WEB
季節のいろどり
色彩豊かなビオラ
その魅力と育て方・楽しみ方
ビオラは、開花期間が長く、カラーバリエーションや咲き方が豊富な花。こだわりのある品種も増え、冬から春のガーデニングには欠かせない草花です。晩秋に苗を買えば半年以上咲き続けるので、育て方のコツをつかんで、ガーデニングやインテリアにビオラを取り入れてみませんか。
毎年魅力的な新品種が登場
ビオラは、冬から春まで長期間開花する一年草。本来は春の花ですが、流通上は晩秋から苗が 出回り始めます。色、形、咲き方が豊富で、毎年魅力的な新品種が登場するほか、育種家がつくり出した希少な品種が初冬に出回り、お気に入りを探して園芸店巡りをするのも楽しみの一つです。
苗の購入は11月以降がおすすめ
年々苗の流通サイクルが早くなり、最近は10月になるとお店に並び始めます。希少な品種が多く出回るのが11月〜12月。その後も春まで流通は続きますが、本来の開花時期である春が近づくとガクンと流通量が減ります。
初めてビオラを育てるなら、購入時期は11月以降の肌寒くなってからがおすすめです。こだわりの品種を育てたい方は、11月〜12月に園芸店をのぞいてみましょう。
ビオラは、寒さには強い草花ですが、暑さには弱いので、秋でも真夏日になる時期には徒長 (花茎がだらんと伸びてしまうこと)することがあります。弱った苗を春まで管理するのはなかなか難しいので、肌寒くなった頃に購入した方が春まで長持ちしやすくなります。
育て方のコツ
①植え替え
苗を購入したら、必ず一回り大きな鉢に植え替えましょう。鉢、鉢底石、草花用の培養土、元肥を用意し、植え替えたらたっぷりと水を与えます。
ビオラは、他の草花と合わせて寄せ植えにすることもできます。組み合わせる草花には、開花時期が同じで日当たりを好むものを選ぶと、どちらも育ちやすくなります。
②肥料
最近の市販の培養土は元肥入りの商品が多いため、元肥が入っているなら新たに肥料を入れる必要はありません。鉢は日当たりと風通しが良い場所で管理しましょう。
たくさんの花を咲かせるので追肥は必須です。肥料は草花用を使いましょう。
肥料には固形と液体がありますが、どちらでも構いません。固形は持続期間が長いけれど効果はゆっくり、液体は即効性があるけれど効果は短いのが特徴です。
肥料は足りなくても多すぎても問題が起こります。頻度や容量は商品によって違うので、お使いになる肥料を確認して与えるようにましょう。
③水やり
「土が乾いてきたら水を欲しているタイミング」です。鉢の表面の土が白っぽくなってきたら、鉢底から流れ出てくるくらいたっぷりと水やりをします。季節、天候、置き場所の日当たりによって土の乾きは変わるため、このタイミングを目安にすると枯らすことがありません。
花がら摘みでたくさんの花が咲く
ビオラを長くたくさん咲かせるには、終わった花がら(花と茎)をこまめに摘み取るのがコツ。写真のように花びらがしわしわになり、くるんとカールしたら終わりの合図です。花がらをそのままにしておくと、次の子孫になる種をつくることにエネルギーが集中し、次第に花数は減少。この仕組みを利用して、花がらをこまめに摘むと次々と花を咲かせるようになります。
冬のビオラと春のビオラ
①冬
花数は少ないのですが、一つの花が咲いている期間が長いのが特徴です。花数が減ると心配になるかもしれませんが、葉が黄色くなったり、苗が徒長したりしていなければ問題ありません。
②春
春になると茎が伸び、次から次へと咲き出し、賑やかに。その分、花がら摘みは忙しくなります
インテリアとしてのアレンジ
庭やベランダだけでなく、ビオラを部屋にも飾ってみませんか。
①茎が短いビオラで
茎が短いビオラを使って、器の縁で花を支える要領で生けます。
②少ない本数でも鮮やかに
少ない本数のビオラを生ける際には、口の狭い器を使うと花が安定します。
③季節の草花と一緒に
長期間咲き続けるビオラは、さまざまな季節の草花と合わせることができます。
④ドライフラワー
ドライフラワー用乾燥剤(シリカゲル)を使えば、ドライフラワーでも楽しむことができます。つくり方は、保存容器に乾燥剤を入れてからビオラをセット。花が見えなくなるまで乾燥剤をかぶせ、ふたをして1週間程度で完成です。取り出すときは、ピンセットなどでやさしく扱いましょう。

金子 三保子かねこ・みほこ
フラワーコーディネーター。1997年よりフラワースクールにてスタッフを経験後、2001年に花屋「レコルト」を設立。花のギフトや装花・コーディネイトなど、幅広く活動中。近著に『植物のきもち~がんばりすぎないガーデニング』(日東書院本社)がある。