査定・相場

レインズ・マーケット・インフォメーションの使い方|成約価格を自分で調べる手順と見方

自宅のテーブルでパソコンを使い、住宅の成約価格を調べているイメージ

画像はイメージです

「うちの家は、いくらで売れるんだろう」——そう思ったとき、ポータルサイトで似た物件の価格を眺めた経験がある方は多いはずです。ただ、そこに出ているのは売主の希望価格(売り出し価格)であって、実際に売れた価格(成約価格)ではありません。
成約価格を無料で調べられる公的な仕組みが「レインズ・マーケット・インフォメーション」です。本記事では、初めて使う方に向けて、業者専用のレインズとの違い、検索の手順、表示される数字の読み方、データが少ないときの対処までを順番に解説します。相場を調べる方法の全体像は「不動産の売却相場・査定の調べ方|自分で相場を調べる5つの方法」で整理していますので、あわせてご覧ください。

この記事の結論(先に要点)

  • レインズ・マーケット・インフォメーションは、不動産流通機構が公開している成約価格の検索サイト。誰でも無料で使える
  • 見られるのはマンションと戸建住宅の成約事例。土地のみの取引は対象外
  • 価格は百万円単位、面積は5㎡の幅、成約時期は3か月の幅で表示される(個別の取引を特定させないため)
  • 該当が10件未満の条件では結果が表示されない(絞り込み時は一段広い条件の結果が出る)ので、最初は条件を広めにして徐々に絞る
  • 成約価格は「似た物件がいくらで売れたか」の目安。最終的な価格は建物の状態まで見た査定で確かめる

1. 「レインズ」と「レインズ・マーケット・インフォメーション」は別物

最初に、名前が似ていて混同しやすい2つを整理します。

レインズ(REINS)は、国土交通大臣の指定を受けた不動産流通機構が運営する、不動産会社向けの物件情報ネットワークです。不動産会社が売却の依頼を受けた物件を登録し、他の会社と共有するための仕組みで、一般の方は閲覧できません。

一方のレインズ・マーケット・インフォメーション(サイト名は「不動産取引情報提供サイト」)は、このレインズに登録された物件のうち、実際に売買が成立した事例の価格(成約価格)などを一般向けに公開しているサイトです。全国4つの指定流通機構(東日本・中部圏・近畿圏・西日本の各不動産流通機構)が保有する取引情報を、全国指定流通機構連絡協議会がまとめて提供しています。会員登録や利用料は不要です(公式サイト:不動産取引情報提供サイト)。

レインズ(REINS)レインズ・マーケット・インフォメーション
誰が使えるか不動産会社(会員)のみどなたでも無料
見られる情報売り出し中の物件情報、成約情報など成約した物件の価格・所在地域などの取引情報
目的会社間の物件情報の共有一般の方が相場を把握するための情報公開
運営各指定流通機構全国指定流通機構連絡協議会

「レインズを見せてほしい」と頼む必要はありません

業者専用のレインズそのものは閲覧できませんが、相場を知る目的であれば、レインズ・マーケット・インフォメーションで成約事例を確認できます。不動産会社に相談する前に自分で見ておくと、査定額の根拠を聞くときの「ものさし」になります。

2. 何が見られるのか:掲載される情報と表示のルール

同サイトで検索できるのは、マンションと戸建住宅の成約事例です。検索対象となる取引情報は数十万件規模で(2026年9月更新時点のサイト表示では約74万件)、月次で更新されます。メンテナンス時には一時的にサービスが止まることがあります。

大切なのは、個別の取引が特定されないように、数字に「幅」を持たせて表示している点です。サイトの利用案内では、次のような表示方針が示されています。

表示項目表示の仕方読むときの注意
価格百万円単位(十万円単位を四捨五入)3,250万円なら3,300万円のように、百万円単位に丸めて表示される
面積(建物・土地)実際の面積に5㎡の幅を持たせて表示。200㎡超は「200㎡超」正確な面積ではなく範囲として見る
成約時期成約した年月を3か月で区切った範囲で表示「いつ売れたか」は四半期単位で把握する
所在地市区町村・地域単位番地や建物名まではわからない

また、サイトの案内によると、検索条件に該当する取引情報が10件に満たない場合は、原則としてその条件では結果が表示されません。条件を追加して絞り込んだ場合は、件数が10件以上ある一段広い条件の結果が表示される仕組みです(個別の取引を特定させないため)。「条件を細かく指定したのに結果が変わらない」「何も出ない」というときは、このルールに当たっている可能性が高いので、次章の手順で条件を調整してみてください。

3. 使い方:5ステップで成約価格を調べる

実際の検索は、次の5ステップで進めます。パソコンでもスマートフォンでも操作できます。

ステップ1:建物種別と都道府県・地域を選ぶ

トップページで「マンション」か「戸建住宅」を選び、都道府県と地域(市区町村のまとまり)を指定して「検索する」を押します。地域を選ぶと、その地域に含まれる行政区域の情報が表示されるので、自宅のある市区町村が含まれているかを確認しましょう。

ステップ2:検索結果の全体像を見る

該当する成約事例の一覧と、価格帯や面積ごとの分布がグラフで表示されます。まずは全体を眺めて、「この地域の戸建はだいたい何千万円台で成約しているか」という価格帯の感覚をつかみます。

ステップ3:追加条件で自宅に近づける

次に、沿線・駅、駅からの距離、間取り、専有面積(戸建は建物面積・土地面積)、築年数、成約時期といった追加条件で絞り込みます。2章のとおり10件未満の条件は反映されないため、自宅に近い順に1つずつ条件を足していくのがコツです。

ステップ4:似た事例を3〜5件ピックアップする

一覧の中から、築年数・面積・駅距離が自宅に近い事例を3〜5件選びます。価格をそのまま見るのではなく、価格を面積で割った「㎡単価」や「坪単価」に直して比べると、広さの違いに左右されずに比較できます。

ステップ5:自宅の相場レンジをメモする

選んだ事例の単価に自宅の面積をかけ、「およそ◯◯万円〜◯◯万円」というレンジを書き留めておきます。この数字が、次に不動産会社の査定を受けるときの比較基準になります。

レインズ・マーケット・インフォメーションで成約価格を調べる手順を順に進めるイメージ(住宅街の道が先へ続く情景)
条件は一度に増やさず、自宅に近い順に1つずつ足していくと、表示されなくなる失敗を避けられます

4. 数字の読み方:自宅の相場に近づける4つのコツ

成約事例が表示されたら、次は読み方です。単に平均を取るだけでは、自宅の相場からずれてしまうことがあります。次の4点を意識しましょう。

4-1. 「築年数・面積・駅距離」の3条件を優先して似せる

戸建の価格に大きく影響するのは、建物の築年数、土地の広さ、そして駅距離や地域といった立地です。間取りや階数よりも、まずこの3条件が近い事例を選ぶと、相場のブレが小さくなります。

4-2. 成約時期が新しい事例を重視する

不動産価格は年単位で動きます。同じ地域でも、2〜3年前の事例と直近半年の事例では水準が違うことがあります。成約時期の新しい事例を中心に見て、古い事例は「傾向の確認」程度にとどめましょう。

4-3. 極端に高い・安い事例は外す

一覧の中には、建物を大きく改修した物件や、事情があって急いで売却した物件など、特別な背景がある事例も混じります。平均から大きく外れた事例は除いて、中心的な価格帯を見るほうが実態に近づきます。

4-4. 価格は「幅」として受け止める

前述のとおり、価格は百万円単位、面積は5㎡の幅で表示されます。1件の数字をぴったりの相場として扱うのではなく、複数の事例から「このくらいのレンジ」と読むのが正しい使い方です。

「成約価格」と「売り出し価格」を混ぜて見ない

ポータルサイトで見た売り出し価格と、ここで見た成約価格を同じものさしで比べると、相場を高く見積もりがちです。一般に成約価格は売り出し価格より低くなる傾向があります。自分の家の目標価格を考えるときは、成約価格をベースにするのが安全です。

5. 使うときの注意点:データの限界を知っておく

便利なサイトですが、万能ではありません。次の点を理解したうえで使いましょう。

  • 土地のみの取引は対象外:土地の相場は不動産情報ライブラリで確認します(Q3参照)。
  • すべての取引が載っているわけではない:掲載されるのは、指定流通機構に登録された物件のうち成約に至った事例です。不動産会社を通さない個人間の売買や、買取による取引などは含まれないことがあります。
  • 地方や郊外はデータが少ないことがある:取引の少ない地域では、条件を相当広げる必要があります(Q2参照)。
  • 建物の状態はわからない:同じ築年数でも、維持管理の状態やリフォームの有無で価格は変わります。一覧の数字だけでは、その差は読み取れません。
  • 情報の更新には時間差がある:成約してからサイトに反映されるまでにはタイムラグがあります。直近の市況は、不動産会社の査定で補いましょう。

6. ほかの調べ方と組み合わせる

同サイトは「実際に売れた価格」を知るのに適したツールです。これに、次の情報を組み合わせると、より立体的な相場感がつかめます。

調べ方何がわかるか組み合わせる理由
不動産情報ライブラリ(国交省)取引価格・成約価格・地価・ハザード情報土地の取引価格や災害リスクまで確認できる
不動産ポータルサイトいま売り出し中の物件の希望価格現在の競合物件の価格帯がわかる
固定資産税評価額税金計算用の評価額からの逆算目安手元の納税通知書だけで概算できる

それぞれの使い方は、「不動産情報ライブラリの使い方」「固定資産税評価額の調べ方」でくわしく解説しています。相場を調べたあと、不動産会社の査定を受けるときの注意点は「不動産査定のデメリットと注意点」も参考にしてください。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. レインズ・マーケット・インフォメーションは誰でも無料で使えますか?

はい。会員登録や利用料は不要で、どなたでも無料で利用できます。不動産会社だけが使える業者専用のレインズとは別に、一般の方向けに公開されているサイトです。ただし、個別の取引が特定されないように、価格や面積、成約時期は幅を持たせて表示されています。

Q2. 自分の家と同じ条件の物件が見つからないときはどうすればよいですか?

まず検索条件を広げてみましょう。地域を隣接するエリアまで広げる、成約時期の範囲を長くする、築年数や面積の条件をゆるめる、といった順で調整します。該当する取引情報が10件に満たない条件では結果が表示されず、絞り込みの場合は一段広い条件の結果が表示される仕組みのため、最初は条件を広めに設定し、徐々に絞り込むのがコツです。

Q3. 土地だけの売却相場も調べられますか?

レインズ・マーケット・インフォメーションで検索できるのは、マンションと戸建住宅の成約情報です。土地のみの取引価格を調べたい場合は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で取引価格情報や地価公示・都道府県地価調査を確認する方法があります。

Q4. 表示された成約価格で自分の家も売れると考えてよいですか?

成約価格はあくまで似た条件の物件が実際に売れた価格の目安です。建物の状態や維持管理の履歴、土地の形状、売り出す時期によって価格は変わります。自分で調べた相場感を持ったうえで、不動産会社の査定で答え合わせをすると、提示された金額が妥当かどうかを判断しやすくなります。

8. 相場を調べたあと、相談先を選ぶときの3つの視点

成約事例で相場のレンジがつかめたら、次は不動産会社の査定です。調べた数字を活かして会社を選ぶには、次の3つの視点が役立ちます。

  • 視点① 査定額の根拠として「成約事例」を示してくれるか

    宅地建物取引業法では、不動産会社が売買すべき価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにすることが求められています。自分で調べた成約事例と、会社が示す根拠を照らし合わせれば、査定額の妥当性を確認できます。

    👉 「どの成約事例をもとにしたのか」を聞いてみましょう。具体的に答えられる会社は信頼の目安になります。

  • 視点② 一覧の数字では見えない「建物の状態」を評価できるか

    成約事例には、建物の維持管理の状態までは載っていません。築年数のみで判断するのではなく、建物の性能や維持管理の履歴も踏まえて評価できるかどうかで、査定額の納得感は変わります。

    👉 一例として、ミサワホームを含む大手ハウスメーカー10社が設立した「一般社団法人 優良ストック住宅推進協議会」の評価基準に基づく査定では、築年数に加えて建物の性能や維持管理の履歴なども評価の対象とされています。※この評価基準は、協議会に加盟する大手ハウスメーカー10社が手がけた建物を対象としています。

  • 視点③ 相場を踏まえて、仲介と買取を比較提案してくれるか

    相場がわかると、「時間をかけて相場どおりに売る(仲介)」のか、「早く確実に売る(買取)」のかを現実的に考えられるようになります。どちらか一方を勧めるのではなく、両方を並べて説明してくれる相談先だと安心です。

    👉 MISAWA RELAY(ミサワリレイ)ミサワホームの不動産仲介・買取再販事業 の「家活(いえかつ)コンシェルジュ」は、仲介・買取の比較から手続きまでを整理し、お客さま一人ひとりに合った売却方法をご提案します。買取再販ブランド「Homever(ホームエバー)」もご用意しています。

9. まとめ:成約価格で「ものさし」を持ってから査定へ

レインズ・マーケット・インフォメーションは、実際に売れた価格を誰でも無料で確認できる、相場調べの出発点に適したサイトです。マンションと戸建住宅が対象で、価格・面積・成約時期は幅を持たせて表示され、10件未満の条件は反映されません。最初は条件を広めにして、築年数・面積・駅距離の順に自宅へ近づけ、複数の事例から相場のレンジを読み取りましょう。

そのうえで不動産会社の査定を受ければ、提示された金額が相場に照らして妥当かどうかを、自分の目で確かめられます。相場の調べ方全体は「不動産の売却相場・査定の調べ方」、売り出してからどれくらいで売れるかは「不動産売却の期間はどれくらい?」でくわしく解説しています。

MISAWA RELAY では、無料査定から仲介・買取の比較提案まで、家活コンシェルジュがワンストップでサポートします。「まず相場を知りたい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

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監修:MISAWA RELAY 編集部(宅地建物取引士 在籍)

MISAWA RELAY(ミサワリレイ)は、ミサワホームの不動産仲介・買取再販事業です。住宅メーカーとして長年にわたり住宅を支えてきた知見を活かし、不動産売却を初めて検討される方にもわかりやすく正確な情報をお届けしています。

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※本記事は情報提供を目的とした一般的な解説であり、特定の不動産取引や個別の判断に関する助言ではありません。具体的なご判断は、宅地建物取引士等の専門家にご相談ください。
※本記事で紹介する相場の調べ方はあくまで価格の目安を知るためのものであり、実際の売却価格を保証するものではありません。正確な価格は個別の査定でご確認ください。
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※記載内容は2026年10月時点の情報に基づいています。
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