土地活用のメリットを最大限に活かす

賃貸経営の節税対策 Part3

あたりまえの法律・税金

賃貸経営にはさまざまな節税効果があります。相続税や所得税等を抑えることができますが、そのためには最新の税制をきちんと把握しておくことが大切です。今回はそんな賃貸経営の節税対策を特集します。

この記事は資産活用情報誌「GOOD OWNER」2019年3月号掲載記事をWeb用に再編集した内容となっています。掲載内容は本誌発刊当時のものとなります。

賃貸住宅経営の収入アップのポイントは経理と
税制をしっかり把握することが大切です

賃貸住宅は「経営」です。
収支をアップするためにも税制と経理をしっかり理解しておきましょう

賃貸経営で大切なのが経費。その内容で収入が大きく変わります

賃貸住宅経営には、さまざまな税制優遇制度がありますが、自分に該当するのか、節税効果があるのか、などを知らずに、制度を活用せず確定申告しているケースも少なくありません。 税制をよく理解し、活用することで、驚くほどの税制メリットが期待できる場合があります。
今回は、あらためて賃貸住宅経営の節税効果について解説します。 賃貸住宅経営の収支は、家賃による「収入」と、さまざまな「支出」の差額です。 つまりきちんとした経理を行ない、適切な経費を支出として計上することで、結果的に所得税を圧縮することが可能になるのです。
賃貸住宅経営の支出(経費)には次のようなものがあります。

【減価償却費】

最も額の大きな必要経費は、建物や附属設備の減価償却費です。これらの取得費用、購入費用は定められた期間で費用を分割し、減価償却費として毎年一定額を計上します。

【租税公課】

土地・建物の固定資産税・都市計画税、登録免許税・不動産取得税、印紙税、事業税など。

【修繕費】

建物や附属設備、機械装置、器具備品などの修繕費のうち、通常の維持管理や修理のために支出されるもの。それ以外(例:給湯器を追い焚き付きオートバスに変更するなど20万円以上で資産価値を高めるもの)は資本的支出となり減価償却費となります(チャート参照)。

【交通費】

物件の確認などで現地に行くために使用した電車代、ガソリン代、駐車場代など。

【管理費】

管理会社に賃貸管理を委託した場合の管理委託費。

【接待交際費】

不動産会社、管理会社、税理士などとの打ち合わせのための飲食費など。

【通信費】

管理会社や入居者との連絡に使った電話代、郵便代、インターネット通信費など

【消耗品】

物件撮影のために使用したデジカメ、チラシ作成のために使用したPC、プリンターなど。

経費の判断について迷った時は、税理士等に相談しましょう。

青色申告を行なうことで所得の分散ができます

確定申告の方法には、「青色申告」と「白色申告」の2種類があり、とりわけ青色申告には大きなメリットがあります。 65万円の青色申告特別控除、専従者給与(家族への給与)を経費にできること、損失の繰越が可能になることです。
青色申告には、確定申告書に貸借対照表と損益決算書を添付するなどの手間がかかりますが、会計ソフトを使えば必要書類を作成することもさほど難しくないでしょう。 ただし、最高65万円の控除を受けるためには、対象となる不動産業が「事業的規模」でなければなりません。 「事業的規模」の基準は、貸家なら5棟以上、アパート等の賃貸住宅なら10室以上といわれています。
青色申告の最も大きなメリットが、専従者給与(家族への給与)を経費にできること。 つまり所得を家族で分散できるわけです。 日本の所得税は、超過累進課税制度に基づいて算出されています。 この制度は所得が高い人ほど高い税金を支払うというもの。 つまり所得を家族で分けると、全体の所得税が下がるということになります。
下の図は、事業規模が大きい場合を例にして所得分散のイメージを概算で表したもの。 オーナーのみが不動産所得を得た場合と比べて、所得税を大きく圧縮できることがわかります。 ただし、ご家族に他の収入がある場合や、年齢などによっては利用できないこともあるので、綿密な計画が必要になります。

事業規模が大きければ法人化もまずは専門家に相談を

このように賃貸経営は経理によって収益が大きく変わってきますが、事業規模が大きくなるほど内容は複雑になってきますので、専門家のアドバイスが必要になります。
さらに事業規模が大きくなると、個人事業主として経営をするより法人化した方がメリットが大きくなるケースもあります。この場合、個人で経理まで行なうことが難しくなってきます。信頼できるパートナーを見つけることが、最も大切なことだといえるでしょう。

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