人材難の今だから注目が集まる

社宅・寮の土地活用 Part1

あたりまえの土地活用

賃貸住宅経営のひとつのマーケットとして「法人需要」があげられます。
その主流が借上社宅や寮。時代が求める社宅・寮の「今」をリポートします。

この記事は資産活用情報誌「GOOD OWNER」2018年10月号掲載記事をWeb用に再編集した内容となっています。掲載内容は本誌発刊当時のものとなります。

人材確保のために、今注目されている社宅と寮

社宅と寮のニーズについてプロにお聞きしました

今、企業の社宅や寮はどのような状況にあるのか、社宅・寮管理の業界最大手である株式会社タイセイ・ハウジーさまにお話を伺いました。
「私どもタイセイ・ハウジーは、社宅や寮を保有したいという企業の社宅管理を代行するサービスを行なっています。現在約580社の企業で、約10万3000戸の社宅を管理しています。中でも多いのが転勤の方のための社宅です」。
その他のニーズとしては、福利厚生の一環として人材確保のために社宅や寮を用意するというものもあります。
「今、どの業界も人材の確保が難しくなっています。社宅などの住宅を福利厚生で用意している企業は、人材確保の面では大きなアドバンテージになります。また地方都市などでの人材確保も難しく、別の都市から人材を募集する場合も住宅が必要になります」。
「私たちの仕事は、そのような日本全国で社宅や寮を求めている企業に代わって、質の高い賃貸住宅を探し、賃貸契約を結び、月々の家賃の支払いまで代行することにあります。近年、社宅の多くは自社所有ではなく借上社宅が主流です。いわば、賃貸住宅を経営されているオーナーさまと、企業の橋渡し的な仕事と言えるでしょう」と社宅代行課の大澤さま。さらに詳しく社宅について、ひも解いてみましょう。

株式会社タイセイ・ハウジー
法人本部 法人営業部 社宅代行課
鈴木 健生様(左)大澤 良介様(右)

住宅手当と借上社宅。その違いがポイント

企業の住宅関係の福利厚生には、社宅と住宅手当の2つがあります。左の図のように、住宅手当は社員が個人的に賃貸住宅を契約し、企業は住宅手当を社員に支払います。一般の賃貸住宅を借上げて社宅にした場合は、企業が賃貸オーナーさまと契約し、家賃も企業から支払われます。どちらも安心感という大きなメリットがあります。
しかし、近年の傾向として住宅手当に関しては減少傾向にあり、借上社宅は増加している印象があります。この理由のひとつに税制面があげられます。
住宅手当に関しては給与と同じように給与所得の対象になりますが、社宅の場合は一定の自己負担があれば給与として課税されません。つまり社員側にとっては「手取額」が多くなるケースがあり、メリットが大きくなるのです。このような理由から、今後は借上社宅の需要が増加していくと予想されます。

自社所有から借上げへ社宅の運営がシフト

ひと昔前までは、社宅と言えば企業が所有するのが主流でした。しかし近年、企業は自社で所有する社宅の処分・整理を急ぎ、コストダウンを図っていて、下のグラフのように自社所有の社宅(社有社宅率)は年々減少傾向にあります。しかし、社宅そのものが大きく減った訳ではありません。自社所有から一般の賃貸住宅を借上げる「借上社宅」へ移行していると言えます。
「社宅を所有するとさまざまな管理の手間が増えます。メンテナンスコストも必要ですし、固定資産税なども発生します。何より建物が老朽化したり、設備が古くなってしまうと社員の満足度が下がってしまうので、福利厚生としてのメリットも少なくなってしまいます。そのような要素もあり、借上社宅を採用している企業が増えています。また事業所などを全国展開している企業では、さまざまなエリアで社宅を確保する必要があり、社員の移動も流動的なので、借上社宅の方が企業にとってもメリットが大きいと言えます」というのが社宅代行課の鈴木さまの見解です。

良質な賃貸住宅を社宅として貸すために

借上社宅のニーズはますます増えています。もちろん都市部にそのニーズが集中していることは確かですが、地方にも工場や医療関係などにおける社宅のニーズがあります。
いま経営されている賃貸住宅でも、これから検討をされる土地活用でも、周辺に社宅としてのニーズがあるかどうかを検討するべきでしょう。
そのためにはやはりプロのアドバイスが必要です。ミサワホームでも法人需要については情報を収集していますし、タイセイ・ハウジーさまのようなプロとも協力し合いながら進めています。まずはご相談ください。

ミサワホームへのご相談はコチラから

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