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interview

毎日の幸せが増す、
ごはんの話

五ツ星お米マイスター
澁谷梨絵さん

最近、こだわりのお米が増えている。
炊き方を変えると、さらに美味しくなる。
五ツ星お米マイスター・澁谷さんに
毎日の幸せを与えてくれるお米と
ごはんの炊き方について教えてもらった。

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  • 五ツ星お米マイスターです
    実家が米屋でした。米屋を始めた頃は右も左も分からず、何百枚という田んぼを回っては田植えなどの農作業を通じて経験を重ねました。きちんと知識でも伝えられるように20代のうちに五ツ星お米マイスター資格を取りました。今でも品種開発の現場に通ったり、炊く前にお米を凍らして栄養の変化や食感を確かめたり実験を重ねています。自分でもあきれるほど、お米が好きになりました。

    こだわりのお米が増えています
    お米はどんどん多様化してきていて、登録品種だけで900種類*近くに。その中で流通のために作られているのは290種ほどです。品質も全体的にあがって、おいしいお米が増えました。30年前は10種類ほどだった特A品種が、今では40種類以上もあります。チャーハンやカレーに合うお米などが開発されるなど、進化を遂げています。家に複数のお米をストックしていて、料理に合わせてお米を選ぶというこだわり派の方もいらっしゃいます。
    *2019年3月時点
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  • おすすめの新品種3ブランド
    近年は、味わいや食感などの個性を生かした土地ごとのお米が作られています。ご紹介しているのは、この3年の間にデビューしたおすすめの新品種です。

    ◎いちほまれ
    「いちほまれ」は福井県産の品種で、福井の新しいブランド米として生まれました。コシヒカリを進化させた王道の味わいが魅力です。甘味が豊かでもっちりとした粘り、あでやかで真っ白な炊き上がりの美しいお米です。

    ◎雪若丸
    「雪若丸」は山形のお米。同じ山形県産の「つや姫」に似た美しい白さとつや。30~40代の子育てママをターゲットに開発された品種で、美しい光沢に食べ応えのある弾力性、バランスのとれた粘りと硬さの食感が楽しい品種です。

    ◎新之助
    「新之助」は新潟県産。表面は硬めで、しっかりした粒感が立って見た目にもスリム。甘味は抑え目ですが旨味の強い品種で、料亭で出てくるような上品な味わいがあります。粒感と粘りが両立していて、冷めてもおいしいお米です。

    今年は新米の当たり年です
    お米の収穫は8月くらいに九州から始まり、11月初旬くらいに北海道で全国の収穫が終わります。すでに九州産の新米が届いてきていますが、美味しいですね。今年は梅雨がしっかり長く、田んぼに水が十分に届き、寒暖差がしっかりとあったので、全国的に今年の新米にはとても期待しています。ブランドで選ぶだけでなく、2合~3合ずつ食べ比べてみて、自分好みの品種を見つけてほしいですね。
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  • 美味しいごはんの炊き方
    昔のお米は精米後の汚れやぬかが残っていたので、米同士をすり合わせて研ぐ必要がありました。しかし、今のお米はぬかが落ちやすく、繊細で割れやすい。研ぐ必要はなく、洗うだけで十分です。家庭科で習った炊き方は、現代のきれいに精米されたお米には合わず、むしろ美味しさを奪ってしまいます。時代とともに、炊き方が変わっているのです。

    1合につき1個の氷を
    おいしいお米が増えてきたので、ちょっとした炊き方の工夫で、豊かな味わいをもっと楽しんでほしいと思います。簡単なのは、洗ったお米を炊く前に1時間ほど冷蔵庫で冷やしておいたり、1合につきひとつの氷を入れて炊くことですね。炊くときに冷たい温度から沸騰させるまでの時間を長く取ることで、ごはんがふっくらと炊き上がります。そんなひと手間でぐっと味わいが深まります。

    自分の好きなお米を見つけよう
    同じ品種でも地域ごとの土の質や温度の差によって味わいが変わります。たとえば同じコシヒカリでも、産地が東だと、もっちりと粘り強い味わい、西だと甘味も抑えめであっさりした味わいになります。地産地消品種などもありますので、自分にはどのお米が合っているのか、迷ったらお米屋さんに聞いてみるのがいいと思います。
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  • お米を食べることが、日本の風土を育む
    米作りをしている農家の方々は、効率性や経済性だけを考えていません。日本の食卓に欠かせないものだからこそ、お米が心地よく育つようにと、想いを込めて作っています。お米を食べることは、お米をつくる田んぼを守ることになります。田んぼを守ると、洪水や土砂崩れを防ぐ治水効果や水質の浄化など、日本の風土を守ることにもつながっていきます。

    お米そのものを味わってほしい
    お米の個性はとても豊かになりました。ぜひ、ごはんそのものの繊細な味の違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。米農家の方々が丹精を込めたお米だから、炊き方にもひと工夫を。家族でおいしいごはんを食べることで、毎日の幸せを感じていただければと思います。

    撮影:ミサワホーム 「GENIUS GATE」 たまプラーザ展示場
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澁谷梨絵さん
澁谷梨絵さん
五ツ星お米マイスター、株式会社シブヤ代表。松屋銀座本店、東急百貨店本店/たまプラーザ店で、こだわり米・雑穀の専門店「米処 結米屋 ゆめや」、こだわり米を使った釜炊きご飯と手作り惣菜のお弁当店「和デリ」を展開。食育のための出張授業や講演、執筆活動のほか、CMやテレビ出演など幅広く活躍している。

関連サイト
澁谷梨絵オフィシャルブログ
和デリ

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おいしいお米を探し求めて、全国各地のお米生産地を歩き回り、お米の味を誰よりも知る澁谷さんが、お米の選び方や炊き方をはじめ、おいしいごはんのための極意を伝授。雑炊、炊き込み、混ぜごはんなどおすすめのレシピまで付いた一冊。2017年2月(ワニブックス)



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