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小さいおうち

© 2014「小さいおうち」製作委員会

小さいおうち

あらすじ

2010年に直木賞を受賞した中島京子の同名小説を山田洋次監督が映画化。昭和初期、東京郊外に建てられた赤い屋根の小さいおうち。まだ若い女中のタキ(黒木華)が知ってしまった、その家の奥さま・時子(松たか子)の秘めた恋――。晩年を迎えたタキ(倍賞千恵子)が当時を振り返る形で、華やいだ時代の出来事が徐々にひも解かれてゆく。

『小さいおうち』
監督:山田洋次
出演:松たか子、倍賞千恵子、黒木華ほか

『小さいおうち』
1月25日(土)全国公開

小さいおうち

昭和モダンの家

晩年を迎えたタキが心に留め、愛した時代が描かれているからだろうか。この物語の東京や女性たちの様子が、何ともいとおしく素敵に映る。雪深い東北から上京してきた10代の彼女が見た、昭和初期のモダンな東京。まだ若いタキは、そこで平井家の女中として暮らすことになる。

その家の奥さまが、松たか子演じる時子。東京育ちのお嬢さまらしい上品な奔放さがかわいく、女中であるタキにもわけへだてのない態度で無邪気に接する。そんな彼女の心の美しさが、この映画の中心をあたたかく照らしている。

おしゃれな彼女が毎日着替えるモダンな着物と帯の合わせを見ているのも楽しい。ハイカラなティーカップ&ソーサーで紅茶を楽しむ仕草など、この時代の女性特有の物言いや物腰が優雅で、洋風文化が日本独自に花開いた昭和初期の香りにうっとりしてしまう。

そんな時代の粋が凝縮されているのが、タイトルにもなっている小さいおうち。昭和10年に建てられた白い玄関ポーチが印象的な赤い屋根のモダンな一軒家に平井家の人々は暮らしている。洋風の玄関ホールや応接間、所々のステンドグラス、茶系の小花柄の壁紙に、おしゃれな丸窓……従来の和風建築をベースに、洋風の香りを身の丈で取り入れたこの家が、当時の華やぎを伝えてくれる。

 

物語はやがて時子の秘めた恋の話に触れていくのだが、それと同時に聞こえてくるのが太平洋戦争へ向かう時代の足音。モダンな東京を覆いゆく影に、心が痛む。

 

タキが生涯、大切に胸にしまってきた想い出は、観客の胸にもいとおしく大切な感触を残す。小さいおうちが象徴する、この時代を生きた普通の人々の豊かさが、彼女が心に秘めてきた、ある切ない恋の話とともに、そっと心に灯る。

文◎多賀谷浩子(映画ライター)

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