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賃貸住宅建替え研究室
空室が多くなってきた。修繕費がかさんできた。耐震性に不安がある・・・。
そんな賃貸住宅の老朽化は、オーナーさまにとって大きな悩みです。
今回の特集では、賃貸住宅の建て替えについて研究します。
少子化、人口減だからこそ大切な、しっかりとした計画を立てるヒントをご紹介します。
この記事は資産活用情報誌「GOOD OWNER」2015年9月号掲載記事を2025年9月にWeb用に再編集した内容となっています。

ミサワホーム

グッドオーナー編集部

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賃貸住宅の建て替えには
プロのノウハウをぜひ知っておきましょう。

大森 とみ子様(右手前) 大森 眞様(右奥) 奥田 征之(左)
有限会社三友不動産 大森 とみ子様(右手前) 大森 眞様(右奥) ミサワホーム 奥田 征之(左)

以前と市場が違っていることを知りましょう。

賃貸住宅の老朽化が社会問題になっています。総務省が平成30年に公表した「住宅・土地統計調査」によると、耐震基準が古い1980年(昭和55年)以前に建てられた賃貸住宅が281万戸あるという報告が出ています。さらに1970年以前に建てられた賃貸住宅が85万戸もあるという結果が出ています。老朽化による災害リスクや今後の相続などを考えると、早急な対策が必要な場合もあります。老朽アパートが抱える問題はさまざま。第一は空室率が高くなること。
長期間埋まらないと、家賃の値下げや大規模リフォームが必要となる場合もあります。また、建物の修繕費もかかるようになり、収益が悪化してしまいます。そして建て替えを考える場合、以前とは市場の状況が変わっていることも知っておきましょう。市場は借り手市場。
「貸してあげる」という発想では、入居者を集めることは難しい時代です。さらに賃貸住宅の建て替えには入居者の立ち退き等様々な問題があります。これらをクリアするノウハウが、建て替えの成功には不可欠なのです。今回はそんな賃貸住宅の建て替えについて、実際の現場をよく知る不動産会社の方にお話をうかがいました。

建物の老朽化というピンチをチャンスに変える発想を。

建替えを検討する際のポイント(チェックシート)

建て替えは、数年がかりの一大プロジェクトです。

「老朽化した賃貸住宅の対策を考える上で、オーナーさま1人で建て替えを決断し、成功へ導くのは難しいと思います」とおっしゃるのは、東京都調布市を拠点に長年活動されている㈲三友不動産の統括本部長の大森様。
「入居者の退去からはじまり、どんな物件に建て替えるのか、収支をどのように考えるかなど、考えなくてはならないことがたくさんあります。だからこそ、土地活用にノウハウのある、不動産会社や住宅メーカーから、よりよい提案を受けることが大切になります」。
㈲三友不動産では、建て替えを考えるオーナーさまにどのようなアドバイスをしているのでしょう?「オーナーさまにとって、どうすることがベストかを提案します。大規模なリフォームで効果があるのか、建て替えた方が良いか、または別の収益物件に買い替える方が良いのかなど、様々な選択肢を検討します」。
やはり地元の不動産会社だからこそできる提案があるのでしょうか?「例えば、入居者の立ち退きを検討する際に、従前の賃貸物件の管理等をしていることで、スムーズに進められることも多いと思います。建て替えるにしろ、更地にして売却するにしろ、入居者に退去していただくことがスタートですから、管理をしている会社が間に入った方が良い結果になりやすいといえます」。オーナーさまにとっても、入居者の退去は難しい問題です。どのようにして円満に進めるのでしょう?
「オーナーさまにとっても初めてのことも多く、弁護士を紹介してどれくらいが退去費用の相場なのかを知ってもらうことから始めるケースもあります。その上で引越先の斡旋や、現在預かっている敷金をそのまま次の賃貸契約に引き継ぐなど、入居者の負担を減らすことでより交渉がスムーズになります。これは日頃の管理で入居者との関係を良くしておく必要があります。まずは管理会社や専門家に相談してみましょう」。

建て替えを考える際にまず考えておきたいこと。

建て替える時に注意すべき点はどのようなことがあるのでしょうか?「まずオーナーさまにご説明するのは、以前に賃貸住宅を建てた時と、現在では市場の状況が違うということです。30年以上前に建てた時なら、部屋を『貸してあげる』という発想があったかもしれませんが、現在は借り手市場です。その市場ニーズに合ったものを検証して計画を立てることが大切です。賃貸物件は商品ですから、周辺の競合物件と比べて、魅力ある商品になっているかを検討する必要があります。
また賃貸住宅だけではなく、店舗や医療施設などを含めた複合活用なども検討すべきです」。そのような市場をしっかりと踏まえた提案をしてくれるプロのパートナーが必要ということですね。「不動産・建築・税務・法務の全てにおいてオーナーさまを含めたチームで、総合的に計画立案することが大切です。そういったオーナーさまのメリットを第一に考えたアドバイスができるのが信頼できるプロだと言えるでしょう。ぜひそんなパートナーを見つけていただきたいと思います」。
建て替えを考える際にまず考えておきたいこと。

老朽化した賃貸住宅の活用方法を考える

古くなって空室が多くなった物件をどうするか。
対策として3つの選択肢をご紹介します。
老朽化した賃貸住宅の活用方法を考える

主な選択肢は3つ。目的とメリットで考える。

老朽化した賃貸住宅の対策として、主な選択肢は、①建て替え ②大規模リフォーム ③売却の3つが考えられます。以前より高い収益を見込める、相続税の節税効果を見込めるなど、メリットがあれば建て替えは有力な選択肢です。また、耐久性に問題がなければ、大規模リフォームで費用を抑えて魅力的な付加価値を加えることも効果的です。
さらに賃貸需要が低下している、周辺にも空室が多い等の立地状況の場合は、売却して他の収益物件に買い替えるという選択肢もあります。綿密な分析、検討からベストな方法を提案してくれる専門家をみつけておくのが大切です。
老朽化賃貸物件の対策

空室は本当に老朽化が原因かを検討。

古くなっているから仕方ないと、空室物件を放置しているオーナーさまもいらっしゃるかもしれません。しかし、古くてもきちんとメンテナンスやリフォームを行っている物件は、常に満室で入居待ちとなるケースも多くあります。間取りは今のニーズに合っているか?設備は使い難くないか?これらを検討し、ニーズに応えるリフォームにより、空室の解消・減少につながることも少なくありません。

建築の規制で建て替えが不利になることも。

建て替える際に注意したいのは、建築の規制が、以前とは変わっていることがあるケースです。例えば、以前は4階建ての建物が建てられていた場所が、3階までしか建てられなくなっていた。また、より多くの空地を設けることが必要になっていたなど、建て替えることで賃貸住宅の戸数を減らす必要がある場合もあります。このような場合でも大規模リフォームを選択することで、解決できる場合があります。まずは専門家に相談をしてみましょう。

売却をして収益力のある不動産に買い替えも。

既存建物を解体した後に、更地で土地を売却する場合と、既存建物付きで売却する場合が考えられます。空室の多い物件を売却する場合、空室率を加味した評価をすると低い売値となってしまうことがあるので注意が必要です。売却価格、売却益を十分に検討し、より収益力の高い物件に買い替えることで、資産価値を高めることができるのです。

鍵となるのは入居者の退去。

建て替えるにしても、大規模リフォームにしても、共通している課題が入居者の「立ち退き」です。スムーズにいくケースもあれば、こじれる場合もあり、これまで入居者と良好な人間関係を築いてきたからといってスムーズにことが進むとは限りません。まずはノウハウを持っているプロに相談することが大切です。不動産会社、住宅メーカー、弁護士等、詳しいプロをみつけることから始めましょう。

建て替えスケジュール&検討のポイント

建て替え成功のポイントは、周到な準備と十分な検討です。

計画&スケジュールを検討することから。

建て替えを検討する際は、立ち退きや解体などで多くの手間と時間が必要になります。また、以前建てた時と現在では、社会情勢や入居者のニーズは大きく変わっています。しっかりと市場調査を行い、現在のニーズにあった物件を計画する必要があります。
建て替えのプロセス(例)・立ち退きのプロセス(仮)

立ち退きの正当な理由とは。

立ち退きとは賃貸借契約をオーナー側から解約することで、入居者が拒んだ場合、「正当事由」がなければ、解約はできません。正当事由には明確な基準がなく、個々の事情で判断されます。例えば、「建物の築年数が古く耐震基準を満たしておらず、倒壊の危険がある」、「オーナーが住む住居をそこに建てる(今は賃貸)」「相当の立ち退き料を提示する」など、さまざまな理由を総合的に判断した上で正当事由が認められます。

立ち退きスケジュールを考えておきましょう。

まず賃貸借契約の解約申し入れから始まります。これは、解約したい日の6カ月前までに行わなくてはなりません。または、更新時期を見越して、更新しない旨の通知を契約期間満了の6カ月前~1年以内に入居者に通知してもよいでしょう。いずれの場合も書面による通知を行うことが大切です。

建て替えの費用をしっかり考える。

建替えの場合には、立ち退きのための費用や解体費用、そして建築費用などが必要で、更地に賃貸物件を建てる場合より多くのコストがかかります。収支計画をきちんと立て、綿密に考える必要があります。
建て替えの費用

建て替えに詳しいプロを見つけましょう。

賃貸住宅の建て替えには、大変な労力とノウハウが必要になります。住宅メーカー等には経験の豊富なプロがいますから、まずは相談してみると良いでしょう。様々な選択肢を提案し、将来を見据えた最適な計画を考えてくれるパートナーを見つけましょう。

賃貸住宅建て替え実例

ミサワホームが手掛けた賃貸住宅建て替えプロジェクトの中から、一部をご紹介します。

デザインで入居者をひきつける建て替え

デザインで入居者をひきつける建て替え デザインで入居者をひきつける建て替え02
老朽化して修繕などに手間がかかるようになったアパートを建て替え。市場調査で周辺では1Kタイプの新築物件が多くなっていることがわかり、競合を避けるため広めの空間にしています。さらにデザインで差をつけるコンセプトで、シャープな屋根形状や高級感のあるエントランスにこだわりました。さらに女性入居者に満足していただくための防犯対策や快適設備を充実させることで、幅広い年代の入居者に選ばれる物件になりました。
デザインで入居者をひきつける建て替え03

最新の入居者ニーズに応える賃貸住宅

最新の入居者ニーズに応える賃貸住宅 最新の入居者ニーズに応える賃貸住宅02
祖父から受け継いだ築40年のアパートを建て替え。オーナーさまは、ミサワホームが提案した、賃貸住宅とは思えないようなこだわりのデザインに共感されたそうです。それぞれの部屋の壁紙等を変え、入居者が好みで選べるようにする工夫。吹抜けの開放感がある部屋。そしてミサワホーム独自の大収納空間「蔵」 ®の採用や、セキュリティにこだわった設備等、入居者のニーズに応える配慮で、高めの家賃設定でもすぐに入居者が決まる結果となりました。

※大収納空間「蔵」は、ミサワホームの登録商標です。
※「蔵」は居室としての使用はできません。
最新の入居者ニーズに応える賃貸住宅03

ペット専用の賃貸併用住宅で地域のニーズに応える

ペット専用の賃貸併用住宅で地域のニーズに応える ペット専用の賃貸併用住宅で地域のニーズに応える02
親のご自宅、ご兄弟のご自宅、老朽化アパート。この3つが建っていた敷地を、賃貸併用住宅として建て替えました。オーナーさま宅では大型犬が2匹いるため、賃貸併用にした場合、鳴き声などの懸念がありました。そこでペット愛好家に入居していただくことを考え、ペット専用の建物を検討、ペット対応賃貸住宅に多くのノウハウを持つミサワホームが選ばれました。音漏れ対策やメンテナンス対策等、様々なペット対応の仕様となっております。
ペット専用の賃貸併用住宅で地域のニーズに応える03

美しい街並みをつくり地域の活性化にも貢献

美しい街並みをつくり地域の活性化にも貢献 美しい街並みをつくり地域の活性化にも貢献02
築40年以上の貸家が12棟並んでいたエリアをすべて建て替え。敷地をゆったり利用して、7棟の戸建貸家からなる美しい街並みを形成するミサワホームのアイデアを採用。「五感にふれるガーデン」をコンセプトに、中庭のある緑豊かな環境をつくりました。住人同士、仲良くなって庭でBBQをするような関係が理想とおっしゃるオーナーさま。現場見学会に50人を超える方が訪れるほどの人気物件となりました。
美しい街並みをつくり地域の活性化にも貢献03

耐震性を考えた3階建鉄骨住宅4棟

耐震性を考えた3階建鉄骨住宅4棟 耐震性を考えた3階建鉄骨住宅4棟02
築42年の4階建ての建物があった場所。老朽化と東日本大震災での影響もあり、建て替えを行いました。ミサワホームの鉄骨系を選択。耐震性や耐久性と、美しいデザイン性も兼ね備えています。建物を4棟に分割することで、2人のご子息が相続しやすくするように配慮。周辺は単身世帯向けの賃貸が飽和状態のため、高所得のファミリー層を想定した3LDKのプランにしています。
耐震性を考えた3階建鉄骨住宅4棟03

社会貢献を考えてグループホームに建て替え

社会貢献を考えてグループホームに建て替え 社会貢献を考えてグループホームに建て替え02
もともと畑と平屋の貸家が建っていた敷地。どのような活用方法にするか検討していたところ、福祉の土地活用として社会貢献もできることからグループホームを選ばれました。ミサワホームではグループ会社の社会福祉法人マザアスがあり、グループホームの運営を委託することで手間をかけずに経営が可能となりました。オーナーさまは、建物の外観も明るく、地域の雰囲気も明るくなったと大変ご満足されていらっしゃいました。
社会貢献を考えてグループホームに建て替え03

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