柵について
2014.6.11
こんにちは
実は気になる柵があります。
歩道に沿って設けられたその柵の構成が、非常に素直なのでご紹介しようと思います。
柵はH型の鋼材を支柱としています。
そのH型をした鋼材断面の両端にある平行する板材(フランジ)は、歩道側手前と敷地奥に面して立てられ、支柱が曲がりにくく折れにくいようになっています。
支柱はおよそ1.3m間隔で立ち、支柱の上端から1/4ほどのところと下端近くとに平板の鋼材が2本渡され、支柱同士を繋いでいます。
この2本の横材の手前側に平板の鋼材が縦に10本ついています。縦材の間隔はちょうど小さな子どもが通り抜けられないほどの幅になっています。
板厚およそ5ミリ前後の縦横の鋼材は、どちらも板厚の面が正面に見えるように置かれ、鋼材同士がクロスする小さな部分だけで互いに接合しています。
横材は縦材の板幅だけ奥にあるため、歩道からは足を掛けにくく、また縦材はその上端を横材で固定せず自由端としてあるため手足を掛けにくくなっています。
この鋼材の構成を眺めていると、見通し良く、摺り抜けや乗り越えにくく、また道路側方向からの力に対して強く作るとしたら、これ以上の部材の使い方があるだろうかと思えてきます。
ここまで作られるならば、縦材の上部を切り出しナイフのように斜めに切り落として、乗り越えさせない意思表示をした形を選ぶこともできたでしょうが、この縦材には不思議な形をした飾りがその上端につけられています。
よく見ると、どれも微妙に異なった形をしており、作られた方々が手間暇を惜しまなかったことがうかがえます。
ここの施設が裁判所であることから、この飾りは天秤をモチーフに意匠を凝らしたものと思いますが定かではありません。
丸みを帯びた小さな形の列は、おそらく作られた方々の意図通りに、歩道を歩く人たちに柔らかい印象を与えているように感じます。
写真を用意しましたのでご覧ください。