーパズル。みんなが寝静まった後、ひとり箱を開け、数々のピースに触れながら、その魅力のトリコになっていくマリア。そのときめきをやわらかな表情や仕草に映して無口に物語る映像が、ほのかに官能的で上品で、とても素敵だ。

そんなパズルへのときめきは、やがて予想もしなかった恋のときめきへとつながっていく。本格的にパズルに魅せられた彼女は、パズル店で見かけた世界選手権のパートナー募集に応募。相手は、優雅な邸宅にひとり暮らす紳士だった。広々とした邸宅に入り、軽い眩暈と陶酔をおぼえるマリア。家の外でのおそらく初めての冒険に戸惑いながらも、彼女はその紳士・ロベルトに才能を見い出され、大会に挑戦することになる─。

大人になって、人生が決まってしまったように思える年齢で出会った、夢中になれるものと久しぶりの恋。家族のためだけに生きてきたマリアの遅咲きの自立を映画はあたたかに見守る。マリアの家の日常感の一方で、ロベルトの邸宅の優雅な非日常感が、夫の傘の下で長年生きてきた彼女の大冒険を物語っている。

さて、大人の恋の結末は─。この映画、なかなか気の利いたラストで幕を閉じる。心の奥にあたたかでやさしい何かを灯して─。

文◎多賀谷浩子(映画ライター)

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