今、世界から注目の集まる《サグラダ・ファミリア》をはじめ、7つの建築群が世界遺産に登録されているスペイン、カタルーニャ出身の天才建築家アントニ・ガウディの手書き数字、文字、スケッチなどを集めて「2023年カレンダー」に仕立てました。
ガウディの歴史的建築を学ぶ態度は、単に昔の事実を知ることでなく、各時代の建築に対し鋭い批判を行い、欠点を見抜いて、その改良方法を見つけ出すことで、特にドームの研究に力を注ぎました。例えばミケランジェロの設計によるルネッサンス期の代表的なサン・ピエトロ大聖堂のドームは「ドームの表面と裏面とを裏返しにする。その結果内部の音の反響が減り、表面の装飾がスッキリするだろう。構造的には裏返しにすることは簡単であり、装飾的にもその方がより美しい。」と言っています。
そうした研究の成果が、1878年~1882年マタロ労働組合の工場設計に初めてガウディの放物線アーチとして現れ、1885年~1889年のグエル邸で、放物線は見た目にも力学的にも完成され、表現されました。材料の適材適所、シンプルな原理で複雑な造形を生む仕組みを編み出したガウディは、建築におけるサステナビリティという面で、
本人が生きた時代よりはるかに先進的でした。
天才ガウディとの一年をお楽しみください。
表紙 | ガウディの名刺:アントニ・ガウディ 建築家 事務所=バルセロナ カイ通り11番3階 |
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1月 | サグラダ・ファミリアのスケッチ「家は、家族による小さな国である。」 |
2月 | 手書き週刊誌『エル・アルレキン』 |
3月 | 卒業設計「大学講堂」 |
4月 | 日時計の作図 |
5月 | カサ・ビセンスのファサード |
6月 | 植物のドローイング |
7月 | 「桟橋」科目別優秀賞試験課題 |
8月 | 測量と光学に関するメモ |
9月 | コロニア・グエル教会 逆さ吊りシステムのスケッチ |
10月 | パリ万博の陳列ケース |
11月 | ガウディ・ノート「装飾に関する覚書」 |
12月 | グエル館 正面計画案 |