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南極の人たち

タロとジロ、その後の物語 後編

タロの帰国〜天寿を迎えたタロ

 越冬中にジロを失ったタロは、昭和36年5月、第4次越冬隊の交代に合わせて帰国することになります。タロにとっては、昭和31年11月に日本を離れてから、4年半ぶりの日本でした。
帰国後、北海道大学植物園で飼育されることになったタロは、同年9月には生まれ故郷の稚内に里帰りをしたという記録もあり、昭和45年に老衰で死ぬまでの10年ほどを多くの人に可愛がられて暮らしたそうです。享年14歳7ヶ月、人間の年齢に換算すると80〜90歳の長寿を立派に生き抜いたことになります。
タロとジロの両犬は、死後剥製にされ、タロは帰国後暮らした北海道大学の博物館に、ジロは東京・上野にある国立科学博物館に展示されることになりました。

現在まで続くタロとジロの物語

 その後も第1次越冬隊のカラフト犬とタロとジロの生還は、南極での悲劇、そして奇跡として語り継がれ、10年余り経った昭和58年には2匹の生存劇と観測隊員の苦悩を描いた映画「南極物語」が大ヒットし、当時の歴代映画興行成績1位を記録しました。
この映画のヒットを受けて、タロとジロ、それぞれの剥製を一緒にさせてあげようという運動なども起こりましたが、剥製の状態に問題があるなどしてなかなか実現しませんでした。しかし、平成10年に稚内青少年科学館で開催された「タロ・ジロ里帰り特別展」で、その願いは実を結ぶことになります。2匹が一緒に生誕の地・稚内に戻ったのは、第1次越冬隊として南極に渡った昭和31年以来、実に42年ぶりのことでした。
その後も、タロとジロの姿を一緒に見たいという願いは多く、平成18年にも上野・国立科学博物館で開催された「ふしぎ大陸南極展2006」でタロとジロの2匹は揃って展示されました。
現在では、南極に生物を持ち込むことは条約で禁止され、南極観測に犬ぞりが活躍することはなくなりましたが、今日に続く南極観測の礎を築いたタロやジロのカラフト犬たちの物語は今後も語り続けられることでしょう。

タロとジロ豆知識
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