2017年は世界で愛され、私たち日本人が大好きな印象派の画家クロード・モネに光をあてて構成しました。パリに生まれましたが、5歳の時にノルマンディの港街ル・アーヴルに移り、青春期を過ごします。学校の先生や街の名士たちを風刺したカリカチュア(戯画)を描くと注文が殺到し、ル・アーヴル中の人気者となりました。18歳のころ画家を目指しパリに出ます。ある画塾でルノワールやシスレーと出会い、生涯の友となりました。24歳で官展のサロンに初入選。しかし、サロン中心の古い美術界に異を唱える仲間と独自に展覧会を開催。モネの《印象、日の出》という題から印象派と名付けられました。かくして、フランス画壇に新しい波をもたらした中心的画家として、また光の画家として不動の地位を築いていきます。人生の半ば、パリから80kmほど離れたジヴェルニーに終の棲家を得、有名なモネの「花の庭」と「水の庭」をつくります。睡蓮の池に太鼓橋をかけ、藤棚を設え、竹を植え、しだれ柳やポプラで池を囲みました。《積みわら》《ルーアン大聖堂》《睡蓮の池》など、同じモチーフの連作を次々発表。モネ独自の世界に人々を惹きつけていきました。睡蓮の池の連作を国に寄贈し、86年の生涯を全うします。パリのオランジュリー美術館には、睡蓮の池の作品だけが飾られている部屋があります。。
表紙 | 印象派の名の由来となった代表作の一つ | 《印象、日の出》(1872年)の一部とサイン |
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1月 | ワインに酔った男 | 17歳の時に描いた風刺画(カリカチュア) |
2月 | サン=ラザール駅構内 | 近代文明の象徴、鉄道の駅構内のデッサン |
3月 | ロダンの挿絵とモネ宛ロダン直筆手紙 | ロダンとの交流を示す手紙とロダンのデッサン |
4月 | 日傘の女 | 「両世界の芸術」の記事用に描いた挿絵 |
5月 | 睡蓮の池と植物注文リストと鴨 | 睡蓮の池の習作と植物一覧と鴨のデッサン |
6月 | 船遊び | 19世紀フランスの代表的娯楽、船遊びのデッサン |
7月 | 草上の昼食 | 1866年サロンに出品するため描いていた大作のデッサン |
8月 | マネが描いたモネとモネのマネ宛手紙 | マネとモネの交流がわかるデッサンと手紙 |
9月 | ロンドン国会議事堂と絵のリスト | 英国国会議事堂デッサンとテムズ川を中心に描いた絵のリスト |
10月 | 印象派の名の由来となった代表作の一つ | 《印象、日の出》(1872年)の一部 |
11月 | 積みわら | 連作で大成功を収めた積みわらのデッサン |
12月 | ルーアンの風景 | セーヌ川から臨むルーアンの風景デッサン |