特集

家族で考えたい相続贈与 Part3

あたりまえの法律・税金

相続の民法が改正に。新しい内容を知っておきましょう。

この記事は資産活用情報誌「GOOD OWNER」2020年5月号掲載記事をWeb用に再編集した内容となっています。掲載内容は本誌発刊当時のものとなります。

贈与を活かした相続対策

資産を受け渡す際、一般的な相続と並んで活用されるのが「贈与」です。
生前に資産を受け渡すための「贈与」には、さまざまな制度があります。
ぜひ活用して相続対策に活かしましょう。

贈与の特例を利用して資産を生前に移行する

贈与を利用することで生前に喜ばれる

贈与のメリットとしてよく言われるのは、相続資産を減らすことによる相続税対策です。しかし、1番のメリットは贈与する側もされる側も「喜ぶ」ということではないでしょうか。
特に贈与を受けるのが子だった場合、生活費や結婚資金、子育て資金に利用できれば暮らしが豊かになります。国も親の資産を子に活用してもらうための、さまざまな贈与の特例を用意しています(下記表)。
ここではそんな贈与の種類と活用方法についてご紹介します。まずは現在の制度についての正しい情報を知ることが大切です。 

配偶者に活用できる贈与の控除

配偶者にメリットのある贈与の制度として、「贈与税の配偶者控除の特例」があります。これは正式には「夫婦の間で居住用の不動産を贈与した時の配偶者控除」と言い、「居住用不動産」または「居住用不動産を取得するための金銭」の贈与が婚姻期間20年を超えてから行われた場合などに、基礎控除110万円の他に最高2000万円まで控除できるという特例です。
例えば、自宅を妻に贈与することにより、相続財産を減らすことも可能になります。ただし「贈与税の配偶者控除の特例」は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができません。

住宅資金・教育資金結婚資金などの非課税制度

住宅取得等資金贈与の非課税の特例は、両親または祖父母からマイホーム購入資金の援助を受けた場合に最大1500万円まで非課税になります。
教育資金の一括贈与非課税は、30歳未満の子または孫に対して、教育のための資金をまとめて贈与する場合、最大1500万円まで贈与税が非課税となります。
結婚・子育て資金の一括非課税措置は、20歳以上50歳未満の子または孫に対して、結婚・子育てのための資金最大1000万円まで贈与税が非課税となります。
どの制度にも贈与される側の所得制限がありますので注意しましょう。

※ 住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日が2020年2年4月1日~2021年3月31日の省エネ等住宅の場合

最も使いやすい「暦年贈与」

暦年贈与は、1年間に贈与を受けた財産の合計額を基に贈与税額を計算するもので、基礎控除額110万円の範囲内なら、毎年非課税で贈与することができます。
贈与の額については、下の図のように財産の量や相続人の数によって、どれくらいの金額がメリットがあるかが変わりますので、詳しい専門家に相談しましょう。

※納税額は概算です。個別の事例については専門家にご相談ください

暦年課税に代わり選択できる「相続時精算課税制度」も

相続時精算課税制度とは、言わば相続の前払い制度。相続人が生前に贈与を受けた財産について贈与税を仮払いし、相続が発生した時点で、贈与税を相続税と精算する制度です。早い段階で資産を次の世代に移行できるというメリットがあります。
相続時精算課税制度を利用した場合、その後で暦年贈与を利用することができないなどのデメリットがあります。しかし、今後の区画整理や都市開発事業で確実に値上がりの期待ができる土地や、値上がりが見込まれる株式については、この制度を適用した方が有利になるケースもあります。
以上のように、相続税対策のためには資産の活用や贈与を活用することが必要になります。どのような方法を選択することがメリットが大きいのかを判断するためにも、相続全般に詳しい専門家の協力が不可欠となります。税理士、ファイナンシャルプランナー、ハウスメーカーにも詳しい担当がおります。さまざまなプロがいますので、信頼できるパートナーを選びましょう。

ミサワホームへのご相談はコチラから

関連する記事RELATED ARTICLE

あたりまえのアパート経営

今こそ木造3階建て賃貸住宅 Part1

土地の可能性を最大限に活かすためには、多層階の賃貸住宅が有利な場合が多いです。特に都市部の土地を活かす場合に、3階建ては土地の可能性を最大限に引き出せる選択だといえます。そして木造3階建ては今注目のスタイル。そのメリットについて特集します。

記事を読む

あたりまえのアパート経営

賃貸住宅建て替え研究室 Part1

賃貸住宅の老朽化は、オーナー様にとって大きな悩みです。賃貸住宅の建て替えについて、しっかりとした計画を立てるヒントをご紹介します。

記事を読む

あたりまえのアパート経営

立地と目的で決める賃貸住宅建築 Part1

建築の構造・工法はさまざま。その種類と特徴を知っておくことは、今後、計画を進めるうえできっと大きなヒントになるはずです。

記事を読む