2009 年に始まった、一人の偉人の筆跡で一年を構成するシリーズで、2015年初めて作曲家が登場します。生誕約260年のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの筆跡をオーストリア、ドイツ、イギリス各国から入手。生家のあるオーストリアのザルツブルクを訪ね、国際モーツァルテウム財団の全面的な協力のもとに手紙、楽譜などを多数収集することができました。天才作曲家は絵を描いたのか、描いたとすればどんな絵なのか、という興味もありますが、モーツァルトの絵画は音符そのもの、音楽記号一つ一つが絵であり、デザインであることが筆跡から伝わってきます。5歳から作曲を始め、その頃は自分で譜面を書くことができないため、父レオポルトが楽譜帳に代筆してあげていました。今回、8歳のとき自ら書いた楽譜が特別に財団から提供され、世間で見ることのない貴重な自筆譜を取り入れることができました。取材を通じて父や姉との交流、家族愛、ジョーク溢れる新たな人物像が浮かび上がり、これまでとひと味違う編集・構成になっています。f 分の1のゆらぎが内在し、人間だけでなく動植物にも癒しの効果があると言われるモーツァルトの音楽。本カレンダーはモーツァルトを知る人にとっては、あらためて深く愛着が湧き、知らない人にとっては、人となりや音楽に触れるよい機会となるでしょう。
1月 | 未完成の宗教曲 自筆譜Kyrie eleison(主よ、憐れみたまえ)KV166g(Anh.19 ) | 譜面の右上に誰かの顔が描かれている。 |
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2月 | Le Nozze di FIGARO オペラ 「フィガロの結婚」KV579 | アリア『 私の胸は喜びに高鳴る』自筆譜と初演パンフレット。 |
3月 | 『ぼくの演奏会の全会員名簿です』 | シャルル・ダウエルス公爵と夫人始め174名。1784年3月20日付ウィーンのモーツァルトからザルツブルクの父宛手紙 当時のウィーン上流階級の名前がほとんど網羅されている。 |
4月 | 『数字の書かれた譜面』 | KV383i(467a)の譜面上で何やら計算をしている。 |
5月 | 従妹マリーア・アンナ・テークラ(愛称ベースレ)宛手紙 | 1780年5月10日付ベースレと思われる女性像が描かれている。 |
6月 | 8歳で自ら書いた楽譜(1764年) | 「クラヴィーアのためのアレグロ」KV5a(9a) 姉ナンネルの楽譜帳に書かれた。 |
7月 | 『姉ナンネルの日記帳』 | ザルツブルク時代の日々を姉の代わりにモーツァルトが書いた。 |
8月 | 『父レオポルトから妻アンナ宛手紙』 | 1773年8月21日付 左はレオポルトの文字 右は追伸としてモーツァルトが逆に書いた文字。 |
9月 | 『モーツァルトとコンスタンツェの結婚証明書』 | 1782年8月3日。 |
10月 | オペラ「魔笛」 | 序曲自筆譜と1791年9月30日初演パンフレット。 |
11月 | 『飛んで行けいとしの愛児のいたるところにキスを』 | 1772年12月12日付父レオポルトから妻宛手紙 日付も全てレオポルトの筆跡。 |
12月 | 『あなたの手に100000回のキスを贈ります』 | 1777年12月3日付モーツァルトから父宛手紙。 |