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季節のいろどり
簡単!あじさいのドライフラワーのつくり方
美しい彩りのあじさいは、ドライフラワーにするとアンティークな色合いになり、お部屋で長く楽しむことができます。
コツをつかめば簡単にできる、あじさいのドライフラワーのつくり方をご紹介します。
どんなあじさいでもきれいなドライフラワーになる?
どんなあじさいでもきれいなドライフラワーがつくれるわけではありません。きれいなドライフラワーになりやすいものと、なりにくいものがあります。たとえば、写真のように開花したてのものは、きれいなドライフラワーになりにくいあじさいです。
きれいなドライフラワーになるのは、写真のようなアンティークカラーの「秋色あじさい」です。「秋色あじさい」とは、初夏に咲き、時間の経過とともに花びらが厚みを増して、気温の変化によりアンティークな色合いに変化したあじさいのこと。
「秋色あじさい」にはさまざまな品種があり、花屋さんでは品種名ではなく、「秋色あじさい」をはじめ「オータムカラー」「ニュアンスカラー」「アンティークカラー」などの名前で店頭に並んでいます。また、「秋色アナベル」「秋色ミナヅキ」もドライフラワーにしやすくおすすめです。
ちなみに、私たちが花と思っている部分は、正式には萼(がく)。がくの部分を一般的には花と呼んでいます。
きれいなドライフラワーにするための準備
あじさいを買ったら、まずは数時間、しっかり吸水させましょう。「ドライフラワーにするのに?」と思うかもしれませんが、しっかり吸水させたものと水が落ちてしまったものでは、仕上がりにはっきりとした違いが出ます。
水が落ちかけたあじさいは、鮮度が落ちた野菜のような、しんなりした触り心地です。その状態で乾燥させると、花びらがくしゃくしゃしたドライフラワーになってしまいます。また、生花として長く飾ってからドライフラワーにしたいところですが、新鮮なうちにドライフラワーにした方がきれいな仕上がりになります。
ドライフラワーのつくり方と飾り方
〈用意するもの〉
- あじさい
- ひも
葉を取り除き、茎をひもでしっかり結んで花を下にして吊るしておくと、1週間程度でドライフラワーに。ポイントは完全に乾燥させること。ドライフラワーになったかどうかの判断は、花をそっと触ってカサカサしていたら、水が抜けた証拠です。
出来上がったドライフラワーは一輪をそのまま飾るか、小分けにして、リースづくりの材料やお皿などに飾っても。直射日光の当たらない風通しの良い部屋に飾りましょう。キッチンやお手洗いは水分や油分が飛びやすいため、繊細なドライフラワーを飾るのには向かない場所です。
どれくらい長持ちする?
写真はドライフラワーにして4カ月後のリースです。ドライフラワーの観賞期間は、およそ3カ月~半年。時間の経過とともに、少しずつ色が褪せてきます。同じ時期にドライフラワーにしたものでも、置き場所によって色の抜け方が変わります。
時間が経つと花にホコリがたまるので、長い期間飾りたいときは清潔を保ちましょう。
最近のあじさいは、品種改良されてきれいな秋色に変化するようにつくられたものもあります。輸入ものも流通しているため、ほぼ一年中手に入ります。国産の「秋色あじさい」が買いやすい価格でお店に並ぶのは夏から秋にかけて。素敵なニュアンスカラーのあじさいを見かけたら、ドライフラワーにしてみませんか。
金子 三保子かねこ・みほこ
フラワーコーディネーター。1997年よりフラワースクールにてスタッフを経験後、2001年に花屋「レコルト」を設立。花のギフトや装花・コーディネイトなど、幅広く活動中。近著に『植物のきもち~がんばりすぎないガーデニング』(日東書院本社)がある。