Frontier Story

責任は重大、
やりがいは無限大

まちづくり事業
2016年入社/東京大学卒

長谷川 敦Hasegawa Atsushi

開発事業部 都市開発課
宅地建物取引士
再開発プランナー
不動産証券化協会認定マスター

Frontier Storyフロンティアストーリー

新卒1年目からまちづくり事業へ

私が入社した際、ミサワホームの新卒社員は、まず基本となる戸建住宅営業に配属となる社員が多かったですが、私の場合は新卒からまちづくり事業の部署に配属になりました。入社1年目からまちづくりを担当するのは私が初めてで、実は1ヵ月間戸建住宅営業の研修を受けた後、特にまちづくり関連の研修があったわけではなく、いきなりこの部署に配属となりました。

最初に担当したのは、さいたま市浦和区にある分譲マンションでした。私が関わった当時は既に着工しており、工事の管理から引き渡しまで、予算やスケジュールの管理と、販売では広告などの販売戦略を担当しました。

最初はわからないことばかりでしたが、先輩や他部署の社員にわからないことを聞きながら勉強しました。いろいろ学ばせていただいた1年目でしたね。

さらに大きなプロジェクトへ

2年目から現在にかけて、神奈川県藤沢市の「藤が岡二丁目地区再整備事業」を担当しております。

藤沢市には、保育園と市民病院の看護師寮、そして市の職員住宅が老朽化しているという課題がありました。職員住宅と看護師寮を取り壊し、保育園を建替えることになり、それ以外にも周辺で老朽化している公共施設がありましたので、それを集約するプロジェクトです。

それに対してミサワホームは、医療・介護、保育事業といったノウハウと事績を基に、公共施設と同一敷地内の余剰地にクリニックと薬局、フィットネスなど健康維持機能を導入するご提案を行いました。

また、ミサワホームの子会社にセントスタッフという会社があり、障害のあるお子さま向けの放課後等デイサービスのノウハウがありますので、高齢者や子育て世帯だけではなく障害のあるお子さまを含めた多世代の交流を実現するスマートウェルネスタウンを作っていきましょう、ということをご提案させていただきました。

ミサワホームは全国で地域に密着した販売の拠点を持っており、地元企業と一緒にプロジェクトを進められることが強みです。藤沢市のご提案も地元企業と一緒に取り組み、その結果、最優秀提案者に選定され、藤沢市と基本協定を締結し、再整備事業がスタートしました。

PFI※1事業、会社設立、はじめてのことばかりだった

この事業はPFI事業、簡単に言えば公共事業を民間のノウハウと資金を活用して運用していくというスキームを採用しています。ミサワホームとしては応募グループで「設計」「建設」「維持管理」を一括で行うPFI事業は初の取り組みです。

まず最初は、資金の調達をしなければならないのですが、これも民間である我々が行います。そこでSPC※2(特別目的会社)という会社を作りました。会社の事業収支を作成し、会社名や資本金、取締役の決定にもすべて携わりました。そして地元銀行からプロジェクトファイナンスという融資を取り付けました。このスキーム作りがとても大変でした。

そして藤沢市とSPCの契約、それからSPCから発注する設計や工事の契約など、数えれば22本の契約を結びました。弁護士と相談しながら進めていきましたが、これだけでも半年はかかりました。

インフラを整えた後は具体的な設計の作業に入りましたが、これも大変でした。1年目の浦和のプロジェクトの経験から、着工以降の動き方はわかっていましたが、着工以前の経験しておらず、私自身は建築の出身ではないので、正直わからないことだらけでした。

そこは社内の設計者と相談しながら、いつまでにここを押さえないと着工できないということを意識して進めていきました。

設計図面が出来上がってくると、工事費を計画予算内で収めることが1番重要です。建物のクオリティを落とせば予算を抑えることはできますが、クオリティを維持しながらいかにコストを抑えるか、調整に3ヶ月もかかりました。

自分が知らなくてもネットワークの中で知識がある方に色々と教えていただき、それを自分の中で整理整頓し、足りないところは調べながら事業を前に進めていく。新しいことにチャレンジしていける自分の強みを発揮できたと思っています。

プロジェクトリーダーへの就任

当初、私の先輩がリーダーで私はサブリーダーとしてプロジェクトに参加しており、私が会社の設立と融資を担当し、当時のリーダーが全体のコンセプトの立案やスケジュール管理をしていました。ある程度事業の方向性が見えたところで、私がプロジェクトリーダーに任命されました。

周りは皆年上、他のチーム内でも私が1番年下という中でのプロジェクトリーダーはとても大変でした。「自分はできません」と言ってしまうこともできたと思いますが、「やります」と言えたことは自分の中で大きいですね。

責任は重大ですが、今ようやく着工というタイミングで、非常にやりがいを感じています。まちづくりという事業自体がミサワホームとしては先を走っている事業ですから。こういう機会に恵まれ、自分の力を最大限に発揮して、このプロジェクトを成功させようという思いは強く持っています。

これからのまちの未来への挑戦

藤が岡の事業が他の事業と違う最も大きな点は、完成後20年間、ミサワホームがこの事業の運営に携わっていくということです。今後のまちの賑わいというものにも積極的に関わり、地域を活性化していくということが課題となります。

これからどう運営していくか、どのように組み立てていくのか、考えていくことに非常にやりがいを感じています。また、この足掛け何年かの経験や苦労をきちんと文章にまとめて振り返り、今後の工夫につなげていきたいですね。今から20年後だと私も40代後半になります。このまちの未来が楽しみですね。

※1 Private Finance Initiative の略。公共施設等の建設・維持・管理・運営等を、民間が持つ経営ノウハウや 資金を活用し、低廉かつ良質な公共サービスを提供することを目的とした公共事業の手法

※2 Special Purpose Company の略。PFI事業を遂行するために設立された特別目的会社

※所属部署は取材当時の部署を記載 

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