空き家・相続

相続した実家、売る前にやることチェックリスト|残置物・仏壇・境界

相続した実家を売る前の準備を確認するイメージ

画像はイメージです

相続した実家を売ろうと決めたものの、「何から手をつければいいのか」と迷う方は多いものです。実家の売却は、自分が住んでいた家を売るのとは違い、名義の整理・大量の残置物・仏壇の扱い・境界の確認など、事前にやることが多くあります。
準備が不十分なまま売り出すと、買主が決まってから手続きが止まることにもなりかねません。本記事では、相続した実家を売る前にやることをチェックリスト形式で整理し、抜け漏れなく進められるようにまとめました。

この記事の結論(先に要点)

売る前の準備は①名義と書類 ②境界 ③残置物・仏壇 ④建物の不具合 ⑤税の期限の5分野。優先度がもっとも高いのは相続登記(名義変更)で、これが済んでいないと売却できません。次に時間がかかるのが境界の確認(隣地所有者の立会いが必要)と残置物の片づけ。購入時の売買契約書は税金計算に使う大切な資料なので、片づけの前に必ず探しましょう。実家をどうするか全体像から知りたい方は「親の家をどうする?実家の片づけ・処分・活用の選択肢と進め方」もあわせてご覧ください。

1. 全体像:5つの分野と優先順位

準備は次の5分野に整理できます。時間がかかるものから着手するのがコツです。

分野主な内容優先度・所要時間の目安
① 名義と書類相続登記、権利証、購入時の契約書最優先/登記が済むまで売却できません
② 土地・境界測量図の有無、境界標、私道の持分早めに/隣地の立会いが必要な場合は時間がかかります
③ 残置物・仏壇家財の処分、仏壇・神棚の扱い早めに/量が多いと数日〜数週間
④ 建物の状態雨漏り・シロアリ・設備の不具合売り出し前まで/把握と説明が重要
⑤ 税金・期限特例の要件と期限、確定申告全体を通して/期限から逆算します

2. ① 名義と書類のチェック

もっとも優先度が高い分野です。名義が相続人に変わっていなければ、実家は売れません。

チェック項目確認方法・ポイント
相続登記が済んでいるか法務局で登記事項証明書を取得。済んでいなければ売却の前に必ず必要
名義人は誰か祖父母の代のままになっていないか(その場合は手続きが大幅に増えます)
抵当権が残っていないかローン完済後も抹消登記がされていないことがあります
遺産分割協議書相続人全員の署名・実印での押印、印鑑証明書がそろっているか
権利証(登記識別情報通知)保管場所を確認。紛失時の対応は司法書士にご相談ください
購入時の売買契約書・領収書税金計算に使う取得費の資料。片づけの前に必ず探す
建築時の図面・保証書建物の性能を示す資料。査定の際の材料になります
リフォーム・修繕の記録維持管理の履歴として建物の評価につながります

最重要:購入時の売買契約書を探す

売却で利益が出た場合の税金は「売却代金 −(取得費+譲渡費用)」で計算します。この取得費を証明するのが購入時の売買契約書です。見つからない場合は売却代金の5%を取得費とみなす方法によることになり、利益が大きく計算されて税負担が重くなりやすくなります。
片づけを業者に頼む前に、金庫・仏壇の引き出し・押し入れの書類箱などを必ず確認してください。

相続登記の進め方は「遺産分割協議と相続登記の進め方」でくわしく解説しています。

3. ② 土地・境界のチェック

見落とされやすい一方で、もっとも時間がかかる可能性があるのがこの分野です。

チェック項目確認方法・ポイント
地積測量図があるか法務局に備え付けられているか確認(無い場合もあります)
境界標があるか現地でコンクリート杭・金属標などを確認
隣地との認識にずれがないか塀・生垣の位置と登記の内容が食い違っていないか
越境がないか庭木の枝、屋根、塀などが隣地にはみ出していないか(逆も同様)
私道の持分があるか登記事項証明書と固定資産税の課税明細書を突き合わせて確認
接道の状況建て替えができる土地かどうかに関わります

測量や境界の確認が必要になった場合、隣地所有者の立会いが必要となり、日程調整に時間がかかることが一般的です。売却を決めたら早い段階で不動産会社に相談しましょう。

4. ③ 残置物・仏壇のチェック

長く住んだ実家には、大量の家財が残っています。原則として売主の側で片づけてから引き渡すのが一般的です。

4-1. 残置物の片づけ

  • 重要書類を先に確保する:権利証、購入時の契約書、図面、保険証券など
  • 思い出の品を取り分ける:写真、手紙、記念品。写真に撮って記録に残す方法もあります
  • 売れるものと処分するものを分ける:買取に出せる家具・骨董品などがある場合も
  • 業者に依頼する:量が多い場合や遠方の場合は、遺品整理・生前整理の専門業者へ
  • きょうだいで確認してから処分する:後から「あれはどうした」とならないよう、事前に共有します

4-2. 仏壇・神棚の扱い

仏壇や神棚は、家族の宗教的な考え方が関わるため、処分を急がず親族間で相談することが大切です。実務上は次のような方法があります。

  • 引き継ぐ方の自宅へ移す
  • 菩提寺や神社に相談し、魂抜き・お焚き上げなどの儀式を行ってから処分する
  • 専門の業者に依頼する

菩提寺がある場合は、まずお寺に相談すると進め方を教えてもらえることが多いでしょう。お墓の承継とあわせて話し合っておくと、後の行き違いを防げます。時間がかかることもあるため、売却のスケジュールに余裕をもって早めに着手することをおすすめします。

相続した実家を売る前の準備項目を確認していくイメージ
名義・境界・残置物・建物の状態・税の期限を、時間のかかるものから順に進めます

5. ④ 建物の状態のチェック

相続した実家は、自分が住んでいなかった分、不具合を把握しづらいのが難点です。売り出す前に現地を確認しておきましょう。

確認する場所見るポイント
天井・壁雨漏りのシミ、カビ、クロスのはがれ
床きしみ、たわみ、傾き
水回り給排水の詰まり・漏れ、給湯器の作動
床下・柱シロアリの被害、腐食
屋根・外壁瓦のずれ、外壁のひび割れ
設備エアコン・給湯器などを残すか撤去するか

把握している不具合は、隠さず伝える

雨漏りやシロアリの被害などを伝えずに売却し、引き渡し後に発覚した場合、契約不適合責任(売った後に不具合が見つかったときに売主が負う責任)を問われる可能性があります。あらかじめ伝えておけば、その状態を前提とした価格・条件で契約でき、後のトラブルを避けられます。古い建物では、建物の状態を説明したうえで契約で責任の範囲を定めることが一般的です。分かっている不具合は不動産会社に正直に共有しましょう。

6. ⑤ 税金・期限のチェック

相続した実家の売却では、期限のある税の特例が大きな意味を持ちます。

チェック項目内容
相続した空き家の3,000万円特別控除昭和56年5月31日以前の建築/売却代金1億円以下/相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却/耐震基準を満たすか取り壊すこと など
取得費加算の特例相続税を納めている場合。相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までの譲渡が要件
2つの特例の関係重ねて適用できません。どちらが有利かの比較が必要です
確定申告売却した年の翌年2月16日〜3月15日。特例を使う場合も申告が必要

売却には買主を探す期間もかかるため、期限から逆算して動くことが重要です。詳しくは「相続した空き家の3,000万円特別控除」「相続した不動産の売却にかかる税金」をご覧ください。適用の可否や有利不利の判断は、必ず税理士または所轄の税務署にご確認ください。

7. 売る前にリフォームすべき?

「古いままだと売れないのでは」とリフォームを検討される方がいますが、必ずしも有利とは限りません。

検討したいこと
大規模リフォーム費用をかけても、その分だけ価格が上がるとは限りません。買主が解体や自分好みのリノベーションを前提にしている場合、費用が無駄になることも
ハウスクリーニング費用を抑えられ、印象を良くする効果が期待できます
庭木の手入れ・除草同上。第一印象に影響しやすい部分です
不用品の処分部屋が広く見え、内覧の印象が良くなります

結論としては、大きな費用をかける前に不動産会社へ相談するのが安全です。その物件で費用に見合う効果があるかは、買主の層によって変わります。古い建物の売り方は「古い家・築古住宅は売れる?」で解説しています。

8. よくある質問(FAQ)

Q1. 相続した実家を売る前に、まず何を確認すればよいですか?

最初に確認したいのは名義です。相続登記が済んでいなければ売却の手続きを進められないため、登記事項証明書を取り寄せて現在の名義人を確認します。あわせて、抵当権が残っていないか、土地の面積や私道の持分がどうなっているかも確認しておきます。次に、購入時の売買契約書や権利証などの書類がそろっているかを確認します。とくに購入時の契約書は、売却で利益が出た場合の税金計算に使う取得費の資料になるため重要です。これらを整理したうえで、査定を受けて価格の目安をつかむという順番で進めるとスムーズです。

Q2. 仏壇や神棚はどう扱えばよいですか?

仏壇や神棚は、家族の宗教的な考え方が関わるため、処分を急がず、まず親族間で相談することが大切です。実務上は、引き継ぐ方の自宅へ移す、菩提寺や神社に相談して魂抜き・お焚き上げなどの儀式を行ってから処分する、専門の業者に依頼するといった方法があります。菩提寺がある場合は、まずお寺に相談すると進め方を教えてもらえることが多いでしょう。お墓の承継とあわせて話し合っておくと、後の行き違いを防げます。時間がかかることもあるため、売却のスケジュールに余裕をもって早めに着手することをおすすめします。

Q3. 建物の不具合は、買主に伝えたほうがよいですか?

はい、把握している不具合は隠さず不動産会社に伝え、買主に説明したうえで取引を進めることが大切です。雨漏り、シロアリの被害、給排水設備の故障などは、売却後に発覚すると契約不適合責任として売主が責任を問われる可能性があります。あらかじめ伝えておけば、その状態を前提とした価格や条件で契約でき、後のトラブルを避けられます。古い建物では、あらかじめ建物の状態を説明したうえで、契約で責任の範囲を定めることが一般的です。相続した実家は自分が住んでいなかった分、不具合を把握しづらいため、早めに現地を確認しておきましょう。

Q4. 売る前にリフォームしたほうが高く売れますか?

必ずしもそうとは限りません。リフォーム費用をかけても、その分だけ売却価格が上がるとは限らないためです。とくに古い建物では、買主が解体や自分好みのリノベーションを前提に検討していることもあり、その場合はリフォーム費用が無駄になってしまいます。一方で、ハウスクリーニングや庭木の手入れ、不用品の処分といった費用を抑えられる範囲の準備は、印象を良くする効果が期待できます。大きな費用をかける前に、まず不動産会社に相談し、その物件で費用に見合う効果があるかを確認することをおすすめします。

9. 相談先を選ぶときの3つの視点

  • 視点① 準備段階から相談に乗ってくれるか

    「片づけが終わってから来てください」ではなく、準備の段取りから一緒に整理してくれる相談先だと、順番を間違えずに進められます。とくに境界確認や税の期限は、後回しにすると影響が大きい項目です。

    👉 最初の相談で「何から手をつけるべきか」を示してもらえるかを確認しましょう。

  • 視点② 建物の価値まで評価できる査定手法を持っているか

    築年数のみで判断するのではなく、建物の性能や維持管理の履歴も踏まえて評価できるかどうかで、長く大切にされてきた実家の査定額の納得感は変わります。

    👉 一例として、ミサワホームを含む大手ハウスメーカー10社が設立した「一般社団法人 優良ストック住宅推進協議会」の評価基準に基づく査定では、築年数に加えて建物の性能や維持管理の履歴なども評価の対象とされています。※この評価基準は、協議会に加盟する大手ハウスメーカー10社が手がけた建物を対象としています。

  • 視点③ 片づけ・登記・税務まで含めて調整できるか

    実家の売却は、片づけ業者・司法書士・税理士と関わる相手が多くなります。窓口を一本化できると、日程調整の負担が大きく減ります。

    👉 MISAWA RELAY(ミサワリレイ)ミサワホームの不動産仲介・買取再販事業 の「家活(いえかつ)コンシェルジュ」は、実家の査定から、準備の段取り、売却のご提案、必要に応じて司法書士・税理士との連携まで、ワンストップで伴走します。片づけの負担が大きい場合は、買取再販ブランド「Homever(ホームエバー)」による現況での買取をご検討いただける場合もあります。

10. まとめ:順番を守れば迷わない

相続した実家を売る前の準備は、①名義と書類 ②境界 ③残置物・仏壇 ④建物の状態 ⑤税金・期限の5分野です。

優先度がもっとも高いのは相続登記——これが済んでいなければ売却できません。次に着手したいのが境界の確認(隣地所有者の立会いが必要で時間がかかります)と残置物の片づけです。そして、片づけの前に購入時の売買契約書を必ず探してください。税金の計算に関わる大切な資料です。

準備の順番さえ押さえておけば、迷わず進められます。とはいえ、すべてを一人で抱えると負担が大きいものです。MISAWA RELAY では、実家の無料査定から、準備の段取り、売却のご提案、相続の手続きの整理まで、家活コンシェルジュがワンストップでサポートします。「何から始めればいいか分からない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

MISAWA RELAY|相続した実家のご相談を無料で承ります

まずは無料査定から。準備の段取りからご提案します

建物の状態や維持管理の履歴も踏まえて査定し、家活コンシェルジュが売却のご提案から相続の手続きの整理、住み替えのご相談までサポートします。古い建物や遠方の実家のご相談も大歓迎です。

お電話でのご相談 0120-521-330(電話・WEBどちらでもご相談いただけます)

※お電話受付時間:9:00〜18:00(年末年始を除く)/ 個人情報は厳重に管理いたします
※本社および営業所の定休日にお問合せいただいた場合、通常よりご連絡が遅れる場合がございます。

M

監修:MISAWA RELAY 編集部(宅地建物取引士 在籍)

MISAWA RELAY(ミサワリレイ)は、ミサワホームの不動産仲介・買取再販事業です。住宅メーカーとして長年にわたり住宅を支えてきた知見を活かし、不動産売却・相続を初めて検討される方にもわかりやすく正確な情報をお届けしています。

免責事項
※本記事は情報提供を目的とした一般的な解説であり、特定の不動産取引や個別の判断に関する助言ではありません。具体的なご判断は、宅地建物取引士・税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。
※相続登記・遺産分割の手続き、権利証を紛失した場合の対応は、個別の事情により異なります。司法書士または法務局にご相談ください。
※境界確認・測量の要否、費用、期間は物件ごとに異なります。土地家屋調査士等にご相談ください。
※税の特例の適用可否・有利不利の判断は、個別の事情によって異なります。必ず税理士または所轄の税務署にご確認ください。
※記載内容は2026年8月時点の情報に基づいています。法改正・税制改正等により内容が変更される場合があります。最新の情報は国税庁ホームページや各自治体等でご確認ください。
※「MISAWA RELAY(ミサワリレイ)」はミサワホームの不動産仲介・買取再販事業です。
※「Homever(ホームエバー)」はミサワホームグループの買取再販ブランドです。エリア・建物の状況によっては買取できない場合があります。
※「家活コンシェルジュ」は MISAWA RELAY の総合相談を担当するスタッフです。