車両用のメインゲートのほか、自転車置き場の奥に電子錠付きの歩行者用ゲートも用意。道路側から内部を見えにくくするためのフェンスは、ワイヤー枠に自然石を詰めたガビオンウォールを採用。
築80年超の実家を
賃貸併用住宅へ建替え
オーナーのOさまは、江戸時代初頭までさかのぼることができるご一族の16代目。代々農業を営んでいらした家系だそうで、ご自身は不動産プロデューサーとしてご活躍です。ミサワホームとは以前に別の物件を建築して以来のお付き合いで、今回の計画地に建っていた築80年超のご実家を、Oさまご一家とお母さまの住まいも備えた賃貸併用住宅に建替えるプロジェクトをお任せいただきました。
「実は他社さんにもプランを出してもらったのですが、同じ間取りを並べただけという印象が否めなかったんです。L字型の敷地を上手に活用し、丁寧に美しくまとめてくれたのがミサワホームさんでした。以前のプロジェクトと同じ方々に担当していただき、感性の部分や仕事の進め方など、フィーリングがあう方々で安心して進めることができました」
Oさまは当初から土地の形状に合わせたL字形の建物をイメージされていたとか。長年住まわれている方が多い落ち着いたエリアである一方、近所には切り売りされた区画も散見され、ご先祖から受け継いだ土地を元の形のまま、いかに有効活用するかがテーマのひとつになりました。
先祖から受け継いだ土地を
思い出を大切に有効活用
「『縁側はこのあたりだったな』などと思い出せる"装置"となることを期待して、紅葉の木と井戸を当時のままの場所に残していただいたんです。特に井戸については、設計の難度が2段階くらい上がってしまったのではないかと思います。ご苦労をおかけしましたが、おかげで間取りにもバリエーションが生まれ、賃貸経営の戦略的にもよかったと思っています」
土地の利用効率を考慮して分筆はおこなわず、ご自宅、お母さまのお住まい、賃貸住宅を一体に。第一種低層住居専用地域の要件に合わせて2階建ての長屋式住宅とし、ご自宅部分が全12世帯のうちの1世帯として自然になじむような設計を施しました。
街の活性化や
入居者同士の交流も期待
「小学校に入ったばかりのお子さんがいるご家庭だと、6年間は入居してもらえると想定して、その間の安全で快適な暮らしに貢献したいと考えました。若い世代を迎え入れることで街の新陳代謝が進んだり、子どもを通して入居者同士に交流が生まれたりするお手伝いができれば理想的ですね」
2人のお子さんの父親でもあるOさま。ご自身の経験や昨今の共働き家庭の状況を反映して、設備類を充実させたのも本物件の大きな魅力です。
「夫婦がもめる原因をなくして(笑)、家事の時短も叶えるため、食洗機とガス衣類乾燥機を標準装備に。また、子どもはすぐカゼをひきますから、あたたかく過ごせるように床暖房とミサワホームさんの高断熱サッシも導入しています。一般的な分譲マンション以上の要素を盛り込んで、分譲を検討中の人にもアピールできる物件にすることを意識しました」
100年後にも思いを馳せた
壮大なプロジェクト
「石灯籠や敷石など、もとの庭にあった多くのものを活かしていただいたことに感謝しています。100年後、建物は形を変えていたとしても、この土地の歴史や僕自身の記憶の片鱗を次世代へつなぐ足がかりができました」
過去と未来に想いを馳せて実現した今回のプロジェクト。その橋渡しができ、ミサワホームにとっても貴重な事例となりました。
車両用のメインゲートのほか、自転車置き場の奥に電子錠付きの歩行者用ゲートも用意。道路側から内部を見えにくくするためのフェンスは、ワイヤー枠に自然石を詰めたガビオンウォールを採用。
植物を植え込んだひび割れ防止用のスリット(タマリュウ目地)をアートのようにあしらった敷地内通路。「入居者さんの親子が自転車の練習をする様子などが見られたらうれしいです」とOさま。将来、こちらを継承したお子さまが別の用途に転換することもできるように、3つのブロックからなる建物とし、部分的に解体しやすいつくりにした。
太陽光発電パネルと蓄電池を備えた本物件。災害時に在宅避難がしやすいレジリエンス住宅としての機能も備えている。
モダンな建物と、歴史を刻んだ紅葉の木や石灯籠とのコントラストが美しい夕景。大収納空間「蔵」の採用による1階部分の開口部の高さが、格調高い外観デザインにつながった。「エアコンの室外機を表側から見えないようにしていただくなど、各所の設計に引き算の美を感じます」とOさま。
左:ベビーカーなどを置きやすい幅広のたたきを設けた003号室。トンネル内の井戸が望める場所に地窓も設置した。
右:Oさまいわく「嫌いな人はいないだろうと思って(笑)」、多くの住戸で対面式のオープンキッチンを採用。冷蔵庫置き場をどうするかといった生活者目線を、ご自宅を含めた全12パターンの間取りに落とし込んでいった。
紅葉の木を切り取るピクチャーウィンドウがある003号室の洋室。「子どもは色に囲まれて育つほうがいい気がして、クロスは『白を使わない』という挑戦をしました」とOさま。
以前、別の物件でミサワホームの高断熱サッシの性能を実感され、本物件にも迷わず採用。
土地の歴史を残すために設けた「トンネル」
オーナー Oさまの声 Owner's Voice
「みなさんの人間力のおかげで、楽しみながら一緒に仕事ができました。挑戦のような要素にも前向きで、予想以上のフィードバックをいただきました」
ミサワホーム株式会社 東京西支店
市場開発部 営業担当宮下拓也
デザイナー 鈴木章公
「課題が持ち上がっても常に柔軟に対応してくださったOさま。こちらから提案をしやすい土壌をつくっていただき、スタッフ一同、気持ちよくプロジェクトを進めることができました」
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