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季節のいろどり
春まで長く楽しめる
チューリップとビオラの寄せ植え
春の花の代表格、チューリップを球根から育ててみませんか。
その際、同じ季節に咲くビオラを組み合わせて寄せ植えにすると、冬から春まで長く楽しむことができます。
球根の植え付けは「紅葉」が目安
秋が植え付け時期といわれているチューリップの球根ですが、夏から秋の気温の変化は毎年異なります。そこで、その年に適した植え付けの目安としておすすめなのが「紅葉」です。
最近は10月でも真夏日になることがあり、まだ暑さが残る頃は球根の植え付けには早すぎます。木々が色づきはじめ、「朝晩が冷え込んできた頃が球根の植え付けのベストタイミング」と覚えておくと、その年に適した時期に植え付けることができます。
また、チューリップは寒さを感じることによって花芽をつくる性質があります。遅くても年内には植え付けを終えましょう。
開花時期と草丈を事前に確認
同じチューリップでも開花時期や草丈はさまざま。それらを把握しておくと、庭に植える際に便利です。
開花時期
チューリップの開花時期を大きく分けると、早生(3月下旬〜)、中生(4月上旬〜)、晩生(4月下旬〜)の3つに分類され、開花時期の目安は球根の入ったパッケージに記載されています。
草丈
こちらもパッケージに記載されています。花壇に植え付ける際に、草丈を把握しておくと、適切な位置に植え付けることができます。
チューリップとビオラの寄せ植え
チューリップの球根は、芽が出るまでは鉢の上は土だけで見た目が寂しく感じます。春まで長くたくさん咲くビオラなどの草花と一緒に植えておくと、芽が出てくるまでの間も楽しめます。
冬から春になるにつれ、日毎にビオラの花数が増え、さらにチューリップが咲き出すと春爛漫の華やかな雰囲気に。冬から春まで変化を楽しめる寄せ植えになります。
〈用意するもの〉
- 鉢(高さ30cm以上)
- 鉢底石
- 元肥(培養土が元肥入りなら不要)
- チューリップの球根
- 草花(チューリップと開花期間が重なるもの 今回はビオラを使用)
〈作り方〉
① 鉢に鉢底石を敷き、土を鉢の半分くらいまで入れ、元肥を混ぜておきます。この部分が球根が根を張るスペースになります。
② 球根をセットします。尖っている方を上にして球根を配置し、球根が隠れる程度に土をかけます。
③ ②の上に鉢の高さから1〜2cmスペースを空けて草花(今回はビオラ3苗)をセットし、隙間に土を入れます。こうすることによって、水やりをしたときに一時的に土のかさが上がっても鉢から土が流れ出るのを防ぐことができます。
ビオラは株の向きをやや鉢の外側に傾けて植えると、外に広がるように成長するため、苗の蒸れ防止になります。
④ 植え付けが終わったらやさしい水流でたっぷりと水やりを。水やり後、土が沈んで苗がむき出しになったら、土を追加して再度水やりをします。
⑤ 翌日以降の水やりの目安は、鉢の表面の土が乾いたタイミングで、鉢底から流れ出てくるくらいたっぷりと与えます。冬の水やりは午前中に行うようにしましょう。
⑥ 2回目の肥料は、暖かくなってビオラの花数が多くなってきてから。以後は使用している肥料に適した頻度を確認して追肥します。
肥料は草花用を使いましょう。肥料には固形と液体がありますが、どちらでも構いません。固形は持続期間が長いけれど効果はゆっくり、液体は即効性があるけれど効果は短いのが特徴です。
肥料は足りなくても多すぎても問題が起こります。頻度や容量は商品によって違うので、お使い になる肥料を確認して与えるようにましょう。
寄せ植えの成長記録
植え付けてからチューリップが開花するまでの成長の様子をご紹介しましょう。
12月前半
寄せ植えをつくったのは11月後半。2週間が経過するとビオラが根付き、花数が増えてきました。
3月
チューリップの芽がビオラの隙間からにょきにょきと成長中。
4月前半
つぼみを発見!嬉しい瞬間です。
4月中旬
つぼみが少しずつ色づきはじめました。
4月中旬〜下旬
1週間程度ですべてのチューリップが開花しはじめ、一気に華やかな雰囲気に。今回は5球の 球根を入れましたが、色づくタイミングはすべてが同時ではありませんでした。ビオラも冬に 比べると草丈が伸びて溢れるように咲き誇っています。
花が終わったら
花首だけを切って、ビオラが終わる5月の終わりまでそのまま管理します。
色や咲き方が豊富なチューリップとビオラ
チューリップとビオラは色、形、咲き方が多種多様。「明るく元気に」「シックでおしゃれに」など、色合わせを工夫してさまざまな雰囲気を演出してみましょう。
金子 三保子かねこ・みほこ
フラワーコーディネーター。1997年よりフラワースクールにてスタッフを経験後、2001年に花屋「レコルト」を設立。花のギフトや装花・コーディネイトなど、幅広く活動中。近著に『植物のきもち~がんばりすぎないガーデニング』(日東書院本社)がある。