賃貸住宅 オーナー訪問

荘厳なファサードで価値創造に挑戦した木質3階建賃貸住宅

総タイル張りの荘厳な佇まいが異彩を放つ木質3階建賃貸住宅。飲食店や賃貸住宅などの経営を手がけるオーナーさまが、千葉県浦安市に新築された物件です。迫力と静謐さが同居するファサードは美術館やホールを思わせ、道行く人の視線を集めます。
以前はこちらの敷地にお父さまから引き継がれたアパートと駐車場がありましたが、経営の一本化を図るために敷地全体を使って賃貸住宅を建てることにされたそう。ミサワホームへの依頼は今回で3棟目になります。
「1棟目、2棟目と、非常に満足の行くものをつくっていただいたので今回もお願いすることにしました。1棟目のときに他社も検討したのですが、ミサワホームさんのシンプルでモダンなデザインが自分の好みと合致したんです。すでに信頼関係が構築できているので、ストレスなくやりとりができることも魅力でした」。
落ち着いた佇まいのこれまでの2棟とは少し趣向を変えて、今回は「新たな価値創造」をめざしたというオーナーさま。ミサワホーム側もオーナーさまのそんな心意気を汲んで、唯一無二のデザインを追求しました。
窓を排除したファサードは、北側に立ち並ぶ家々と視線を合わせない配慮がもとになっています。外観の＂ノイズ＂になるような部品は極限まで削減。雨どいや換気フードなどは、外から見えない配置を徹底しています。

収益性を考慮して、間取りはワンルームを中心に。上質なものや心ひかれるものには費用の上乗せをいとわない、経済的なゆとりのある単身者を入居者として想定しました。
「こちらで価値をつくり込み、そういった方たちに＂刺さる＂物件にして、その対価をいただくというのが私にとって望ましい賃貸住宅経営の形です。自分の価値観や感性の枠にとどまることなく、1、2棟目とは趣を異にする＂未知の領域＂にたどり着けたのは、ミサワホームさんの設計力や、率直に意見交換ができた関係性の賜物だと思います」。
作りこんだ価値に手ごたえを感じ、今回の物件の家賃は近隣の新築相場よりも高く設定をしています。それでも内見した人たちからの評判は上々で、隣の集合住宅からの引っ越しを決めた人がいるなど、順調な滑り出しを見せています。

外観デザインとともに、物件の大きな特徴となっているのが、コの字形の建物の中央部分に設けた中庭です。ワンルームマンションといえば、ごく小さなエントランスホールが一般的。対してこちらは、エントランスを入ると植栽の緑が目に飛び込んでくるインパクト満点の設計。空まで見通せる開放感とも相まって、「気持ちが安らぐ」「帰宅が楽しみになる」といった、情緒的な価値創造もできたとオーナーさまは実感されております。
一方、各戸の内装や設備についてはこれまでの実績を踏襲する形に。
「2棟目のときにフロアごとに床材の色を変えて、全部で3パターンを試してみたんです。今回はその中でいちばん良いと感じたものを選んでいます。1、2棟目と変えた部分といえば、浴室の鏡ですね。曇ってしまうし、実は不要なんじゃないかと思って、この物件では取ってしまいました（笑）」

「私がこだわった価値創造は、その価値を誰とつくっていくかも重要でした。めざすものにズレがあると、お互いストレスがたまってしまいます。ミサワホームさんとの協業は、最初からその懸念がなかったので安心でした」。
オーナーさまは「潔い佇まいと中庭が今回の物件の価値を決定的に高めてくれた」と断言されます。その魅力を最大限に活かすことが細部のデザインの指針となり、全体と部分の相乗効果で、ミサワホームとしても過去に類を見ない建物が完成。これからの賃貸住宅経営に不可欠な差別化にも成功し、「選ばれる物件」としての魅力を存分に備えた物件になりました。

過去にない斬新な外観デザインとなったこちらの物件。せっかくのデザインが活きるように、エクステリアにも細心の注意を払いました。集合住宅ならではのさまざまな制限は、設計の工夫と部材選びでカバー。雨どいや換気フードなどはバルコニー手すりの内部に収め、フェンスは、単独でも見栄えがして、ツル性の植物をグリーンカーテンにできるものを選んでいます。