経営中の賃貸住宅の入居率を高めるさまざまな手法
5つの段階に分けて考える。満室安定経営への道
「空室を無くすことがゴールではありません。一時的に満室になっても意味がなく、その満室を続けるための経営が必要です」と石川氏。 そのためには4つの成功段階があるそうです。
「ひとつは空室対策。まずは満室にする工夫が必要です。多くのオーナーさまは満室になると満足してしまいますが、実は満室になった時に『満室対策』を行なう必要があります。入居者同士のトラブル、ゴミの出し方などの指導、災害時の対応など、実は満室になっているからこそ考えなくてはならないことはたくさんあります。次にテナントリテーション対策。入居者にできるだけ長く住んでいただくための対策です。そしてウエイティング対策。満室が続く人気の物件になると入居待ちができます。この入居待ちの方に空室をお知らせする仕組みを持つことも大切です。例えば物件のホームページをつくっておき、入居待ちのリストに登録していただくなどの方法があります」と石川氏。
また、空室対策のほとんどは、入居者募集方法の改善で解決できることが多いそうです。
「まず部屋探しサイトでの情報を明確にすること。どんな魅力があるのかを訴求する必要があります。掲載する写真の撮り方ひとつで印象が大きく変わるので、空室が埋まらない場合は、まず考えておく必要があるでしょう。次は家賃設定の見直し。周辺の物件と比べて築年数が経っている場合や、間取りが古くなっている場合は、家賃を下げることも検討します。しかし家賃を下げる手法はきりがありません。外観のリニューアルや室内のリフォームなどを行い、物件の価値を上げることで、家賃をアップしながら入居者に選ばれるという可能性もあります」と石川氏。

魅力をアップするためのリニューアルで家賃アップも視野に入れた空室対策を
建物が古くなり空室率が高くなると、多くの管理会社は家賃を下げる提案をします。しかし、家賃を下げても入居者が集まらないこともあります。
まずこの時点で確認しておきたいのは、部屋探しの物件の見学依頼があるのかないのか。もし募集をかけて依頼がないのであれば、募集方法を見直す必要があります。しかし見学依頼はあるものの入居に結びつかない場合は、家賃に見合う価値がないと判断されているのでリニューアルを検討する必要があります。
「魅力をアップする手法はさまざまです。設備を充実することで入居者に魅力を感じてもらえるケースもありますし、インテリアや間取りを大きく変えてニーズに合わせる場合もあります。大掛かりなリニューアルには資本投下が必要になりますから、それに見合った家賃設定も含めて長期に渡る計画をしましょう」と石川氏。
設備の充実を行なう場合は、入居者に人気の宅配ボックスや、セキュリティ関連の設備、さらにインターネット使い放題の採用、追い焚き機能付きの浴室など、ニーズにあわせたものを追加します。インテリアに関しても、周辺の物件と差別化できるスタイルをとり入れたり、対面型のキッチンにリフォームするなどを考えます。また1階の空室対策として、専用庭を芝生にするなどの工夫も効果的です。
単に家賃を下げるのではなく、さまざまな選択肢の中から、より差別化できる工夫を行うことが重要でしょう。




提案できるパートナーとオーナーの決断が大切
空室対策には多くのノウハウが必要です。何より大切なのは、市場調査を行ない、どのような方法がオーナーさまのメリットになるかを考えて提案してくれるプロのパートナーの存在です。
建て替え、リニューアル・リフォーム、売却。さまざまな提案を長期的に捉えた上で行なえることが必要になるでしょう。なによりオーナーさまがより良い決断ができるかどうかも大きな鍵です。そのためにも信頼できるパートナーを見つけることが不可欠です。
ミサワホームは、オーナーさまのメリットを考えた提案を行なっております。ぜひお気軽にご相談ください。